今回の事件の概要を伝えた上で、消滅したとされるビットコインが見つかるか否かについて、次の様に述べる。
「ビットコインが見つかるのか、見つかるとしたらどの様にして見つかるのかは明らかではない。開発者の間で『プロトコル』と呼ばれるビットコインの基盤になっているソフトウェアコードは、特殊なマーカーを使って全ての取引を追跡することが出来ると信じられている。マーカーはオンライン台帳を通して追跡可能だ。」
「キャッシュは、銀行の金庫から盗まれて広く分散されてしまうと追跡が困難だが、キャッシュとは異なり、ビットコインの取引は台帳に記録され、その台帳にはコンピュータさえあれば誰でもアクセスすることが可能だ。」
「何人かのコンピュータの専門家は、どんなハッカーでもコンピュータによる侵入の痕跡を隠すことが出来ると信じてきた。しかし、もし一つ一つのビットコインがマーカーを持っているのなら、窃盗犯が大きな額を他の貨幣に変換することはより困難になるだろう。これは、美術品の窃盗犯が盗んだマチスの絵を、すぐに質に入れるのが難しいとの同じことだ。」
この様な状況に希望を抱いた被害者やトレジャーハンター達が、仕事そっちのけで、失われたビットコイン探しに奔走していると述べた上で、次の様な事例を紹介する。
「ナッシュビルに住む40才のフリーランスのウェブ開発者であるデボン・ウェラー氏は『小額の』ビットコインをマウントゴックスに預けていた。彼は、金曜日の朝、通常の業務そっちのけで、無くなったビットコインの捜索に乗り出した。彼は、自分のホームオフィスから公開台帳にアクセスし、大量の取引の後を追跡し始めた。」
その後、この事件の最新状況や米国当局の対応等について詳細に報じた後、多くの人々チームを組んでがビットコインの捜索に熱狂する様子を紹介している。
「シュレム氏は、他の4人と共に捜索し、まだマウントゴックスの金庫にあると思われる90,000のビットコインを見つけたかもしれないという。マウントゴックスはこれらのビットコインは盗まれたと言っているが。シュレム氏は、見つかったというのはあくまで論理であり、まだ推論にすぎないとも言う。『我々はコミュニティーのために、捜索をしている。』」
シュレム氏は、ビットコインの熱心な擁護者だが、ビットコインを使ったマネーロンダリーの疑いで1月に逮捕され、自宅監禁中だ。
「レビン氏は、Letstalkbitcoin.comのライター。ビットコイン捜索については独学だ。彼のチームは『36時間のスカイプを利用した会議』により、捜索計画を作成したという。」
レビン氏は、その後に予定されている会議もキャンセルし、捜索に没頭するらしい。
さすがに米国は、IT先進国だし、新しいもの好きだし、何と言っても個人の活力に溢れる社会だけあって、ビットコムへの対応も日本とは随分異なる。