Saturday, January 31, 2015

** 1月のまとめ **

1月にWSJに掲載された日本関係の記事は11件だった。2014年一年間の月平均が15件だったから、随分と少ない。

テーマ別では、政治関係が4件、経済関係が4件、社会関係が3件だった。

政治関係では、イスラム国による日本人人質事件が4件中3件を占めた。この事件は本当にショッキングで怖かった。残りの一件は、安倍首相が戦後70年の節目にあたる今年発表を予定している談話について。WSJは、中韓がもっと寛容になって日本を許すべきで、日本による更なる謝罪はむしろ危険とユニークな意見を展開した。

経済関係では、2015年の経済のカギを握る7つの要素の一つとしてアベノミクスがとりあげられた。原油安により税収増が望めること、政府が企業に賃上げをせまっていること、12月は貿易赤字が久しぶりに減少に転じたことなどが報じられている。経済は、全体的明るいニュースが多い。


社会関係では、インドにおける日本人女性の監禁事件、日本を訪問する外国人が2014年は過去最高だったこと、そして日本で少子化問題を解決するために婚活アパートなるものが開発されたことの3件。

掲載箇所では、国際面が9回、1面が1回、新春特集面が1回だった。

Thursday, January 29, 2015

日本では、婚活のためには、正しい寝床が必要【A1面】

日本では、結婚する人の数を増やすために婚活を奨励しているが、遂に婚活アパートまで出来たことが、一面で面白おかしく報じられた。



この記事は次の様な書き出しで始まる。
「結婚するのに問題がありますか?多分貴方は居間でポールダンスを十分にやっていないからでしょう。」
「それが東京の不動産会社の計画の背後にある考えだ。この不動産会社は『婚活』アパートにより、日本の寂しい独身者の苦しみを解決しようとしている。」

暫く要約する。

「婚活」は少子高齢化を改善するために作られた言葉だ。婚活バーや、婚活バスツアー、婚活イベントなんているのもある。30年前には、30歳から34歳の男性の21.5%が未婚だったが、2010年には47%まで増加した。女性の未婚者の比率も9%から34.5%まで増加した。

未婚者が増えている理由の一つは、終身雇用システムがうまく機能しなくなり若い男性が十分な給与を得られなくなっているにもかかわらず、女性が男性の給与に頼る傾向があるからだ。男女共に忙し過ぎることや、快適な独身生活を終わらせたくない気持ちを、未婚者が増えている理由にあげる人もいる。

しかし、婚活アパートを開発した菊池氏は、本当の理由は家にあるとする。彼が開発した婚活アパートは、彼が作成した7つの法則をみたしている。広いキッチンや広いバスルームもこの法則の一部だ。これにより、カップルは一緒に料理を作り、一緒に風呂に入ることが出来る。また、窓を大きくして自然光を取り入れ、天然素材も使用している。菊池氏によれば、ここに住めば、笑顔も増え、肌も綺麗になり、フェロモンが出てくる。

菊池氏はまた、トータルセクシュアリティーアドバイザーのオリビアのコンサルテーションもしている。オリビアは、リビングルームにバスタブを置き、防音を施し、ストリップクラブにある様なポールを設置することを薦めている。彼女によれば、これで恥ずかしがり屋の日本人女性もセックスを楽しめる。

統計によれば、既婚夫婦で、セックスをしない夫婦の比率は、2012年から3.3%上昇し、45%にのぼった。既婚夫婦がセックスをしなくなると、夫婦仲が悪くなり、それを見た子供が、結婚に疑問を抱く様になり、益々少子化が進むという負のスパイラルに陥ってしまう。

34歳のカンノアキコさんは、2012年に離婚した後、婚活アパートに入居した。伝言板にあったお勧めのバーに行って、今のご主人を見つけ結婚した。今のご主人は、カンノさんの婚活アパートに行った際に、そのアパートの格好よさに驚き、結婚するならこの人だと思ったそうだ。

29歳のトクダミカコさんも2年前に婚活アパートに引っ越してきた。それからソーシャルネットワークを通じて知り合った男性と交際を始めた。この男性とは別れたが、婚活アパートで暮らすとエネルギーが湧いてくるそうだ。

「菊池氏は婚活アパートが必要なのだろうか?」
「女性の方々申し訳ありません。彼は既に結婚していて、子供が二人います。」

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未婚の男女やセックスレス夫婦が増加している理由は、狭い家にあるとする、婚活アパート開発者の発想は面白し、その通りかもしれない。


ヨルダンは捕虜と引き換えにテロリストの解放を提案した【A8面(国際面)】

イスラム国による日本人人質事件に関する続報が、国際面に掲載された。


この記事は次の様な書き出しで始まる。
「ヨルダンは収監者をイスラム国との間で交換するといることを公に提案した。捕虜を取り返せるかもしれないが、こうしたやり方は、アメリカ及びその他の同盟国から拒否されてきた。」
「こうした動きに呼応して、イスラム国はツイッターを通して、日本人の人質である後藤健二氏の声とみられるビデオを流した。そこでは、ヨルダン政府は現地時間の木曜日の日没までにトルコ国境に収監者を連れてこなければならないと述べられている。」

暫く要約する。

ビデオは、期限までにサジダル・リシャウル死刑囚を連れてこなければ、イスラム国は、ヨルダン人パイットを殺害すると言っている。イスラム国が、ジャーナリストである後藤さんと、パイロットであるアルカサスベさんの両方を解放する準備があるのかは明確ではない。

木曜日に国会で安倍首相は「新しいメッセージについて認識しているが、現在確認中だ。日本人の人質を速やかに救出すべく努力を継続する。」と述べた。ヨルダン政府はパイロットの解放を含む取引以外のいかなる取引にも応じないだろう。ヨルダンのモマ二首相は「ヨルダンの息子の生命を守ることが最初から我々の立場だ。」と述べた。

複数の政府とテロリストグループについての専門家は、ヨルダン政府とイスラム国が交渉することは、イスラム国を国として認めることになってしまう危険があると懸念している。また身代金や政治的要求を満たすことを目的とした誘拐を誘発する危険もある。

日本政府は、テロには屈しないと繰り返し述べているが、身代金の支払いや収監者の交換の可能性を明確には否定していない。他の国々もヨルダンと水面下での交渉をしてきたが、公に交渉するのはヨルダンが初めてだ。アメリカやイギリスは、同盟国に対し、イスラム国に身代金を払わない様に強く要求している。しかし、スペインやフランスは自国民を救出するために数百億ドルを支払ったとされる。専門家は、人質に関する交渉に応じることにより、イスラム国は益々自信を深め、更に多くの人質が取られることになると懸念している。

米国財務省の推計によれば、2004年から2012年の間に、約1億2千万ドルの身代金がテロリストグループに支払われた。イスラム国は、2014年一年間だけでも、数千万ドルの資金を身代金から稼いだ。

後藤さん、アルカサスベさんとリシャウル死刑囚の交換はイスラム国による最初の捕虜交換の提案ではない。昨年、イスラム国はシディキ収監者とアメリカ人ジャーナリストのフォレイ氏の交換を提案した。この取引は成立せず、フォレイ氏は首を切られ殺害された。

「オバマ政府は、同盟国がイスラム国と交渉したり身代金を支払ったりすることしないで欲しいと明確に述べている。しかし、政府関係者は同盟国に対しアドバイスをすることはしない。その代りアメリカの原則を述べるだけだ。『我々は身代金は支払わない。我々はテロ組織に対していかなる譲歩もしない。』とホワイトハウスのシュルツ報道官は述べた。政府関係者は、政府間の非公式での外交的な会話については一切公開していない。火曜日にケリー国務長官は、日本の電話会談を行ったがその会話も公開されていない。」
「米国のスタンスはこの問題についての政府の立場の複雑さを物語っている。米国は反イスラム国の有志連合を組織し、同盟国からお金や軍事力による貢献を求めてきた。そして、日本もヨルダンもその一員なのだ。」

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ヨルダン政府は、イスラム国と捕虜交換の交渉をしていることを公にした最初の国だ。英米は表向きは、イスラム国と交渉しないとしているが、同盟国であるスペインやフランスは水面下でイスラム国と交渉をして、数百億ドルの身代金と引き換えに自国民を救った。この記事は、2014年だけでもイスラム国は数千万ドルの身代金を稼いだと述べておりており、もっと多くの交渉が水面下で行われていることを示唆している。また、米国も表向きはイスラム国との交渉をしない様に同盟国に呼びかけているが、実際には日米間でもイスラム国との交渉が一つの選択肢として話合われている可能性も示唆している。

Monday, January 26, 2015

輸出の増加に助けられ貿易赤字は縮小【A11面(国際面)】

12月の貿易赤字が前年比で縮小したというニュースが国際面に掲載された。


「12月の日本の貿易赤字は、過去18ヶ月で最も低い水準となった。米国への堅調な輸出は、円安を誘導するという安倍晋三首相の政策がついに経済成長の助けになりつつあることを示すものだ。」
「輸出は円換算で一年間の12月に比べて13%伸びた。一方、輸入は原油安と弱い内需により、1.9%の伸びに止まった。貿易赤字は6,607億円(56億ドル)まで縮小した、30ヶ月連続の赤字ではあるが、前年比で半減したし、ウォールストリートジャーナルや日本経済新聞社の予測である7,351億円より良かった。この数値は日本の円安政策が輸出業者を助け始めたことを示している。」

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貿易赤字が縮小したとは言え、まだ気が遠くなる程、大きな数字だ。WSJは、円安効果がようやく数値に表れてきたと楽観的に伝えているが、円安効果で輸出が伸びている間に、安い燃料を確保して輸入を抑え、新しい産業を育成して輸出する力を蓄える努力をしないと、二度と貿易黒字国にはなれないのではないかと心配する。

日本は残りの人質の解放を目的とする【A11面(国際面)】

湯川さん殺害のビデオが公開されたというニュースが国際面に掲載された。


この記事は次の様な書き出しで始まる。
「日本政府は、ビデオにより、イスラム国によって拘束された日本人の人質が首を切られたことが明らかにされた後も、テロリストの要求には応じないという政策を堅持している。ビデオの中で、2人目の人質が声明を読み上げ、イスラム国が2億ドルの身代金の代わりに、ヨルダンに拘束されている収監者の釈放を求めていることを明らかした。」
「日本の安倍晋三首相は、彼の最優先事項は、残された人質である、ジャーナリストの後藤健二さん救うことであることを強調した。」

暫く要約する。
安倍首相は、アブドラ国王と会話をしていると語った。日本は中東にはあまりコネクションが無いが、ヨルダンとは比較的強い関係がある。安倍首相はまた、ビデオは本物である可能性が高いとも語った。ビデオでは、後藤さんが、自称民間軍事業者である湯川さんのものと見られる斬首された首と胴体が写っている写真を持っている。

この記事は、次の様なコメントで締めくくられている。
「リシャウト死刑囚釈放の要求は異例だ。彼女と夫は、アンマン襲撃事件での自爆テロリストの一人であり、イスラム国と対立するアルカイダと関係が深いと考えられているからだ。」
「安倍首相とオバマ大統領は日曜日に10分間電話で話をした。政府関係者によれば、安倍首相はオバマ首相に対し、日本は決してテロには屈しない、そして後藤さんの解放に全力をあげると述べた。」

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日本がテロに屈しない姿勢を堅持していることを強調しているのが、アメリカらしい。



Thursday, January 22, 2015

東京は企業に賃上げを迫る【A6面(国際面)】

賃上げ実現に向けた安倍首相と黒田日銀総裁の取組みが、国際面に取り上げられた。


この記事は、次の様な書き出しで始まる。
「今月の新年の挨拶の季節に安倍晋三首相と黒田春彦日銀総裁は、一緒に飲みに行ったり、ゴルフをしたりして、企業の幹部達といつもよりも多くの時間を過ごした。彼らのミッションは日本株式会社を説得して、春闘の際に十分な賃上げを労働者に与えてもらうことだ。」
「『今日ここにお集まり頂きました企業幹部の方々に勇気ある決断を頂きたいのです。』と1月6日に開催された主要経済3団体主催の新年会で安倍首相は述べた。『やるなら今しかないでしょ。』」

暫く要約する。

政府は、経済回復のために、企業にもやるべきことをやる様に迫っている。アベノミクスによる株価高騰や円安により、企業は多くの利益をあげているのだから、労働者に還元すべきということだ。安倍首相と黒田総裁の売り込みが効を奏し、野村証券、富士通、7&i ホールディング、三井OSKラインなどの経営幹部、さらには経団連の榊原会長までが賃上げに積極的な発言をしている。

「労働者側は勇気づけられている。連合は1998年以来最大となる4%の賃上げを要求する予定だ。経団連はそこまでの賃上げは難しいだろうと、火曜日に1,309の会員企業に配布されたガイドラインの中で述べた。」
「春闘の結果は、アベノミクスの成否に重大な影響を及ぼす。この政策の目的は、企業収益の上昇が、労働者賃金の上昇そして消費へとしたたり落ちていく好循環を作り出すことだ。消費は、国民総生産の60%を占めるのだ。消費者の需要は、2014年4月の消費税引上げ以降停滞し、経済を不況へと追いやったのだ。」

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安倍首相と黒田日銀総裁の賃上げに向けた努力を面白おかしく取り上げている。是非、企業側もこの期待に応えて、経済の好循環を生み出すために、協力してもらいたい。私の会社も賃上げに積極的な会社として名前が載っており、誇らしい。

Wednesday, January 21, 2015

弱い円が過去最高の観客を引き寄せる【A10面(国際面)】

昨年、日本を訪れた外国人が過去最高を記録したという記事が国際面に掲載された。



短い記事なので全文掲載する。

「政府の発表によれば、昨年日本を訪れた外国人は過去最高の1,340万人に達した。中国からの訪問者は倍増した。海外からの訪問者は安倍晋三首相が画策した円安による恩恵を受けた。日本は出張のためだけの訪問先というイメージを返上しつつある。」
「国連の世界観光機構によれば、2013年の海外訪問者数ランキングで日本で27位だった。一位フランスで訪問者数は8,500万人、アメリカが7,000万人でそれに次ぐ。アジアでは中国が5,600万人でトップだ。」

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日本への訪問者は、台湾、韓国、中国の3ヶ国からの訪問者が圧倒的に多い。日本に来てくれるのは本当に有難い。彼らの訪問目的の第1位はショッピングだそうで、確かに銀座では多くの外国人観光客をみかける。私は、個人的には、欧米の方々にももっと来て日本へ頂きたい。そのためには、欧米の富裕層に来てもらうためにはどうしたら良いか徹底的に研究することが重要だと思う。星のや京都が欧米人に受けていると聞いたが、畳の上に竹で出来たソファーを配するリビング、長期滞在が可能な書斎、ベッドと布団の双方の良さをミックスした寝室、檜のバスタブを擁したバスルーム等、欧米の富裕層の滞在意欲をくすぐる仕掛け満載だ。富裕層が来てくれれば、多くの欧米人が日本訪問に憧れる様になり、次第に欧米からの訪問者が増えるはずだ。日本は美しい国だ。ショッピングも是非してもらいたいが、文化や自然もゆっくりと見て行って欲しい。

日本は人質解放に向けて働くことを誓う【A16面(国際面)】

イスラム国が日本政府に身代金を要求してきたニュースを21日の紙面で速報した。



この記事は次のような書き出しで始まる。
「日本は日本人の人質を殺害すると脅しをかけるイスラム国にコンタクトを取り、イスラム国と戦うグループに与えた援助は非軍事的なものだと説明しようとしていると、水曜日にスポークスマンあ語った。」
「イスラム国の報道担当は火曜日にユーチューブに、ナイフをもって覆面をした男が、2人のひざまずく日本人の男たちを脅すビデオを投稿した。72時間以内に2億ドルを支払わなければ殺害するという。」

暫く要約する。

政府は、二人の人質が湯川遥菜さんと後藤健二さんであることを確認した。湯川さんは紛争地域からのレポートの経験が豊富なジャーナリストだ。湯川さんは、昨年、民間軍事会社を設立するためにシリアに渡った。昨年8月に軍隊のビデオに姿を見せた後、人質になったとされている。菅官房長官は、「我々はあらゆる外交ルートを使って、我々の支援は人道的なもので、イスラム教徒の殺害を目的とするものではないと訴えていく。」と語った。

土曜日にカイロで安倍首相はイスラム国と戦う国々への支援のために2億ドル拠出することを約束し、イスラム国の頭文字を使って、そのお金がISILの脅威を減少させると語った。火曜日のビデオの中で軍人は、身代金要求が日本の資金援助に関連していることを明らかにし、このお金がイスラムの女子供の殺害に使われるとした。安倍首相は、このお金は難民のサポートや、必要な人々への薬や食料の提供のために使われるとした。また安倍首相は、人質解放に全力を尽くすとしたが、身代金を払うかどうかについては明らかにしなかった。安倍首相は、火曜日には中東訪問の最後の訪問地となるイスラエルにおり、水曜日の午後には日本に到着する予定だ。

「安倍首相は、ヨルダン、トルコ、エジプトの首相と、人質問題を解決すべく、電話会談を行った。」
「アメリカのジョン・ケリー国務長官は、岸田文雄外務大臣に対し、アメリカはイスラム国の行為を強く非難し、日本を全面的に支援することを約束すると語った。」

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人質の2人が自己責任でイスラム国に参入したこと、安倍首長も資金供与の目的がイスラム国対策だということを明言したことなど、日本のメディアでは取り上げにくいことにも触れている。人質が無事に解放されることを祈るばかりだ。



Wednesday, January 14, 2015

日本にとって「ごめんなさい」というのは政治的には注意を要する【A10面(国際面)】

8月に発表される予定の安倍談話に関する記事が国際面に掲載された。



この記事は次の様な書き出しで始まる。
「今年は第二次世界大戦が終結してかた70周年の節目の年だ。我々は、日本にドイツの様に振る舞うことをへと求める多くの声を聞くことになるだろう。ドイツは悔恨したのだ。」
「ドイツほど悔恨の意を表した国は無いだろう。ドイツは魂を求めるために苦しみ、歴史上もっとも破壊的な戦争を行ったことに謝意を表した。こうした行為がドイツが再び平和を脅かすという恐怖を抑えることになった。再び安定が確保され、ヨーロッパは調和を保っている。」

暫く要約する。

反対に日本は十分に謝罪しておらず、それが日本と中国、韓国の間の関係を未だに悪いものにしている。日中間の島を巡る問題は軍事紛争へと発展する危機を孕んでいる。日本は謝罪をしてアジアの緊張をほぐすべきだという主張が止まない。アジアの政治家、学者、遺族の間では、安倍首相が8月に発表する談話への期待が高まっている。しかし事態はそれ程簡単ではない。

第一に、日本が十分に謝っていないというのは、間違いだ。1991年に宮沢談話で謝罪し、終戦から50年後の村山談話でも謝罪し、2001年に小泉首相は韓国で花輪を捧げて植民地支配について謝罪した。

第二に安倍首相が過去の誤りを認めることは事態を悪化させる可能性が高い。「謝罪する国々」の著者であるリンド氏は、謝罪は和解の必須条件では無いと述べている。ドイツが謝罪する以前にドイツとフランスの関係は改善していたのだ。謝罪はむしろ、謝罪した国の国内世論を悪化させ、事態を悪化させる危険がある。現に日本でも、謝罪をする度に右翼が騒ぎ立てて、謝罪しようとする意図をだいなしにしてしまう。安倍首相は、右翼を閣僚に任命し、靖国神社を訪問する。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「安倍首相が何を言っても、近隣諸国を安心させることは出来ないだろう。リンド氏によれば『魔法の言葉』は無い。『どんな言葉を使っても中国は不満だろう。』例え日本がアジア地域における第二次世界大戦の傷を癒すために、ドイツをお手本にしたとしても、中国や韓国がフランスの様にふるまうかは大きな疑問だ。フランスは許す(謝罪を受け入れる)お手本だ。」

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日本がドイツの様に謝罪することも重要だが、それ以上に重要なのは中国や韓国がフランスの様に謝罪を受け入れることだと言うことだろう。


東京は安い原油が税収を押し上げると期待する【A10面(国際面)】

1月14日に閣議決定された来年度予算について、国際面で取り上げた。


短い記事なので全文掲載する。

「日本はこの4月から始まる会計年度での税収は、24年ぶりに過去最高となるだろうと予測している。この税収増は、安倍首相の財政赤字を削減するという約束の実現を助けることになるだろう。」
「安倍内閣は水曜日に来年度予算を承認した。安倍首相が率いる与党が多数を占める国会でこの春に承認される見通しだ。」
「この予算は、円安と原油安によって来年度も引き続き企業収益が伸びることが前提になっている。」
「利益が増えれば、企業はより多くのボーナスや給与を支払い、それにより個人消費が伸びると政府高官は述べた。」
「政府予算は来年度の税収を54.5兆円(4600億ドル)と見込んでいる。今年度よりも5.4%の増加を見込んでいる。」

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日本では、歳出について詳細に報道されるが、この記事は歳入に焦点を当てているのが面白い。来年度は、企業収益が伸び、それにより労働者の賃金があがり、個人消費が増え、最終的に税収が増えるというのが、この予算の前提になっている。

Saturday, January 10, 2015

日本人訪問者はコルカタ訪問では詐欺師が危険だとわかる【A8面(国際面)】

インドでの日本人女性監禁事件が、国際面で取り上げられた。

日本語版にほぼ同じ記事が掲載されていたので、一部修正の上、借用させて頂く。
彼らはバックパッカー向けの安宿が集まるコルカタのサダルストリートやマザー・テレサ教会の辺りをうろついている。獲物である日本人旅行者を物色しながら。
 日本語の話せるインド人男性のグループが、日本人旅行者の文化的な特異性や英語力不足を利用してカモにする事件が増えている。コルカタに住む日本人や、そうした男たち自身から話を聞いた。
 地元警察は、昨年11月下旬に日本人女性が旅行ガイドに拉致され、金品を奪われた上、2週間にわたって繰り返し強姦されたという事件を発表した。
 コルカタ警察のパラブ・カンティ・ゴーシュ報道官は先週、コルカタではこんな犯罪は聞いたことがなく、「初めての例だ」と語った。
 だが、日本人旅行者にとっては、これは耳新しい話ではない。日本語を話すインド人に日本人が騙された話はいたるところに転がっている。旅行者、特に女性が旅行ガイドを自称する口のうまいインド人に騙される被害が起きている。
 2年前からコルカタに住んでいるスギタ・マナブさんは「日本には犯罪が少ないので、日本人は日本語を話し、いい人そうに見える人が自分を騙そうとしているなんて考えもしない」と語る。
 スギタさんによれば、旅行者を自分の家に滞在するよう説得する男もいるという。そこで性的暴行を受けたという話も聞いたという。
  先日明らかになった事件では、男たちは日本人女性とインド東部のリゾート地ディアに行く途中、ATMでカネを引き出させ合計7万6000ルピー(約14万円)を巻き上げた。
 この拉致計画を首謀したとみられるモハメド・シャハブディン・カーン容疑者の弁護士は、女性は強姦されていないし、1万ルピーを旅行代金として支払っただけだとしている。
 コルカタで宿泊所のマネジャーをしているスギタ氏は、旅行者を町から誘い出すのが男たちの究極の目的だと話す。旅行者は1人になり周りの住民と話もできず、身動きがとれなくなってしまう。そして少しずつカネを奪われていくのだという。
 それでも、日本人は警察への通報を嫌がる。スギタ氏は「盗難にあっても保険で8割方のカネが戻るので、警察に行こうとしない」と話す。
 被害者が日本に帰れば、話はそれで終わりになるのが通例だった。しかし、先日の事件では女性が、2週間にわたり拘束し強姦した2人の男に「裁きを受けさせる」決意を固めた。
 警察はこの件で6人の男を逮捕した。シャヒド・イクバル、 モハメド・シャハブディン・カーン、ワシム・カーンの3容疑者は昨年11月に女性に出会い、ディアに誘った。彼女によると、そこで暴行され、ATMでカネを引き出すよう強要された。
 ディアから戻って来た女性は仏教の聖地ブッダガヤに連れて行かれ、そこでジャウェド・カーン、サジド・カーン両容疑者に引き渡された。警察によると、この女性はここで2週間監禁され強姦されたと話した。
 男たちの一人は逮捕された。イクバル容疑者の近所の人々によると、同容疑者は日本語が堪能で日本人女性と結婚しており、2人の子供もいる。
 同容疑者は誘拐と謀議の容疑で勾留されている。イクバル容疑者もその弁護士もコメントに応じていない。同容疑者のアパートの玄関に出てきた女性は妻だと認めたが、それ以上のコメントは避けた。
 近所の女性(匿名)によると、この妻は4年前に容疑者の家に越して来た。「あまり家を出ることはない。ヒンズー語はほとんど分からない」という。
 捜査にあたっている警察官の一人は、モハメド・シャハブディン・カーン容疑者を誘拐の首謀者とみているという。
同容疑者の母は、息子の無罪を主張し、犯罪には不本意に引き込まれたと話す。2年半前に父親が亡くなり一家の唯一の稼ぎ手となったため旅行ガイドを始めたという。インドに旅行で来ていた日本女性と結婚し、妻から日本語を習った。一時、日本に渡ったが、子供が生まれてインドに戻った。
母親は、カーン容疑者が日本に魅了され、「帰ってきてから、ずっと日本を懐かしがり、戻りたいとばかり言っている」と話した。
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この事件は日本ではあまり大きく取り上げられていない。被害者の心情を考慮したのだろうか?一方、国際的には、インドにおける強姦事件の多発、特に外国人への強姦事件が大きな話題とあっており、WSJはその流れの中でこの事件を取り上げたのだろう。
この女性が監禁されたいたブッダガヤは、私が新婚旅行で訪れた場所だ。当時は、椎名誠の「わしもインドで考えた。」が発売され、何となくインドに対する憧れがあった。今でも、若者を惹きつける魅力があるのだろう。私が訪れたブッダガヤはのどかな町だったが、常に危険と隣り合わせであることを肝に銘じておきたい。

Friday, January 2, 2015

2015年の経済成長にとって重要な7つのこと ~ アベノミクス・パート2【A6面(新春特集面)】

WSJが選んだ「2015年の成長にとって重要な7つのこと」の1つに、アベノミクス・パート2が選ばれた。



「日本は、290億ドルの景気刺激策承認して、新年を迎えた。日本銀行は昨年10月に金融刺激策を強化した。国債買取プログラムの買取額を大幅に増額したのだ。安倍晋三首相が推進するアベノミクスで知られる経済政策は新たな段階に突入するが、成功するのだろうか?第一段階では、財政、金融による刺激策を実施した。しかし、4月に実施した消費税増税の影響もあり、国民総生産は二四半期連続で縮小し、経済は未だに悪い状況にある。」

アベノミクス・パート2以外で選ばれたのは、米国の金利上昇政策、米国の失業率動向、欧州が抱える負債、中国が抱える多くも問題、ダウ平均株価の動向、原油価格の動向の6つ。