Wednesday, October 31, 2018

*** 10月のまとめ***

10月にWSJ(ウォールストリートジャーナル)に掲載された日本関係の記事は6件だった。1月から9月までの月あたり掲載数が、平均6.6件だったので、掲載数としてほぼ平均値。

テーマ別では、政治関係が4件、経済関係が1件、社会関係が1件。

政治関係では、1日に「玉城デニー氏の沖縄新知事選出」を、3日に「安倍新内閣で女性大臣が1人にとどまったこと」を、5日に「ミャンマーのアウンサンスーチー女史来日」を、13日に「外国人労働者拡大に向けた法改正」を報じた。
玉城デニー氏の父親が米国人(米海兵隊員)であること伝えている。先月大活躍した大坂なおみ選手らを含め、最近は従来の日本人とは違うタイプの日本人の活躍が目立つ。こうした「新しい日本」は、法改正による労働者受入れ拡大によって、更に加速されるだろう。
その一方で、女性が輝く社会を目指した安倍首相自身が、自らの内閣に1名の女性大臣しか登用しなかったり、ロヒンギャ問題に目をつぶりミャンマーに急接近する日和見的な外交姿勢など、「変わらない日本」についても報道している。

経済関係では、10日にソフトバンクによるウィーワーク買収の可能性を1面で報じた。日本経済新聞をはじめ多くの新聞がこの記事を引用。WSJの特ダネだろう。スタートアップ企業を応援するソフトバンクの姿勢を評価すると同時に、そのスケールの大きさに驚嘆している様に読める。アメリカ人をも驚かせるスケールの投資ファンドを率いる孫正義氏はすごい。

社会関係では、9日に「3.11からの復興」から学べることは多いとする読者が、自らまとめた「7つの教訓」を投稿した。東日本大震災からの復興プロジェクトは、3,150億ドル(約33兆円)を投じた人類史上最大の土木プロジェクトで、復興が終わると、その反動で、沢山の失業者が出て景気が悪くなるとのこと。日本ではタブーの視点だ。

掲載箇所では、1面が1回、読者投稿欄が1回、国際面が4回だった。

Saturday, October 13, 2018

日本は外国人熟練労働者を勧誘【A9面(国際面)】

政府は12日、単純労働者を含む外国人労働者の受け入れを拡大する入国管理法などの改正案の骨子を示したが、WSJはこのニュースを翌13日の国際面で速報した。


 日本には移民アレルギーがあり、長い間外国人労働者の受入れを拒んで来たが、深刻な労働者不足に対応するために、スキルのあるブルーカラーについて無期限の滞在を認めることにしたことを報じている。

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日本は、海外からのブルーカラーの労働者を、一定のスキルを満たせば、無期限に働くことができる様にする計画だと発表した。長い間の慣行を破ることになる。
これは、安倍内閣が、今年の国会で成立させ、来年41日から施行しようとしている外国人労働者に関する法案の一部だ。この法案は、農業や建設業といった産業における厳しい労働者不足に対応するものだ。
金曜日に菅官房長官は、日本は、外国人が働いたり、住みたくなる様な、国を目指すと語った。
安倍首相は、今年、外国人労働者についての新しいプログラムを創設したいと語っていた。しかし、外国人労働者が、どれくらいの期間日本に滞在できるかは、明確ではなかった。
金曜日に発表された法案は、2つ異なったシステムを提示している。一つは、あまりスキルのない労働者向けで、5年滞在することができる。もう一つは充分なテクニカルスキルを持っていると判断された労働者向けだ。こうした労働者は、日本に無期限で滞在可能で、一緒に家族を連れてくることも出来る。
日本は長い間大規模な移民を拒んできた。ほとんどの国民が同じ民族に属するという文化的な強みが弱まるという固定観念があるのが、その理由の一つだ。日本で生まれる国民が減少し、雇用主が労働者を見つけるのに苦労している現状を踏まえ、安倍首相や経済界の幹部たちの考えは変化した。
それでも、この問題はセンシティブだ。安倍首相は、移民政策は採用しないと何回も約束してきた。安倍首相のこの考えを取り入れた法律案を作る考えがあるかと質問され、菅官房長官は苛立ちをあらわにした。こうした安倍首相の考えは、一般的には、肉体労働者には、日本に無期限に来てほしくないということを意味していると受け取られて来た。
「全く何も変わっていない。」と菅氏は述べた。菅氏によれば、技術的に十分なスキルを持ったブルーカラー労働者は、企業幹部や教授といったホワイトカラー労働者と、同じだ。こうしたホワイトカラー労働者は、雇用主がそのスキルを必要としていれば、これまでも無期限に日本に滞在することができた。
最新のデータによれば、日本に滞在する外国人労働者の数は、この5年で倍増し、201710月には128万人に達した。多くの学生が、発展途上国からの人々のトレーニングを目的としたプログラムでブルーカラー労働者として働いている。しかし、このプログラムは実際には、低賃金労働者の確保のために使われている。
日本国際交流センターの執行理事で、外国人労働者について研究して来た毛受 敏浩氏は、新しい法案は、トレーニングプログラムの二の舞になるのではないかと心配している。このプログラムを使って日本に来た労働者は、母国のブローカーに巨額のお金を払う必要があることに不満を持っている。そして、日本にくれば、雇用主による虐待が待っている。
毛受氏は、それでもこのプログラムにより、製造業者は、退職が近くなった熟練技術者を置き換えるための長期滞在移民を見つけやすくなるだろうと述べた。「本当にスキルを持った労働者に滞在してもらうことが、重要だ。」と彼は述べた。

Wednesday, October 10, 2018

ソフトバンクはウィーワーク株の過半数取得に動く【A1面】

ソフトバンクグループは、オフィスシェア事業を手掛けるウィーワークの過半数株式取得に向けて協議しているとする記事が、10日の1面に掲載された。


 投資額は150-200億ドルで投資元はソフトバンクビジョンファンドになる見込みとしている。ウィーワークは、マンハッタンで大量のオフィスを長期リースし、それらを小さく区切って小規模な企業に短期間サブリースすると言うビジネスモデルで急成長してきた。ニューマン社長は、人々をつなぎ、コミュニティを作ると言う大きなビジョンを掲げている。こうした多くのスタートアップ企業が、ソフトバンクビジョンの様な、ベンチャーファンドに支えられている。

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ソフトバンクグループは、ウィーワークの株の過半数取得を目指して、交渉をしている。創業8年目の、共有オフィススペース企業への、大きな投資となる。交渉に詳しい人々からの情報だ。
何人かの人々によれば、投資額は、150億〜200億ドルと見られ、ソフトバンクビジョンファンドの資金が使われる模様だ。920億ドルに上るビジョンファンドは、ソフトバンクに加えて、サウジアラビアやアブダビからも投資されている。昨年、時価総額200億ドルのウィーワーク株式のうち、44億ドルを取得して、ほぼ20%の株式を保有している。
何人かによれば、交渉は流動的で、成立するかどうかについては何の保証もない。
ソフトバンクとウィーワークは、今年の夏に、ウィーワークの時価を400億円とする少額の投資について交渉していた。ウォールストリートジャーナルは6月に報道していた。
交渉が成立すれば、過去数十年のスタートアップブームの最大で最も重要な買収となる。ソフトバンクは、1月にベンチャーに支援されたスタートアップ企業に最大の投資を行った。77億ドルを支払って、ウーバーテクノロジーの株を15%取得したのだ。ベンチャーの支援を受けた160以上の企業が、10億ドル以上の価値を持っているが、2010年には数社に過ぎなかった。
この8年で、ニューヨークに本社を置くウィーワークは、ローアーマンハッタンの1つの事務所から、今年の半ばには、287のビルに265,000以上のデスクをレントするまでになった。不動産サービス企業であるCushman & Wakefieldによれば、ウィーワークは、他のどの企業よりもマンハッタンに事務所スペースを占有しており、そこで530万フィートをレントしている。
そうした成長は、60億ドル以上に上る投資によって可能となった。ソフトバンク以外にも、ベンチャーキャピタルのBenchmark、中国に本社があるHony CapitalJPMorgan Chaseの資産管理部門などが投資している。
ウィーワークのコアビジネスは、オフィスリースだ。内装などが施されていない事務所を長期でリースし、サイズをフレキシブルに変えられるスペースにモダンなデザインで内装を施し、1ヶ月といった短期間でサブリースする。
不動産にフォーカスしているが、いつも、どちらかというとテック企業の様なイメージで売り込んでいる。チーフエグエクティブのアダム・ニューマンは、人々をつなげ、コミュニティーを作るという、広いビジョンを掲げている。
ニューマン氏は最近、ウィーワークにとってのオフィスは、アマゾンにとっての本の様なものだと述べた。ウィーワークが目指すもののほんの一部に過ぎない。
彼の大きな野望は、一つのコミュニティを作ってしまうことだ。そこには、事務所だけではなく、ウィーワークが運営するマンションや、ジムや学校さえある。先月、小学校が開校した。また、サーチエンジン最適化の企業も進出した。波の出るプールのビジネスへの投資も考えている。
ウィーワークの評価額は、長い間、不動産所有者やサービス付き事務所のベテランたちを惑わせてきた。こうした人たちは、レンタルオフィスといった似た様な製品を供給してきた。それほど格好良くはないが。こうした企業で最大のIWGは、6月現在、ウィーワークの倍の数のデスクをレンタル用に確保している。しかし、評価額は、ウィーワークの1/5だ。
ウィーワークはまた急成長への投資の中で、損失を積み上げてきた。そして、最近そのロスは加速し始めた。債権者に明らかにされた数値によれば、今年の上半期に、76,300万ドルの損失を計上した。前年同期の1億5,400万ドルを大幅に上回る金額だ。同じ時期に、売上は倍以上に拡大し、76,300万ドルになった。
ウィーワークは、損失は成長への投資を反映しているとしてきた。彼らが保有している場所は、一旦オープンして完全にリースされれば、健全なマージンを生み出す。
成長を支えるのは、中堅から大型の企業で、部門や何人かの従業員のためのオフィスを1-3年借りるところだ。こうした企業の多くが、短期リースのフレキシビリティーを気に入っている。ウィーワークは10-15年もの長期レントの支払いのリスクを抱えている。
懐疑的な人たちは、ウィーワークに何十億ドルも投資した人は、そのビジネスのリスクを十分に理解していないと言う。その顧客は、長くは続かないかもしれないスタートアップが大半を占めているし、不況になると離れていってしまう大企業もいる。一方で、ウィーワークは長期リースにっ縛られている。
「彼らは、多くの他人のお金を急速に使っている。」とフランクコトルは言う。彼は、サービス付きオフィスのネットワークを運営しており、20年前に、IWGの前身であるRegasにサービス付きオフィスのたくさんのポートフォリオを販売してきた。「ウィーワークに投資してきた人たちは、そのストーリーを見ている。」と彼は言う。「彼らは、その利益を度外視しているのだ。」

Tuesday, October 9, 2018

日本の津波からの復興は世界への教訓【A17面(読者投稿欄)】

3.11からの復興」から学べることは多いとする読者の投稿が、9日の読者投稿欄に掲載された。


 米国人であるこの読者は、被災地に何回か訪問したことがあり、彼自身がそこから学んだ「7つの教訓」をまとめている。日本人では気がつかない視点もあり、なかなか面白い。東日本大震災からの復興プロジェクトは、3,150億ドル(約33兆円)を投じた人類史上最大の土木プロジェクトとのこと。復興が終わると、沢山の失業者が出るだろうという心配が米国人らしい。


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ハリケーンFlorenceやスラウェシの地震と津波の様な自然災害は、数日か数週間、見出しを飾るが、その後の復興からの重要な教訓は、しばしば忘れ去られてしまう。2015年に日本の津波被災地への4回目の訪問の時に初めて、私は、日本の復興10年計画は、目に見える結果を出し始めたと感じた。最近、私は再訪問した。22,000人の犠牲者を出した2011 311日の大惨事から7年が経過した。日本の経験からは多くのことが学べる。

・移設住居を事前に計画しておく。3.11の後、日本政府は、迅速に、何万人もの避難民を緊急避難シェルターから、平らな屋根の鉄筋のプレハブへ移送した。1995年の神戸・大阪地震の教訓から事前に計画を策定していた。アクセスの便のために、フレキシブルなバスルートが、被害が甚大で復旧に時間を要する鉄道を代替した。

・日用品の需要を満たす仮設ショッピングセンターを迅速にオープンさせる。地元のビジネスの再開をスピードアップする。サノケンジさんが、グリーンリーフ仮設ショッピングパークの彼の店に貼り出した貼り紙は、心温まるニュースだ。この店は、津波によって最も甚大な被害を受けた町の一つである釜石にある。貼り紙には次の様に書かれていた。「崩壊した家と酒屋を再建しました。このため、この仮設店舗での営業を止め、以前家や店があった場所に戻ります。」3.11から5年経って、サノさんは、父親が1926年に始めたファミリービジネスを再興させたかった。51才の息子が家族を支援できる様に。

・目立つ避難サインが不可欠。サノさんの近隣の人々は、家を出たが、すぐに死んでしまった。なぜなら、どこへ行くべきか分からなかったから。津波の被災地には、今は、高台を指すサインが設けられている。もし、災害の前にこうしたサインが設置されていたら、多くの人命を救っただろう。

・メンタルヘルスサービスが不可欠。高齢社会である日本では、被災者の多くが痴呆症に苦しんでいた。しかし、壁に囲まれた避難所の中まで入って対応するためには、十分な数のソーシャルワーカーがいなかった。サノさんは、最近87才になったが、数十年前に彼の店を訪れた外国人からもらった犬の耳の形をした名刺を取り出して、半分冗談気味に老人ボケについて語る。

・全ての町を元どおりにすべきというわけではない。釜石から2時間ほど南に行ったところで、最も野心的な復興の取り組みが行われている。陸前高田は、津波地域で1,800人と2番目に多い犠牲者を出した。広田湾から押し寄せた津波の水が、町全体を覆った。こうしたことが2度と起きない様に、浸水した地域は30フィート以上かさ上げされた。近隣の山から削ってきた土を使い、その場所に土を盛るためにベルトコンベヤーで2マイル運んだ。未だに答えが出ていなのは、陸前高田は、自然に従い、高台に町を再建すべきだったかどうかだ。津波から7年経ったが、町の最終形は未だに想像の中だ。
海岸を4時間ほど北上した田老では、津波の脅威がまるでミニチュア模型で起きたかの様だ。33フィートの高さがあるXの形をした内陸側と海岸側の防護壁が町を守っていた。津波のあと田老の町は、禿げた男の頭の様になってしまった、被災を逃れた家が、周辺部の高台に残り、低地は完全に破壊されてしまったからだ。人口は、4,434人から3,019人にまで減少した。
しかし、田老は前に進む決意だ。防波堤と水門は再建された。町にあるセメント工場は規模を縮小して再建された。民家と町役場は、浸水の心配のない高台にリング状に建っている。8.5エーカーの太陽電池発電が、400の民家に電力を供給する。町の真ん中には、野球場がある。地元のセミプロチーム、キットカットドリームズの本拠地だ。

・津波の被災者を一般化するな。「それぞれの避難者には、それぞれの津波体験がある。」と田老で食料品店を営む79才のハヤシモトさんは言う。「彼らの内面の苦しみは分からない。」ハヤシモトさんの個人的な重荷は、痴呆症で入院している夫と、昨年バイク事故で身体不随となった息子を訪れることだ。田老は日本で一番美味しい鮭が採れることで有名だ。息子は、日本の大都市向けの、乾燥サーモンのビジネスを始める予定になっていた。「この再興は、次の世代のためのものだ。我々の世代のためではない。」とハヤシモトさんは、ため息交じりに言う。

・最大の津波の高さの下に原発を作るな。福島原発から数マイル南にあるヒロノで、タケダさんという男性が、津波の最大の高さを示す柱へ連れて行ってくれた。その高さよりも上にある建物には、殆ど波がくることはなかった。それより下のあらゆる地点は破壊された。福島原発は、ちょうど津波の通り道に建っていた。

日本の津波からの復興は、かつて行われたことのない規模のエンジニアリングプロジェクトだ。10年で3,150億ドルが予算化されている。アパートは完成し、殆どの避難民が恒久的な住居に移り住んだ。2021年には、結果論からとやかくいう人が沢山出てくるだろう。これ位の規模の仕事になると、世界の全ての悪、例えば、非効率、無駄、重複、汚職、腐敗などが表面化してくるだろう。大手の建設会社は、行き場を失った機械を持つことになるだろう。多くの労働者が解雇されるだろう。
しかし、日本は幾つもの町を再興したのだ。公園や近代的な学校や先端技術を使った建物で。世界がこれまで「スマートコミュニティ」を作ろうと努力してきた中で、最も素晴らしいものだ。そして世界は、何世代にも渡って、分析し、学ぶべき災害復興のお手本を持つことになるのだ。

Friday, October 5, 2018

ミャンマーは地域の連携強化へ動く【A18面(国際面)】

ミャンマーのアウンサンスーチー女史が5日から日本を訪問しているが、WSJはこのニュースを来日当日の5日の国際面で速報した。


ロヒンギャ問題に対する西側諸国からの風当たりが強くなる中、ミャンマーは日本に急接近している。外交に確固たる信念がなく、どちらかというと日和見主義的な日本は、ロヒンギャ問題に目をつぶって、ミャンマーへの経済支援を行い、同地域での覇権強化を狙っていると言っているように読める。

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ロヒンギャ問題についての西側諸国との関係悪化により、ミャンマーは、日本やインドといった地域の大国へ急接近している。そこには、中国の影響へ対抗したいとの考えもある。
イスラム教少数民族ロヒンギャへの軍事攻撃について、西側諸国は、アウンサンスーチー氏の文民政府を激しく非難しているが、日本とインドは両国ともそうした非難を避けてきた。こうした軍事攻撃によって、推定で1万人が死亡し、70万人がバングラディッシュの難民キャンプに避難した。
ミャンマーの外交筋によれば、金曜日にスーチー氏は、日本へ向かい、日本の投資と外交支援の拡大を求める。彼女は、安倍首相や開発援助関係者と会談する予定だ。
ミャンマーの外務省は、ロヒンギャ問題について理解を示しているとミャンマーが考えている国々との関係は改善しているとしていて、例として日本、インド、中国をあげた。
「日本はラカイン問題を公正な目で見ている。」と外務省高官のソーハン氏は述べる。ラカインはロヒンギャが住んでいる州の名称だ。「日本はミャンマーを政治、経済の両面で支えてきた。」
国連の調査官が作成して、先月公表された444ページのレポートは、ミャンマー軍がロヒンギャの村での組織的な大量虐殺にかかわったとする証拠を示し、ミャンマー軍のリーダーたちは大量虐殺の罪で、処刑されるべきだとしている。
そうした粛清以来、西側諸国からの投資は枯渇し、ミャンマーの政治家やビジネスマンの間では、このままでは、中国の衛星国に成り下がってしまうという恐怖感が生まれた。
こうした中、日本が同国にとって重要なパートナーとして浮上してきた。先月、国連人権委員会で、ミャンマーの人権侵害に関する情報を集めて保存するための国際機関設立に向けての投票が行われたが、日本はこれを棄権した。
日本は、ミャンマーの重要なインフラプロジェクトに融資を行うことを発表した。例えば、ヤンゴンとマンダレイという2つの主要都市を結ぶ鉄道建設プロジェクトに対して、今年、5億ドルの低金利ローンを行うことをコミットした。また、日本はミャンマー政府と共同で運営している経済特区を拡張する計画だ。この特区は、日本の製造業のハブとなって投資を呼び込んでいる。ミャンマー財務省によれば、日本は2014年以来、この地域に44,100万ドルを投資した。
「日本は、中国の影響を真剣に分析しており、こうした対応は当然の結果だ。」とワシントンの国立戦争博物館のザッチャリー・アブザ教授は言う。「日本は、自由民主主義国家だが、外交方針はあまり重視をしてこなかった。安倍首相は、いざという時には冷徹に振る舞う現実主義者だ。」
先月のワシントンポストへの寄稿の中で、日本の河野外務大臣は、国際社会は、ミャンマーのロヒンギャ問題解決への取組みを、批判するのではなく、「辛抱強く支援」すべきだと述べた。外務省の報道官は、「ただミャンマーを批判するだけでは、難民の帰還は実現しない。」と言う。
同様に、インドもラカイン州からの難民の流出に懸念を示していて、ライカイン州を開発するための支援を打ち出した。
同時に、インドはミャンマー政府の支援を表明した。インドは、今年、粛清から数ヶ月後に、ミャンマーと初めて合同海軍演習を実施した。
インドは、ロヒンギャは国家の安全保障にとって脅威になるというミャンマーの見方を支持している。木曜日にインドはロヒンギャのグループをミャンマーに国外追放した。

Wednesday, October 3, 2018

安倍首相は女性躍進と言いながら、女性大臣を減少させる【A8面(国際面)】

2日午後に第4次安倍内閣が発足したが、WSJは翌日の国際面で、このニュースを「女性が一人しか登用されなかったこと」にフォーカスして報道した。



今回、安倍首相が選んだ入閣者は、片山さつき氏を除けば、全員男性、しかも殆どが60才以上で、派閥のボスが推薦した人ばかりだということを指摘。その上で、「派閥のボスも全員男性だ。」との痛烈な皮肉を交え、日本がいかに男性中心の社会であるかを浮き彫りにしている。安倍首相自身が「女性の輝く社会」を目指して、6年前に自民党復権に導いたにも関わらず、様々な言い訳をして女性を登用しないのはおかしいとの思いが行間に読み取れる。安倍首相が本気なら、民間から優秀な女性を登用することも出来るし、女性大臣を養成する仕組みを作ることも出来るはずだというコメントも紹介している。


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安倍首相は、女性が輝く社会を作りたいと言ってきたが、火曜日の大臣指名では1名の女性しか登用しなかった。
2012年に首相に座についてから、安倍首相は19-20人程度の大臣のうち、5名の女性を入閣させたこともある。
20人の大臣で構成される内閣の中で、唯一の女性大臣となったのは、59才の片山さつき氏だ。彼女は、女性活躍大臣などを担当する。
記者会見で、この低い女性大臣の数について聞かれて、安倍首相は「日本は女性活躍の社会がスタートしたばかりで、これからどんどん入閣する人材は育ってくる。」と答えた。
彼は「元財務官僚の片山氏は、政策通であるだけでなく、フットワークも軽く、超人的なガッツの持ち主でもある。2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げてもらいたい。」とも発言した。
安倍首相は、しばしば女性の躍進は経済成長にとって重要だと言ってきたが、日本では、女性は、政界やビジネス界の上層部ではまだまだ稀な存在だ。
早稲田大学教授で元議員の中林美恵子氏によれば、安倍首相は、彼の内閣を、忠誠心の強いベテランンで固めようとした。安倍首相にとって、9月の自民党党首選挙に続く数年が、最後の内閣となるからだ。
「(忠誠心が強くベテランという)この基準を満たす女性はそれ程多くない。」と中林氏は言う。「安倍氏はその人のイデオロギーと安倍氏に対して忠誠かどうかを、非常に注意深く検討した。」
片山氏は保守派で、「憲法を改正して日本の軍隊を合法化しよう」という安倍首相の思いを支持している。
片山氏の他に初入閣を果たしたのは、殆どが60才以上の男性で、安倍首相を支持する派閥のボスたちによって推薦された人たちばかりだ。派閥のボスたち自身が全て男性だ。
安倍氏の前内閣にいた2人の女性は、両方とも今回の組閣で職を失った。
そのうちの一人で、元総務大臣の野田聖子氏は、安倍氏が女性の躍進を約束したことが、6年前の自民党の復権につながったと述べた。「女性大臣の数は減少し続けています。私はとても心配しています。」と彼女はのべた。
女性大臣候補のプールは小さい。衆議院では、女性議員の数が10%に過ぎず、列国議会同盟によれば、これは193の国のうち161位にあたる。
米国では、議員の20%が女性だ。
「もし、女性大臣を増やしたいなら、政府は民間から登用することも出来る。」と住友三井ファイナンシャルグループのシンクタンクである日本総研の小島明子氏は言う。「しかし、もし、内部から女性を登用しようとするなら、大臣ポストにつけるような女性議員を育成するためのスポンサーシステムを整備する必要がある。」

Monday, October 1, 2018

沖縄新知事選出【A7面(国際面)】

101日に玉城デニー氏が沖縄新知事に選出されたが、WSJこのニュースを同日の国際面で速報した。



玉城氏が、米海兵隊員の息子であること、その玉城氏が、皮肉にも米海兵隊の基地新設を阻止しようとしていること、などをコンパクトに報じている。


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沖縄における米軍基地縮小を唱えている、米海兵隊員の息子が、日曜日に日本南部の県の知事に選ばれた。58才の玉城デニー氏は、父親とは会ったことがなく、沖縄在住の日本人の母に育てられた。彼は、これから、海兵隊の新しい飛行基地の新設について、安倍内閣と戦うことになる。
「沖縄の人々は、辺野古での基地の新設を認めることはないだろう。私は、彼らの民意をしっかりと政府に伝えていく。」と玉城氏は選挙後に述べた。
玉城氏は、沖縄は、日本における米軍基地について、あまりに多くの負担を強いられていると述べた。相互安全保障条約のもと、約50,000人の米軍兵が日本に駐留しているが、そのうち、半分が沖縄に駐留している。
県知事は、基地を撤去する法的な権限は持たないが、新しい建設物への柵を設けることは出来る。