Saturday, January 10, 2015

日本人訪問者はコルカタ訪問では詐欺師が危険だとわかる【A8面(国際面)】

インドでの日本人女性監禁事件が、国際面で取り上げられた。

日本語版にほぼ同じ記事が掲載されていたので、一部修正の上、借用させて頂く。
彼らはバックパッカー向けの安宿が集まるコルカタのサダルストリートやマザー・テレサ教会の辺りをうろついている。獲物である日本人旅行者を物色しながら。
 日本語の話せるインド人男性のグループが、日本人旅行者の文化的な特異性や英語力不足を利用してカモにする事件が増えている。コルカタに住む日本人や、そうした男たち自身から話を聞いた。
 地元警察は、昨年11月下旬に日本人女性が旅行ガイドに拉致され、金品を奪われた上、2週間にわたって繰り返し強姦されたという事件を発表した。
 コルカタ警察のパラブ・カンティ・ゴーシュ報道官は先週、コルカタではこんな犯罪は聞いたことがなく、「初めての例だ」と語った。
 だが、日本人旅行者にとっては、これは耳新しい話ではない。日本語を話すインド人に日本人が騙された話はいたるところに転がっている。旅行者、特に女性が旅行ガイドを自称する口のうまいインド人に騙される被害が起きている。
 2年前からコルカタに住んでいるスギタ・マナブさんは「日本には犯罪が少ないので、日本人は日本語を話し、いい人そうに見える人が自分を騙そうとしているなんて考えもしない」と語る。
 スギタさんによれば、旅行者を自分の家に滞在するよう説得する男もいるという。そこで性的暴行を受けたという話も聞いたという。
  先日明らかになった事件では、男たちは日本人女性とインド東部のリゾート地ディアに行く途中、ATMでカネを引き出させ合計7万6000ルピー(約14万円)を巻き上げた。
 この拉致計画を首謀したとみられるモハメド・シャハブディン・カーン容疑者の弁護士は、女性は強姦されていないし、1万ルピーを旅行代金として支払っただけだとしている。
 コルカタで宿泊所のマネジャーをしているスギタ氏は、旅行者を町から誘い出すのが男たちの究極の目的だと話す。旅行者は1人になり周りの住民と話もできず、身動きがとれなくなってしまう。そして少しずつカネを奪われていくのだという。
 それでも、日本人は警察への通報を嫌がる。スギタ氏は「盗難にあっても保険で8割方のカネが戻るので、警察に行こうとしない」と話す。
 被害者が日本に帰れば、話はそれで終わりになるのが通例だった。しかし、先日の事件では女性が、2週間にわたり拘束し強姦した2人の男に「裁きを受けさせる」決意を固めた。
 警察はこの件で6人の男を逮捕した。シャヒド・イクバル、 モハメド・シャハブディン・カーン、ワシム・カーンの3容疑者は昨年11月に女性に出会い、ディアに誘った。彼女によると、そこで暴行され、ATMでカネを引き出すよう強要された。
 ディアから戻って来た女性は仏教の聖地ブッダガヤに連れて行かれ、そこでジャウェド・カーン、サジド・カーン両容疑者に引き渡された。警察によると、この女性はここで2週間監禁され強姦されたと話した。
 男たちの一人は逮捕された。イクバル容疑者の近所の人々によると、同容疑者は日本語が堪能で日本人女性と結婚しており、2人の子供もいる。
 同容疑者は誘拐と謀議の容疑で勾留されている。イクバル容疑者もその弁護士もコメントに応じていない。同容疑者のアパートの玄関に出てきた女性は妻だと認めたが、それ以上のコメントは避けた。
 近所の女性(匿名)によると、この妻は4年前に容疑者の家に越して来た。「あまり家を出ることはない。ヒンズー語はほとんど分からない」という。
 捜査にあたっている警察官の一人は、モハメド・シャハブディン・カーン容疑者を誘拐の首謀者とみているという。
同容疑者の母は、息子の無罪を主張し、犯罪には不本意に引き込まれたと話す。2年半前に父親が亡くなり一家の唯一の稼ぎ手となったため旅行ガイドを始めたという。インドに旅行で来ていた日本女性と結婚し、妻から日本語を習った。一時、日本に渡ったが、子供が生まれてインドに戻った。
母親は、カーン容疑者が日本に魅了され、「帰ってきてから、ずっと日本を懐かしがり、戻りたいとばかり言っている」と話した。
*************************************
この事件は日本ではあまり大きく取り上げられていない。被害者の心情を考慮したのだろうか?一方、国際的には、インドにおける強姦事件の多発、特に外国人への強姦事件が大きな話題とあっており、WSJはその流れの中でこの事件を取り上げたのだろう。
この女性が監禁されたいたブッダガヤは、私が新婚旅行で訪れた場所だ。当時は、椎名誠の「わしもインドで考えた。」が発売され、何となくインドに対する憧れがあった。今でも、若者を惹きつける魅力があるのだろう。私が訪れたブッダガヤはのどかな町だったが、常に危険と隣り合わせであることを肝に銘じておきたい。