Monday, August 31, 2015

** 8月のまとめ **

8月にWSJが取り上げた日本関係の記事は18件だった。7月の5件から大幅に増えた。

8月は世界が注目するイベントが立て続けにあった。11日の原発再稼働、14日の戦後70年談話、17日の第二四半期GDP発表だ。WSJはこの3つのイベントだけで、12件もの記事を掲載した。
「原発再稼働」については、再稼働当日の速報記事に加え、その後の国民の反対運動を続報として報道、「GDP発表」についても、発表前に予測記事を掲載し、当日には速報記事を掲載する等、丁寧に報道した。
しかし、何と言っても破格の扱いだったのは、「戦後70年談話」とその前後の終戦に関連する報道だろう。昨年は、終戦関係の記事は靖国関係が1件掲載されただけだったが、今年は原爆関係が4件、70年談話関係が3件、靖国関係が1件と実に8件もの記事が掲載された。
特に、昨年は全く無視された原爆関係が、広島、長崎での記念式典の速報記事に加えて、関連記事を2件掲載。戦後70年経過し、アメリカ側でも原爆の是非を見直そうという動きが出てきているということだろか。

8月の傾向でもう一つ注目すべきは、安倍首相が進める、「教育改革」「女性の登用」「移民受入れ」について、それぞれ特集記事を掲載したことだろう。WSJは、日本が長年解決出来ずにきた大きな課題に挑戦する安倍首相の姿勢に好意的だ。

8月は、アメリカにとって都合の悪いニュースもあった。一つは、相模原の米軍施設での爆発火災事故、もう一つはNSAによる日本政府・企業盗聴事件だ。WSJはどちらの事件も短く報道した。

最後に、孫社長が率いるスプリントの業績について、1面トップで取り上げた。苦境でもあきらめない孫氏の姿勢を好意的に報道している。

8月の記事をテーマ別にみると、政治関係が10件、経済関係が3件、社会関係が5件だった。
掲載箇所別では、1面が1件、社説が1件、国際面が12件だった。



外国人が日本の労働者不足を補う。【A7面(国際面)】

日本の労働者不足を外国人が補いつつある実情について国際面で取り上げた。

政府が移民受入れに消極的な中、企業は既に外国人雇用に舵を切っている実態をレポートし、日本における移民受入れも今後進まざるを得ないと言っている様に読めるがどうだろうか?

***** 以下本文 *****

この文章は次の様な書き出しで始まる。
「非日本人が日本経済を活性化するためにより大きな役割を担うことになるでだろう。労働者不足が長期にわたる外国人労働者への抵抗を克服することを日本に迫っているからだ。」
「数十万件の求人が満たされない状況の中、ラーメン屋から自動車部品工場まで、労働者を捜してあらゆるチャネルを駆使している。」

長い記事なので、暫く要約する。
移民受け入れ賛成派は、大学卒業生の数が減少し続ける中、移民受け入れは必要だとする。多くのアジア人が週30時間労働可能な学生や母国に技術を持ち帰るためにインターンとして日本にやってくる。こうした制度は、十分な監視や保護のないまま、安価な労働者を生み出すとして米国などから批判されている。ビザなしで就労している労働者もいる。2014年の合法的な外国人労働者は2年前から15%増加して、788,000人となったが、全労働人口の1.4%にすぎない。
高齢化と人口減少問題を克服するために、移民受け入れは効果があると、移民受入支持派は言う。反対派は、日本は高賃金問題を高い生産性により解決すべきなのにもかかわらず、移民を受け入れると生産性向上の努力を怠ることになるとする。
日本は長い間同一民族の国であったので、移民受入れについては、犯罪の増加につながるのではないか等の不安がつきまとう。移民受入れは、未だに非常にセンシティブな話題だ。
安倍首相も「移民受け入れについては、欧州でも多くの問題がある。こうした問題の分析が必要だ。」とする。彼の側近は、熟練労働者へのビザ緩和や外国人研修生の2年間ビザ延長などの緩やかな変更を目指しており、大きな変更は行わない様だ。
こうした消極的な対応について、一部のビジネス関係者は不満に思っている。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「日本の幾つかの大企業では対応に変化がみられる。彼らは、グローバル市場での主要プレーヤーになろうとしているからだ。ホンダ自動車は今年、2020年までに英語を正式言語にすると発表した。日立は、非日本人幹部を取締役に追加した。」
「求人会社ディスコのよる2014年の調査によれば、日本では36%の会社が外国人学生を採用したか、採用予定だ。この数は4年前の3倍に当たる。」



Saturday, August 29, 2015

日本は大企業に女性の採用を迫る【A5面(国際面)】

28日に参議院を通過した「女性活躍推進法案」について、29の国際面で速報した。



女性の社会参加に対する安倍首相の意欲は評価するものの、この法律の効果については疑問視している様に読めるがどうだろうか?

***** 以下本文 *****

「日本は、大企業に対し、もっと女性を採用し、幹部社員に登用する様にという圧力を更に強めた。これは、人口減少により停滞している経済を活性化させようとする安倍首相の努力の一つだ。」
「参議院は金曜日に、従業員301人以上の企業に女性社員、女性幹部社員の比率目標や、女性登用を進めるためのその他の指標を設置することを義務付ける法案を承認した。」
「政府主催の女性問題に関するコンファレンスの中で安倍首相は『これは、女性を意思決定の権限をもった地位につけるための最初のステップだ。』と述べた。」
「安倍氏は、職場において女性を平等に扱うことが、世界第三位の経済を浮揚させるための彼の計画にとって重要なパートになるとしている。女性の活性化は、人口減少によって生じる経済活動の停滞を打ち消す一つの手段だ。
OECDによれば、1564歳までの日本人女性の約66%外で働いており、これは先進国の平均を上回る。しかし、日本の女性は、パートタイムや契約社員の大半を占めており、他の先進国に比べて幹部社員の地位についている数は少ない。」
「市民団体であるカタリストによれば女性は、日本の主要企業の取締役の3.1%しか占めていない。米国では19.2%, カナダでは20.8%だ。」
「新しい法律は、目標を達成出来なかった企業に対し、ペナルティーを課すものではない。」
「ゴールドマンサックス日本のチーフ・エクイティ・ストラテジストで、ウーマノミクスという言葉の生みの親であるキャシー松井氏は、この法律は、参加しない企業が居心地の悪い気分になることによって、機能するだろうと述べた。」
「『いくつかの会社が性別の公開に積極的で女性の幹部社員登用に意欲的に取り組むだろうと思う。その一方で、同じ産業のその他の企業は同様の行動を取らざるを得ないのに十分な圧力を感じることになるだろう。』と金曜日に彼女は述べた。」
「彼女は、この法律では、法律を順守する企業が、政府の契約を受注する際に有利になると述べた。」
「企業幹部の何人かは、保育所の不足等の問題があるので、数値目標だけでは機能しないと述べた。」


Wednesday, August 26, 2015

安倍は米国にNSAのスパイ行為について調査する様に要求する【A9面(国際面)】

26日朝に行われた米国による盗聴事件に関する安倍首相とオバマ大統領の電話会談について、同日の国際面で速報した。


記事の最後を「現在は盗聴はしていない。」とするオバマ大統領の発言で締めくくっており、以前は盗聴していたことを示唆している様に読める。

***** 以下本文 *****

「安倍晋三首相のスポークスマンによれば、首相はアメリカのバラク・オバマ大統領に、国家安全保障局により行われたとされる日本政府・企業へのスパイ行為について調査する様に依頼した。」
「ウィキリークが先月公開したドキュメントによれば、政府・日銀・日本企業関係者の会話が米国のエージェントによって盗聴されていた。東京時間の水曜日の朝の電話での会話の中で、オバマ氏はこの問題により安倍氏と政府が迷惑を被ったことを残念に思うと述べたと菅官房長官は述べた。」
「安倍氏は、もしウィキリークが公開したドキュメントが本当なら、日本と米国の関係を揺るがすことになると述べた。菅氏によれば、菅氏と安倍氏は、この件を調査して結果を報告する様にワシントンに依頼した。」
「菅氏は、アメリカがスパイ行為を認めたかもしくは否定したかについては、明らかにしなかった。安倍氏のオフィスからのニュースリリースによれば、大統領は、現在は米国は同盟の信頼関係を壊す様な行為には関与していないと述べた。」

Monday, August 24, 2015

爆発と火災が米軍補給施設を揺るがした【A9面(国際面)】

24日未明に発生した相模原の米軍施設で発生した爆発火災について、同日の国際面で速報した。

事実関係を短く述べているが、最後にペンタゴン報道官の発言を引用して、この事件が日本人の間にある米軍基地への不安を煽ることを懸念している。

***** 以下本文 *****

「東京の米軍補給施設で数回の爆発の後、火事が発生した。数時間後の月曜日朝に鎮火した。当局によれば、けが人は無い。」
「相模原の施設の近くの住民が撮影したビデオでは、爆発のあと大きな火災が発生した。全国放送であるNHKはこの映像を放送した。」
「ペンタゴンの報道官であるビルアーバンは、爆発の原因はまだ分かっていないが、この事故は日本人の間に米軍基地の安全についての懸念を起こすだろうと述べた。」


Thursday, August 20, 2015

ファーストレディが紛争の火種になっている神社を訪問【A8面(国際面)】

安倍昭恵さんの靖国神社訪問を20日の国際面で速報した。



WSJは日本の指導者の靖国神社訪問には反対の立場だが、今回もその主張に沿った内容となっている。情報ソースが昭恵さんのフェースブックというのが彼女らしくて微笑ましい。

***** 以下本文 *****
「日本のファーストレディである安倍昭恵さんが靖国神社を訪問した。そこには、有罪判決を受けたA級戦犯を含む数百万人の戦没者が祀られている。」
「その訪問は、火曜日に安倍夫人のフェースブックで明らかにされた。その日は、戦後70周年の数日後であり、中国と日本が、数週間後の安倍首相の北京訪問について話し合っていた時でもあった。日本の首相による靖国神社訪問は、中国や韓国との紛争の火種となってきた。両国は、靖国神社訪問は日本の侵略と戦争時の残虐行為に対する反省の欠如を示すものだと主張している。」
「2013年に安倍首相が靖国神社を訪問した際には、両国から強い批判を受け、米国からも非難された。米国は、首相による靖国神社訪問は、東アジア地域各国の関係に不必要な刺激を与えるだけだとみている。」


Monday, August 17, 2015

日本経済は第二四半期に縮小した【A6面(国際面)】

8月17日に発表された4~6月期のGDP数値について、17日の国際面で速報した。

マイナス1.6%という数値は、ウォールストリートジャーナルの予測の1.9%より若干良かったが、これを契機に追加景気刺激策の必要という意見が出て来るだろうとしている。

***** 以下本文 *****

「日本の経済は2四半期連続で縮小した。主に、個人消費が落ち込んだのと、日本製品の海外での需要が減少したことによる。これにより、日本の力の無い景気回復を下支えするために政府が介入する可能性が高まった。」
「月曜日に内閣府が発表したデータによれば、4月~6月期の日本のGDPは年率換算で1.6%縮小した。ウォールストリートジャーナルによるエコノミストの調査に対する調査によれば、1.9%の縮小だった。」
「月曜日のデータは、安倍首相と日本銀行による世界第三位の経済の成長を加速させようとする努力にもかかわらず、安定的な成長が難しいことを示している。」
「弱い数値は、年末に向けて経済刺激策を求める声を強めることになるだろう。」
「この落ち込みの主因は、日本の産出の半分以上を占める個人消費が前期に比べて0.8%落ち込んだことにある。エコノミストは、2014年4月に消費税が5%から8%に上がった後の価格上昇に、賃金の伸びが追い付いていないために、家計が支出を抑えていると見ている。」
「また、海外から、特にアジアからの、日本製品に対する需要も弱い。海外からの需要は、同期のGDP成長率を0.3%押し下げた。」
「エコノミストは日本の経済は、2015年下期には回復するだろうとみている。」

安倍の複雑な謝罪【A10面(社説)】

戦後70年談話について、17日の社説で取り上げた。
安倍首相は、70年談話の中で言葉の上では謝罪している。しかし、本人は、教科書検定により戦時中の残虐行為をごまかそうとしており、米国人も含めた分別ある外国人は日本の謝罪を真摯な謝罪と受け止めることは出来ないと指摘している。
また、安倍首相は、日本の帝国主義が西側の植民地主義を放逐したものとして正当化されるべきと信じている「日本会議」の特別顧問であり、安倍内閣の半数以上も同会議のメンバーであることを指摘。日本が戦前孤立したのは、狂信的な体制によって開始された紛争によって引き起こされた「結果」であり、安倍首相の言う様に「原因」ではなかったとし、安倍首相は、歴史にきちんと向き合っていないとしている。
米国は安倍首相が米国の教科書の内容に口をはさんだことに不快感を覚えているし、今回戦争の原因が西側の植民地主義にあることを指摘され、更に不快感を覚えている様に読める。
(WSJ日本版に同内容の記事が掲載されていたので、下記は同記事から借用しました。)
***** 以下本文 *****
アジア諸国は、安倍晋三首相が14日に発表した第2次世界大戦終了70年談話を固唾をのんで見守っていた。今年2月になった時点でも安倍氏は、戦時中の侵略について、前任者たちの謝罪から離反するかもしれないことをほのめかしていたからだ。謝罪から離反していれば、東アジア全域で怒りを招き、中国や韓国との亀裂が生じていただろう。
 このため安倍氏が、村山富市首相(1995年)と小泉純一郎首相(2005年)が使ったのと同じ正式な言葉である「owabi(お詫び)」を使って過去の謝罪を繰り返したのは一安心だ。安倍首相はまた、旧日本軍によって行われた売春の強制について、「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません」と述べた。
 安倍氏は、戦争犯罪が行われていた時、日本人の80%がまだ生まれていなかったことを特に指摘し、未来の世代に対して祖先の罪を背負わせ続けるべきではないと述べた。しかし、日本人には歴史に向き合う義務がある。安倍氏も「(私たち日本人は)謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります」と述べた。
 それは、日本の隣国にとってこの問題の核心を雄弁に表明している。従来の謝罪にもかかわらず、一部の政治家たちは、戦争を開始した日本の責任を重く考えなかったり、南京虐殺のような出来事をも否定したりした。それは、戦争について日本とその隣国が話がかみ合わないことが余りにしばしばだったことを意味し、今日、平和にとっての意味を損なっている。
 一部の日本人は、どんなに謝罪しても、胸中にナショナリスト的な斧を隠し持っている中国や韓国の批判者たちを満足させないだろうと不満だ。その不満は正当でもある。しかし、学校の教科書が戦時中の残虐行為をごまかして記述している時、米国人を含め、分別ある外国人が、日本の謝罪を真摯(しんし)だと称賛するのは難しいのだ。
 極端なナショナリストは、戦争の歴史を公の場で議論しようとする人々をいじめたり、脅したりしている。たとえば自民党の加藤紘一衆院議員(当時)は郵便で銃弾とナショナリストの名刺を送られたほか、2006年の終戦記念日にはある活動家によって自宅が放火された。安倍氏は「日本会議(国会議員懇談会)」の「特別顧問」だ。この会議は日本の帝国建設が西側の植民地主義を放逐しようとしたとして正当化されると信じている。安倍内閣の半数以上も同会議のメンバーだ。
 安倍氏は談話で、この世界観に歩み寄った。西側の植民地主義列強が日本を孤立させたのを受けて、日本は軍国主義という誤った道をたどっていった、と安倍氏が述べた時だ。これと同様の正当化は、東京の靖国神社にある戦時中の歴史を称えるための記念館でも展開されている。安倍氏は2013年、この靖国神社に参拝した。
 日本が戦後、平和的な道を追求してきたのは事実だ。しかしながら、安倍氏が日本の過去の行動について言い訳するとき、その意図をめぐる新たな疑問が提起される。日本の戦前の孤立は、狂信的なレジーム(体制)によって開始された紛争によって引き起こされた結果であって、原因ではなかった。それは人種的な純粋性と優越性に献身する体制だった。
 日本はアジアを解放するどころか、自らの植民地に対して全体主義的な支配を実行し、日本の氏名、言語、文化、そして歴史を被支配者たちに強制的に採用させた。
 われわれ、そして日本のその他の友人たちは、日本が過去に束縛されない普通の国になるとの安倍氏の願望を共有している。それはとりわけ、中国の潜在的な侵略行動に対抗する他の民主主義国とともに日本が立っていると信頼されるようになるためだ。安倍氏は、もし自らのアドバイスを自身で引き受け、歴史に真っ直ぐ向き合うならば、そのような目標に近づけるだろう。

Saturday, August 15, 2015

日本の安倍は第二次世界大戦についての直接の謝罪を避ける【A5面(国際面)】

戦後70年談話について、15日の国際面で速報した。
安倍首相が談話の中で「植民地支配からの永遠の決別を誓ったが、韓国を植民地したことには触れなかったこと」「国際紛争を解決する手段とてして侵略は用いてはならないとと言いながら、誰の侵略について述べているのが明確にしなかったこと」等を例に挙げて、直接的な謝罪を避けたことを詳細に説明している。そして、何と言っても、安倍首相自身が日本はどの様な責任を追うべきと考えているのかが明らかにされなかったと言っている。。
最後に「もっと直接的に謝罪すべきだった。」とする左派の発言と、「既に謝罪は十分にした。未来志向で良い談話だった。」とする右派の発言を紹介した上で、国民の過半数は「既に十分に謝罪した。」と信じているという世論調査の結果を引用している。
WSJはこの談話が近隣諸国と国内世論、右派と左派、全てのステークホルダーに配慮したことを評価した上で、もう少し安倍首相自身の言葉で語って欲しかったと言っている様に読めるがどうだろう。

***** 以下本文 *****
 安倍晋三首相は14日、終戦記念日を翌日に控えて公表した談話で、戦時下の日本の行為について反省の意を示す一方で、自らの言葉で謝罪することは控え、ある面では頑なな見解も表明した。
 首相は歴代首相の発言を引用するかたちで、日本は大戦における行いについて「繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明」したと述べた。また、「何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた」ことにも言及した。
 ただ、保守的でこれまでに日本の戦史を自虐的にとらえる見方を批判してきた安倍首相はこの談話で直接謝罪することはせず、日本はこれまでに十分謝罪したとの認識があることをうかがわせた。
 首相は「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と続けた。
 戦後70年の節目を踏まえたこの談話は、安倍首相の歴史認識に対する懸念を表明し、明白な謝罪を日本に求めてきた韓国と中国で大きな注目を集めた。
 中国外務省の報道官は「第2次世界大戦の終戦から70年が経過したことを国際社会がそろって思いを致すこの日、日本は軍国主義に基づく武力侵略の責任を明確に認め、真摯な謝罪を行うべきだ」と主張。日本はまた「軍国主義と侵略の過去から明白・完全に決別し、この重要な根幹に関する事実の隠匿を試みてはならない」とも述べた。
 安倍氏はまた自民党の右寄りの議員からの圧力にも直面している。多くの議員が韓国や中国は、国内世論の支持を得るために戦時の傷を意図的に再燃させようとしていると非難している。
1995年に当時の村山首相は戦後50周年談話を発表した。その中で、彼は「深い反省の意」と日本の「植民地支配と侵略」に対する「心からのお詫び」を表明した。10年後小泉首相もほぼ同様の言葉を使った。
安倍氏は金曜日にこれらの談話を引用し、「過去の内閣によって表明されたそうした立場は、将来にわたって揺らぐことはないであろう。」と述べた。彼は、彼自身の「痛惜の念」と国内や海外で失われた生命に対する「永劫の、哀悼の誠」を表明した。
村山首相の主な発言の幾つかを繰り返す一方で、間接的な表現にとどめたので、安倍首相自身が日本はどの様な責任を追うべきと考えているのかは明らかにされなかった。
彼は、日本が1910年から1945年まで朝鮮半島を植民地化したことに言及せず「植民地支配から永遠に訣別する。」と語った。彼は、誰の侵略について言及しているのかを言わずに「侵略」という言葉を使った。
村山氏は彼の1995年の談話の精神が支持されたとは思わないと述べた。
日本の左派政党や学者達は安倍氏の談話は日本の行為についてのより明確な承認が含まれるべきだったと述べた。「彼は、第二次世界大戦が侵略行為だったという事実について一言も述べていない。」と二松学舎大学のソメヤタケヒコ教授は言う。
保守系の人々はより好意的だ。小さい保守政党の党首である平沼赳夫氏は謝罪するのは止め時だと述べた上で、談話の未来志向の部分を賞賛した。
安倍は、海外での紛争において日本の軍隊により大きな役割を担わせることが出来、米国とのより緊密な協力を推し進める法律を議会で通そうとしているために、その支持率はここ数週間下降している。
謝罪について世論は概して好意的ではあるが、世論調査によれば、国民の何人かは韓国や中国からの謝罪の要求に疲弊している。金曜日に明らかにされた毎日新聞の世論調査によれば、44%の回答者が日本は近隣諸国に既に十分に謝罪したと信じている。そう信じていいない人は31%だった。


Thursday, August 13, 2015

日本は新たに戦争の遺産と戦う【A6面(国際面)】

戦後70年の終戦記念日を前に、日本はどれほど深く謝罪すべきかという議論が高まっているという記事が、国際面に掲載された。


慰安婦問題を巡る吉見氏と秦氏の論争を例にあげ、先の戦争における日本の行為をどこまで謝罪すべきかについて、日本の世論のコンセンサスが十分に取れていないとする。安倍首相については、日本兵達を加害者としてというより英雄とみようとしていること、韓国のパク・クネ大統領の対日外交を心情に基づく外交としていること等を引用し、慰安婦問題についての日本軍の関与を認めない立場を取っていることを暗に示唆している。WSJは、慰安婦問題についての安倍首相のこうした対応には批判的だ。
(WSJ日本語版にほぼ同一内容の記事が掲載されていましたので、同一部分については日本語版をそのまま下記に引用しました。)

***** 以下本文 *****
先月、東京の裁判所で繰り広げられたシーンは、安倍晋三首相がなぜ1年間ずっと第2次世界大戦終了70周年談話をめぐってあれこれ思いをめぐらさなければならなかったかが分かるような光景だった。
 裁判所の外には酷暑のなか数十人の人々が並び、傍聴席を確保するためのくじ引きを待っていた。日本の著名な歴史家2人の討論を聞くためだ。この討論は、「性奴隷」という用語は、大戦中の日本軍の売春宿(日本兵向けの慰安所)で働く女性たちを正確に表現しているか否かというもので、名誉毀損(きそん)訴訟の一環だった。
 このテーマは、戦後70年たった今日もなお大勢の人々の関心を集めている。その事実は、この日本という国が依然としていかに大きく分裂しているかを示している。そしてそれは、戦争についての日本の談話が長年行きつ戻りつ大きく揺れる理由になっており、周辺の隣国をいら立たせる原因でもある。
 14日に発表される今年の首相談話が、近隣のアジア諸国を満足させる公算はほとんどない。これら隣国の対日関係は冷え込んでいる。そして安倍首相に対し、何人かの前任者たちがそうしたように大きな声ではっきり謝罪するよう求めている。
 2012年末に就任して以降、安倍首相とその政権は戦争の歴史に関する正統的な見解に繰り返し異議を唱えてきた。とりわけ日本が「慰安婦」と呼ぶ人々をめぐる問題について。彼らはまた、日本国内で教科書を改訂し、米国でも教科書を変更するよう要求した。
 安倍首相は、日本の誇りと国際的な評価を取り戻すのが使命だと述べている。同首相、そして同じような考えを持つ保守派にとって、この使命実現のため、同首相の言うところの自虐史観は払拭(ふっしょく)されなければならないものだ。
 側近たちによれば、安倍首相は終戦70年談話で、日本が戦後、平和的で繁栄した民主主義体制を構築してきたことに焦点を当てるという。同首相は戦時中の日本の行動に対するremorse(反省、悔恨)を表明する公算が大きいが、明確な形で謝罪するかどうかは不透明だ。
韓国と中国は注意深く見つめている。
中国の程永華駐日大使は7月、「過去の加害者が反省を表明する時の誠実さは、犠牲者たちにとって極めて大切だ」と述べた。そして「彼ら加害者が恣意(しい)的にあいまいな態度で、侵略の責任をできるだけ小さくしようとしたり、否定しようとするならば、それは犠牲者の傷を再び広げ、傷口に塩を塗るのに等しい」と語った。
安倍首相は2013年の終戦記念談話で、それまでの伝統的な「深く反省し、犠牲者とその遺族に、哀悼の意を表する」という表現を使わなかった。同首相はまた、日本の兵士や市民たちが払った犠牲を表現した際、「心ならずも」という言葉を削除した。
 「The Long Defeat: Cultural Trauma, Memory and Identity in Japan」の著者、橋本明子氏は、安倍氏の言葉の選択には、戦時中の軍部、ひいては日本の国家的なアイデンティティーを復権させようという意図があり、兵士たちを、「加害者」ではなく英雄とみなそうとしていると述べる。
 それと同じ歴史が今、東京の裁判所で審理されている。
原告の吉見義明氏(68)は1990年代初頭に画期的な本を書いた。その中で同氏は、史料に基づいて旧日本軍が戦時中に何万人もの女性を「性奴隷」として性的サービスに従事させたと結論づけた。
 吉見氏は中央大学教授だ。同氏は、この結論はねつ造だと述べた保守系の国会議員(当時)を相手取り、名誉毀損で訴えている。吉見氏は法廷で、政治家による学問への介入は許されないと述べた。
これに対し、日本大学名誉教授の秦郁彦氏(82)が被告側の証人として法廷に呼ばれた。秦氏は、女性たちの大半は売春婦であって、性奴隷とは呼べない、と述べた。そして、性奴隷というレッテルは女性たちにとって「非常に大きな侮辱」だろうと語った。
 安倍首相は今年の終戦記念日に向け、第2次世界大戦を再検討するため有識者20人から成る諮問委員会(21世紀構想懇談会)を設置し、6カ月間討議させた。今月6日に提出された長文の報告書は、日本がアジアに破壊をもたらしたことを認めたが、一部の行動を弁護し、韓国の朴槿恵大統領について「心情に基づく対日外交」を推進していると批判した。
法廷において、秦氏と吉見氏は共に、反対に位置する部屋から証言台へと近づき、お互いを見ることなく、肩を寄せ合いながら立って宣誓をした。2人の証言は併せて4時間にも及んだ。
この名誉棄損訴訟に対する判決は年内に言い渡される見通しだ。

Wednesday, August 12, 2015

スプリントの健全さに疑問が広がる【A1面】

孫正義氏が、スプリントの経営継続に意欲を示したという記事が、1面に掲載された。

孫氏が愛する米国当局はTモバイル買収で味方になってくれず、孫氏の側近中の側近であるアローラ氏ですらスプリント株を売却すべきと公言したり、孫氏のスプリント経営を取り巻く環境は逆風だらけだとしている。しかし、そんな中でも、孫氏は自ら先頭に立って、コストを押えながらネットワークを強化する方法を考え出したり、スプリントの経営に意欲的に取り組んでいることをっ若干の疑問を抱きながらも好意的に報じている。
(WSJ日本語版にほぼ同じ記事が掲載されていたので、下記の文章はそこから引用させて頂きました。)

***** 以下本文 *****
 
大富豪の孫正義氏は昨年のある土曜日、キャロライン・ケネディ駐日米国大使との会談を求めた。両者の会談がその翌日に実現すると、ソフトバンクグループ社長の孫氏はオバマ大統領へのメッセージ「私はアメリカを愛しています」を大使に託した。
 今のところ、米国は孫氏の求愛に応えていない。
 ソフトバンクが米携帯電話サービス大手スプリントを220億ドルで買収してから2年。孫氏は慢性的に修理が必要な家を手放せずにいるようだ。カンザス州オーバーランドパークに拠点を置くスプリントは最近、契約者数で米4大携帯電話事業者の中で最下位に転落した。スプリントが競争力を維持するためには大規模なネットワークの改修が不可欠である。日本で最もよく知られている企業リーダーの1人、孫社長率いるソフトバンクによる過去最大の買収以来、スプリント株の価値は約半分にまで落ち込んでいる。
 問題が山積しているにもかかわらず、孫氏は先週、スプリントの四半期決算発表の電話会議に出席し、スプリントの「歴史的な建て直し」にコミットし続けている、同社を売却するつもりはないと投資家に説明した。
 しかし、同氏があえて語らなかったこともある。業績不振の携帯電話事業者は誰も買いたがらないことだ。
内情に詳しい人々によると、この1年のあいだにも、孫氏と別のソフトバンク幹部は米ケーブルテレビ(CATV)最大手コムキャストや欧州通信事業大手アルティスにスプリントを売却する構想を提起していたという。しかし、それも暗礁に乗り上げてしまった。
 あるインタビューで孫氏は、スプリントの新たな建て直し計画を考え出すために、数カ月にわたって毎晩午後10時から午前2時まで、100人の優秀なネットワークエンジニアたちと一緒に仕事をしてきたと語った。
 とはいえ、孫氏がスプリントにばかり気を取られているわけではない。
 同氏はソフトバンクのインターネット関連事業の話題に触れたとき、私は専念していた分野に戻るべきだ」と述べた。2000年に20億円で取得した中国の電子商取引最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)の株式は、昨年の新規株式公開(IPO)で8兆円弱の含み益を生み出した。インターネット革命は「依然として爆発的な広がりを見せており、私
は大いなる情熱を抱いている分野に戻るべきだ」と孫氏は言う。
 今のところ、孫氏のスプリントに関する戦略の軸は、ますます難しくなってきた顧客争奪戦にソフトバンクの資金をあまり注ぎ込むことなく、スプリントのネットワークを改善していくことにある。
 孫氏のチャーム・オフェンシブ(魅力攻勢)にもかかわらず、威勢の良いライバル、TモバイルUSとの合併案は昨年に規制当局によって打ち砕かれてしまった。それを復活させたいという同氏の望みは、少なくとも2016年の大統領選挙後まで棚上げされている。
 スプリントは2005年に350億ドルでネクステル・コミュニケーションズを買収して以来、不利な状況に置かれてきた。合併後の同社は異なる技術で構築された2つの独立したネットワークを維持しようとし、スマートフォンでウェブサイトを閲覧するための高速通信を実現する第3のネットワークの構築では子会社に依存した。
 だが、そうした技術は受け入れられず、そのネットワークは現在停止中である。その結果、同社からは数百万人の顧客が離れていった。
 スプリントは2006年以来、年間利益を上げておらず、積み上がった損失は約500億ドルに達している。先週の決算発表によると、同社の第1四半期の純損失は2000万ドルだった。売上高は前期比8.7%減少の80億3000万ドル。
ネットワークの改善と新規契約者勧誘のために、同社の現金燃焼のペースは以前よりも加速しているとアナリストたちは指摘する。
 総入れ換え
 2011年に始まったネットワークの大規模な「総入れ換え」作業は通話中の通信障害やデータ通信速度の低下を引き起こした。スプリントの幹部の多くは、そうした問題が改善されるまで契約者数の増加に積極的に取り組むことはできないと考えていた。
 スプリント社内には、地元の土地区画規制を把握していなかった孫氏が、携帯電話のアンテナを早急に設置することの難しさを十分に予測していなかったと話す社員もいる。
 孫氏のそもそもの計画はスプリントの問題をTモバイルとの合併で解決するというものだった。全国規模の携帯電話事業者を4社から3社に減らすことに対して規制当局が長く難色を示してきたにもかかわらず、同氏はスプリントの買収後すぐにTモバイルとの合併を目指すことを決断した。
 孫氏は首都ワシントンでの広告やスピーチを含む一般市民向けの啓蒙活動を開始した。その合併の理由に関して、孫氏は米国の機能不全に陥っているブロードバンドネットワークを修復したいからだと主張した。
 8月11日に58歳になった孫氏は2014年3月の米商工会議所でのスピーチで、十代で初めて米国に来たときのことを振り返り、「驚きで目を丸くした」と語った。同氏はさらに「私はアメリカを愛しています」とも述べた。これは前述したオバマ大統領へのメッセージと同じだった。
 ところが米連邦通信委員会(FCC)と米司法省はその合併案を歓迎しないという主張を繰り返したので、孫氏はこれを断念することにした。今となってはそれがスプリント建て直し計画のターニングポイントだったと孫氏は言う。
 同氏はインタビューで次のように述べている。「米国の規制環境について判断を誤るという人生で最大の失敗の1つを犯してしまったと考えていた」。Tモバイルとの合併計画がダメになると、孫氏は「世界のその他の地域やその他の事業に焦点を切り替えよう」と決めたという。
 「私は忙しい人間だ」と同氏は話す。「状況が芳しくなさそうなときに米国市場に専念する必要などあるだろうか」。
孫氏はスプリントを完全な損失として切り捨てようと考えたこともあったという。しかし、実際には、スプリントの再建を新たな最高経営責任者(CEO)に託すことにした。2014年8月、マルセロ・クラウレ氏が前任のダン・ヘッセ氏からその役職を引き継いだ。
 携帯電話事業者の経営経験はなかったが、携帯端末卸売事業を数十億ドル規模にまで成長させていたクラウレ氏を孫氏は「私の心の友」と呼ぶ。クラウレ氏は「私と同じで、勝ち目のない戦いに挑んできた攻撃的で抜け目のない人物だ」と孫氏は言う。
  現在44歳のクラウレ氏はスプリントにさらなる起業家精神を注入しようとしている。クラウレ氏は経営幹部の大異動を伝える昨年11月の社内メモにこう書いている。「企業にとって最大の資産は社員だとよく言われているが、私はそうは思わない。ふさわしい人材こそが最も重要な資産なのだ」。
 先週に辞任した最高財務責任者(CFO)を含めると、6人もの経営幹部がスプリントを去った。まだ残っている経営幹部は、木製パネルで装飾された重役室からクラウレCEOの目が届く仕切りスペースに移動させられた。
 「間抜けな規則」を報告するEメール
 スプリントの新CEOは、あるEメールアドレスを設定し、従業員がそこで「間抜けな規則」を特定、報告することを奨励した。クラウレCEO自らがそうしたEメールの多くに目を通している。
 クラウレCEOは、ビジネスシューズだと窮屈だというある従業員の苦情を受けて、営業所ではビジネスシューズを履かなければならないという規則を撤廃した。今では色が黒であれば、自由に好きな靴が履けるようになった。
スプリントをAT&T、ベライゾン・コミュニケーションズ、Tモバイルともっと競争できる企業にするためのクラウレCEOの計画は、今のところ、料金の値下げとネットワークの改善が中心となっている。
 直近の四半期の解約率はスプリント創業以来で最低を記録した。クラウレCEOはインタビューで「われわれには好位置につけている、前進しているという感覚がある」と述べた。
 とはいえ、スプリントのネットワークの改善には驚くほど費用がかかっている。直近の四半期でもこれに22億ドルを費やし、4億9600万ドルだった前年同期から大幅に増加している。政府による600MHz帯の重要なインセンティブ競売が始まる2016年にはスプリントの手元資金が底を突く可能性があると指摘するアナリストもいる。
 スプリントによると、今年が「現金燃焼率のピーク」で、2016年には大幅改善が見込まれているという。
 手元資金不足はネットワークの改善を複雑なものにしてきた。「ネットワーク・ビジョン」と呼ばれる4年間の取り組みでは、スプリントの2つのネットワークをつなぎ合わせ、調査会社IHSの一部門である独立系試験サービスによると、通信品質が大き
きく改善されたという。
 孫氏はソフトバンクのエンジニアたちにスプリントのネットワークを安上がりに改善する計画を考案させようとした。東京での4カ月にわたるその取り組みには、二十数人のスプリント従業員も参加した。そのチームは少なくとも一時期、孫氏のオフィスと同じ階にある会議室で1日16時間働くこともあった。
 ある参加者によると、朝食、昼食、夕食がその会議室に持ち込まれ、孫氏も午前と午後に進捗を確かめに来たという。
 孫氏によると、スプリントのエンジニアと社外の設備販売業者は当初、その計画について実現不可能だと主張したという。
 「彼らはそれがうまくいかない理由を100個ほど考え出した」と孫氏は振り返る。「そこで私はこう言った。その100個のうまくいかない理由の一つひとつに私が解決策を見つけよう。そして私は、すべてのうまくいかない理由に対し、非常に論理的な解決策を考案した」。
 スプリントは今や、既存のネットワークに従来の方法よりもかなり安価な技術を使った数万もの小規模な基地局を追加することを計画している。
 その一方で、孫氏はグーグルから引き抜いたニケシュ・アローラ氏とより多くの時間を過ごしている。孫氏は昨年、ソフトバンクでの自分の後継者はアローラ氏になる可能性が高いと述べた。
 昨年、両氏はインド、中国、東南アジア諸国の新興企業を視察しに行った。それからまだ6カ月も経過していないが、ソフトバンクは数社に対して10億ドル以上も投資してきた。ソフトバンクはインドだけでも100億ドル以上の投資を計画している。
 こうしたことはスプリントにとって不吉な兆候である。しかも、内情に詳しい人々によると、アローラ氏はソフトバンクがスプリントの親会社になっていることに社内で不満を表明し、売却しようとすることを勧めたという。
 「多くの人がスプリント売却を勧めている」と孫氏は言う。「彼だけではない」。
 元コンチネンタル航空のCEOでスプリントの社外取締役を務めているゴードン・ベスーン氏は孫氏とクラウレCEOを完全に信頼していると話す。両氏はそのリーダーシップでスプリントを窮地から救ってくれるはずだという。「重篤な患者には最高の医師団が必要だ」。
 窮地脱出が見えないスプリントだが、孫氏は明るい材料を再度強調した。「売却しなかったことに本当に満足している。というのも、私にはトンネルの出口の光が見えているからだ」。

国民の力【A12面(国際面)】

原発再稼働に反対して、多くの国民が抗議集会を開催しているというニュースが、12日の国際面に掲載された。


WSJは、これまでどちらかと言えば、原発推進派であったが、この記事は反対派に同情的に読める。

***** 以下本文 ****

「東京の抗議者達は、火曜日に、福島での放射能漏洩以来泊まっていた原子力発電所の再開に反対した。殆どの日本人が原発に反対している。政府は代替策はあまりにコストがかかりすぎると言っている。」

もしGDPが弱ければ、追加の刺激策が必要だと側近が語る【A12面(国際面)】

本田内閣官房参与が、WSJのインタビューに応じて、3兆円規模の追加景気刺激策が必要との考えを示したというニュースが、国際面に掲載された。


安倍首相の経済顧問をつとめる本田悦郎氏が、安倍首相の側近でははじめて、追加景気刺激策が必要との考えを示したとしている。来週月曜日に発表される4-6月四半期のGDP予測を、独自の取材で予測しているのは、多分日本の新聞でもないと思う。さすがに、WSJという記事だ。

**** 以下本部 ****

「安倍晋三首相のアドバイザーが、もし来週発表されるデータが経済が縮小していることを示す様であれば、200億ドルを超える新たな刺激策が必要だろうと語った。この発言は、安倍首相の経済再生計画が頓挫しているという懸念を示している。」
「ウォールストリートジャーナルが調査した20人のエコノミストによれば、日本のGDPは、4月~6月の四半期に1.9%縮小している可能性がある。これは輸出と消費者支出が弱いことによる。2015年第一四半期の堅調な成長とは反対だ。政府はGDPの数値を月曜日に発表する。」
「『スランプの程度が私が予測していたよりも悪い。経済は景気回復基調にのるにはゆっくりすぎる。』と安倍首相のアドバイザーである本田悦朗氏は述べた。」
「元大蔵官僚で明治大学客員教授の本田氏は、もし4~6月期の数値が弱ければ、政府は3兆江(約240億ドル)のパッケージを支出すべきだと述べた。安倍首相の側近がこうした対策を公言するのは初めてだ。」

Tuesday, August 11, 2015

日本は中断の後原発を再稼働させる【A5面(国際面)】

川内原発再稼働を11日の国際面で速報した。


WSJは、原発には非常に関心が高く、またこれまで基本的には原発再稼働に賛成と思われる記事を掲載してきた。しかし、この記事は日本での再稼働はリスクが高いという批評家のコメントの引用で終わっており、再稼働にあまり好意的ではない様に読める。

***** 以下本文 *****

この記事は次の様な書き出しで始まる。
「日本は、火曜日に、2011年の福島の原発事故の後新しい安全基準が導入されて初めて、原子炉のうちの一つを再稼働させた。これにより、全ての原子炉が停止していた2年間に終止符が打たれた。」
「九州電力は日本の南部にある川内原発の第一原子炉の制御棒を午前10時半に抜いた。九州電力によれば、原子炉は週末までには電気の生産を開始し、検査の後の9月頭には稼働を再開させるとしている。同原発の第二原子炉は今年の後半にも再稼働の見込みだ。」

暫く要約する。

日本には43のの原子炉があるが、2013年9月以来、全く稼働していなかった。再稼働は、新基準を満たすのが困難で遅れていた。今のところ、新基準をみたした原子炉は5つしかない。福島の災害の前は、日本の電力の30%は原発によって賄われていた。しかし、災害の後は、90%近くを、石炭、ガス、石油に頼ってきた。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「安倍晋三首相とその内閣は、日本が輸入資源に頼るのを避けるために、原発を再稼働させたいと言ってきた。世論調査によれば、日本人の大多数が再稼働に反対している。そして、この問題は、安倍首相の支持率を低下させている。」
「批評家達は、地震やその他の自然災害に見舞われる可能性の高い日本での、環境リスクについて言及している。」

Monday, August 10, 2015

首脳達が長崎の記念式典に出席する。【A8面(国際面)】

長崎の原爆式典について、10日の国際面で速報した。



WSJは、昨年は、広島、長崎の式典のいずれも報道しなかったが、今年は広島、長崎両方の式典を速報した。オバマ大統領がガテマラー国務次官を、広島、長崎両方の式典に派遣したことを報じている。安倍首相が、オバマ大統領と同じく、核無き世界を追求しているという文章で終わっている。

*****以下本文*****

「日本は、安倍晋三首相と多くの海外の首脳達が、アメリカが長崎に原爆を投下してから70周年の記念式典に出席した。」
「1945年8月9日に日本の南部の市に原爆が投下された時刻である11時2分に鐘が鳴らされた。この原爆で約7万にの命が失われた」
「アメリカからは、軍備管理・国際安全保障担当のローズ・ガテマラー国務次官らが出席した。彼女は3日前に広島で開催された、原爆投下70周年記念の行事にも出席した。」
「安倍首相は、日本は核兵器無き世界を引き続き追求していくと述べた。」

Thursday, August 6, 2015

ある家族の時計が盗まれたことは世界にとっての損失【A12面(国際面)】

国連に展示されたいた原爆の悲惨さを伝える貴重な懐中時計が盗難にあったという記事が、広島原爆の日の8月6日の国際面に掲載された。



この懐中時計は針が無くなっているのに、8時15分の影が焼き付いている。この時計の所有者の遺族が、この時計が見つかることも重要だが、それ以上に世界の人にこの時計にまつわるストーリーを知ってもらい、平和の尊さを学んでほしいという趣旨の発言をしていることを紹介している。

***** 以下本文 *****

この記事は次の様な書き出しで始まる。
美甘進示(みかもしんじ)さんは、1,500ヤード先で閃光が光った時、父親の家の屋根の上で働いていた。彼の皮膚は焼け爛れ、目は殆ど開かない状態だった。」
「3ヶ月後、父と離ればなれになり、仮設軍事病院で回復した彼は、家が建っていた所へ戻った。そこで瓦礫の山を掘って彼はまた閃光を見たのだ。それは太陽が何かに反射したものだった。彼の父の懐中時計だった。」

暫く要約する。

その時美甘さんは、父が死んだと悟ったという。その時計の針は無くなっていたが、8時15分を示す影がそこに焼き付いていた。針が止まった時計は広島で沢山見つかったが、進示さんの時計の様に針が無いのに時間が読めるのは珍しい。進示さんは、その時計を広島平和資料館に寄付し、1985年には国連の広島長崎展のために貸し出すことに合意した。ところが、展示中にこの時計が盗まれてしまったのだ。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「国連のスポークスマンであるファランハク氏は水曜日に、国連は未だにこの時計に何があったのか把握していませんと語った。そして『この時計が無くなったことは、国連の全ての訪問者にとっての大きな損失でもある。』と語った。セキュリティーを担当する役人もこの事件に関係するいかなるファイルも見つけることができていない。」
「(進示さんの娘の)章子さんは、国連が捜査を再開してくれるのは嬉しいと述べた。そして『しかし、私自身の目的は平和のメッセージが広がることです。ですから、私は世界中の一人でも多くの人にこの時計について知ってもらいたいし、私の家族の被爆後の人生談や広島の人達がこうしたことを許していることを知ってもらいたいのです。』と語った。」

70年が経過、広島の生存者は語る【A12面(国際面)】

8ヶ月の時に被爆し、その後、広島の悲惨な体験を日米の学生に語り継いでいる近藤さんという女性について、WSJは広島原爆の日の国際面で取り上げている。


日本に平和主義がしっかりと根付いているのは、近藤さんの様な戦争経験者が語り部として惨状を語り継いでいること、授業や報道などでも、繰り返しこうした惨状が取り上げられていることが大きいとしている。そして、安保法案を成立させようとしている安倍首相もこうした平和主義のうねりの中で立ち往生していると報じている。
(ほぼ同じ記事がWSJ日本語版に掲載されていましたので、下記の文章はそこから引用っせて頂きました。)
***** 以下本文 *****
近藤紘子(旧姓:谷本)さんは毎年、ところどころ破れた小さなピンク色の服を持って生まれ故郷を旅する。それは近藤さん一家が70年前、世界初の原爆投下を生き残った日に近藤さんが着ていたものだ。
 近藤さんは当時、生後わずか8カ月だった。近藤さんは8月6日の広島原爆の日の時期に行われる語り部ツアーで、自宅を破壊し何十年も近藤さんを悩ませている惨状を学生たちに語っている。
 10代の頃、裸でステージの上に立ち、放射線の人体への長期的影響の兆候を確認しようとする医者や科学者からこと細かくじろじろ見られたとき、どれほどの屈辱を感じたか。あるいは、米国人の婚約者の親族が被ばくした近藤さんは子どもが産めないと考えたため、婚約者に結婚式の直前に見捨てられたときの思い。近藤さんは一般の米国人についても語る。彼らは被爆者のために食糧を送り、家を建て、戦後何十年にもわたって「精神養子縁組」でつながった広島の息子、娘たちの誕生日に小切手を送り続けた。
 近藤さんは学生たちを父親の教会があった場所にも案内している。原爆投下後、教会は倒壊し、近藤さんはがれきの下敷きになった。また、すさまじい破壊から逃がすため、父親が負傷者―中にはひどいやけどをした人もいた―を手漕(こ)ぎの舟で何度も運んだ川や、数千人が避難を求めた赤十字病院へも学生たちを連れて行く。
米国のジャーナリスト、ジョン・ハーシー氏が原爆投下直後の広島の様子を描いた著作「ヒロシマ」に近藤さんは短く登場している。この本に採り上げられたことで、近藤さんは広島の使者としての道を歩むことになった。
 近藤さんの父親、谷本清氏は米国で教育を受け、日本の教会で牧師をしていた。ハーシー氏が1946年春に広島を訪れたとき、谷本氏は原爆投下直後の恐怖と混乱を詳しく語ってくれた。
ハーシー氏の「ヒロシマ」には、「やけどをした人、血の流れる人の列また列」の脇を通ったり、死にそうな人たちのために水を探し回ったり、舟の上で死んでいる男性にわびてから遺体を移動させて生存者を運んだりした谷本氏の姿が描かれている。
 近藤さんは母親と共に牧師館の下敷きになった。隙間から差し込む「一筋の光」を見つけた母親が30分ほどかけて穴を開け、近藤さんは外に押し出された。
ハーシー氏の記述によると、谷本氏は妻子と再会しても、「気分的に疲れきっていたので、もう何事にも驚かない。夫人を抱きよせもせず『ああ、無事だったか』といっただけである」。「ヒロシマ」は1946年8月にニューヨーカー誌に初掲載された。広島と長崎が世界で唯一の被爆都市となった翌年のことだ。
 1945年、米国は東京をはじめとする日本の主要都市を爆撃し、沖縄を占領した。しかし、日本は絶望的とみられる戦況にもかかわらず、降伏の要求に抵抗した。
米国は原爆投下で戦争を早く終わらせ、日本本土侵略を回避しようと考えた。日本は長崎への原爆投下から6日後、降伏した。米国は核兵器を使用せずとも同じ結果を達成できた可能性があるとの議論は、今も歴史家の間で絶えない。
ハーシー氏と知り合ったことで谷本氏は戦後の米国で反核運動に担ぎ出される。
 谷本氏は1955年の訪米時、ロサンゼルスに招かれ、「This Is Your Life(これがあなたの人生だ)」という米NBCのテレビ番組に出演した。
 番組は谷本氏の家族を秘密のゲストとして招待。近藤さんは家族とともに父親に内緒で渡米していた。秘密のゲストはもう1人いた。広島に原爆を投下した米軍の爆撃機「エノラ・ゲイ」の副操縦士、ロバート・ルイス大尉だった。
 10歳になっていた近藤さんはしばらくルイス大尉を見つめていた。ずっと「悪いやつを蹴っ飛ばしたりかみついたり、たたきたい」と思っていた。
かわりに、近藤さんはルイス氏のところに歩いていって、その手に触れた。その直前、近藤さんは、番組の司会者に原爆を投下したあとどんな気持ちだったかと聞かれたルイス氏の目に涙があふれていることに気付いていた。近藤さんの記憶によると、ルイス氏は飛行日誌に「My god, what have we done?(ああ、私たちはなんてことをしてしまったんだ)」と書き込んだと答えた。
 「私が変わった瞬間だった」。近藤さんは今年初め、日米の若い芸術家グループにそう語った。「私は自分に言い聞かせた。『神様、この人を憎んだ私を許してください。憎むなら戦争を憎むべきなのです』と」
 近藤さんは後に牧師となった日本人男性と結婚し、2人の女の子を養子に迎えた。近藤さんは現在、頻繁に日米の各地を訪れ、自らの体験を語っている。
 日本に平和主義が深く根付いているのは近藤さんや同じ意見を持つ人々がメッセージを伝え続けてきたからだ。日本人は何世代にもわたって授業や報道、年上の親類との会話から第2次世界大戦時の日本各地の惨状について学んでいる。
 安倍晋三首相は今年、中国の台頭など日本の安全保障に対する新たな脅威への対応を目指し、海外での自衛隊の役割を拡大する法案を議会に提出した。首相はこのとき、平和主義の力を感じた。政府は法案を提出するため、日本の敗戦後に米国の占領軍が起草した憲法の解釈を変更しなければならなかった。
 安倍氏が、9月中の成立が可能になる7月16日の衆議院での法案可決を決断すると、内閣支持率は40%を割り込んだ。 

灯籠流し【A7面(国際面)】

8月6日原爆投下から70年を迎えた広島の元安川で行われた灯籠流しの様子を大きな写真入りで伝えた。


昨年の8月6日には、広島に関する記事を掲載しなかったが、戦後70周年を迎える今年は、一気に3件の記事を掲載した。

***** 以下本文 *****

少女が、70年前に広島に投下された爆弾の犠牲者を追悼して、原爆ドームに面した元安川に灯籠を流した。

Monday, August 3, 2015

日本は高等教育について再考する【A8面(国際面)】

安倍首相が進める高等教育改革についての記事が国際面に掲載された。



安倍首相が、公立大学に対し、職業訓練によりフォーカスした大学に変貌する様に指示したのに対し、そうした動きは一般教養の軽視につながりかえって人材育成力を弱めるとの批判があると報じている。ここまでは、先進国でよくある議論だが、日本の大学が他の先進国と大きく違うのは、多くの授業が大教室形式でディスカッションのない授業になっていることだとする。学生は授業の準備をする必要が無いので学生の質が低下する。しかし一番問題なのは、大学が政府の補助金頼みで、こうした安倍首相の指示に無批判に従わざるをえないことだとする。日本の大学は、外部からの研究委託等、補助金以外の収入源を見つけないと、学の独立を維持し自分たちのやりたい教育をすることが出来なくなると言っている様に読める。

***** 以下本文 *****

「日本は、より良いスキルを身につけた卒業生を渇望するビジネス界と手を組んで、一般教養プログラムを犠牲にして、公立大学の改革に取り組んでいる。」
「安倍晋三首相の目標は、日本の国立大学を、科学研究分野でのグローバルリーダーたる大学か、職業訓練にフォーカスした大学のいずれかに変換させることだ。」

長い記事なのでしばらく要約する。

国の補助金に依存している86の国公立大学は、6月30日までに改革案を提出することを求められ、補助金は政府の方針に従うか否かによって増減することを告げられた。安倍首相のこの改革の目的は、大学を研究にもっとフォーカスさせると同時に、企業から求められる国際的に競争力のある人材を育成することだ。こうした動きにより、一般教養が犠牲になるのは間違っているという批判もある。そうした批判は、企業が求める有能な人材の育成のために大学改革に取り組む他の先進国にもある。日本では、それに加えて、大教室でのディスカッションのない授業に対する懸念もある。企業の求める人材像と卒業生のミスマッチにより、終身雇用が標準である日本で、30%もの大学卒業生が、3年以内に最初に就職した会社を辞めているのは驚くべきことだだ。
例えば、愛媛大学では、地元経済に貢献するために旅行業や漁業に適した人材の育成プログラムの創設を考えている。こうした新しいプログラムは、学会やビジネス界のリーダーからなるパネルによって作られ、講師もパネルが指名する。企業ですら、外部取締役の採用を求められているのだから、大学でも外部パネルの力を活用する必要があるとする。愛媛大学のこうした取り組みに対しては、有能な人材とは、政治や社会的問題について理解があり、社会的問題に取り組む意欲のある人間であり、その意味で一般教養を軽視すべきではないという批判がある。学生からも自分の将来について悩む若者にとって、一般教養の授業は自分の興味がある分野も見つける一助になるという声がある。こうした学生は同時に、今の大教室授業が生徒のやる気をなくし、卒業生の質を落としていることも認めている。今の学生の3分の2は、授業以外で、1日に2時間以下しか勉強していないのだ。
ビジネス界でも、企業が求める人材を大学が排出するためには、企業の側が求める人材を、もっとはっきりと大学に伝えるべきだという意見もある。日本の大学はその70%を政府からの補助金に頼っているので、補助金は大学変革を促す重要な武器になる。18才の人口は2050年には今の半分となり、大学間の学生獲得競争はより激しくなるのだ。

この記事は次の様なコメントで結ばれている。
「政府の役人は、カリフォルニア工科大学の様な学校を見習って、収益の源を多用化する様に、公立大学に求めている。カリフォルニア工科大学では、2012-13年度の6億6百万ドルの収入のうちの56%を、外部からの研究委託で賄っている。日本のトップ大学である東京大学では、研究委託からの収入は22%で、政府からの補助金が45%だ。」
「安倍首相のゴールは世界のトップ100の大学の中に、日本の大学を10大学ラインインさせることだ。イギリスのタイムズ高等教育という雑誌によれば、2大学しかランクインしていない。23位の東京大学と、59位の京都大学だ。」