Monday, June 30, 2014

** 6月のまとめ **

早いもので、今年も半分が終わった。6月までにウォールストリートジャーナルに掲載された日本に関する記事は、103件だった。


6月は、10件。1月から5月までは、月平均18.6件掲載されたので、随分と少なかった。5月にはトヨタ北米本社の移転、4月にはオバマ大統領の訪日等、米国人の興味が高いイベントがあったが、6月はそうした大きなイベントがなかったことが、掲載数減少の一因だろう。

テーマ別では、政治関係が4件、経済関係が6件。このところ、小保方さんや佐村河内さんが登場する社会関係の柔らかい記事が増えていたが、今月は、政治、経済関係のお堅い記事ばかりの掲載だった。

相変わらず、安倍首相の政策への感心が高く、新成長戦略(第三の矢)関連の記事が5件、集団的自衛権関連の記事が2件だった。安倍首相の政策は一見強気で、米国人から見ても、論理的で分かりやすいと思われるが、それは逆に米国の言いなりになっている弱腰外交だからだという人もいる。

後は、北朝鮮のミサイル発射問題、慰安婦問題、スプリントのT-Mobile買収交渉についての続報が掲載された。

掲載箇所では、1面が1回、2面が1回、国際面が7回、社説・意見欄が1回だった。
1面を飾ったのは、スプリントのT-Mobile買収交渉。交渉成立が近いという内容で、これは、ウォールストリートジャーナルの特ダネだったが、続報が無いところを見るとガセネタだったのか?

社説取り上げられたのは、安倍首相が法人税引き下げに取組んでいることを引き合いに出し、米国も学ぶべきとの記事。アベノミクスは、米国の政策と比較されるばかりでなく、最終日の30日には欧州の政策とも比較されており、世界の経済政策をリードする存在になりつつある様だ。

北朝鮮のミサイルが東京を抗議へと駆り立てた【A12面(国際面)】

北朝鮮のミサイル発射について、国際面で報じている。短い記事なので全文掲載する。

「日本は、北朝鮮が日曜日早くに短距離ミサイルを日本海に向けて発射したことに対し、抗議した。これは、ここ数日で2回目の発射だ。」
「日本は北朝鮮と過去の日本人拉致問題について話し合いを開始しとそれに伴う制裁解除について話し合いを開始したところだ。今年3回目になるこの発射は、まさにそうした話し合いが始まったところでなされた。」
「『今朝、午前5時頃から、数発の弾道ミサイルが北朝鮮の南東部から日本海をめがけて発射された。』と小野寺防衛大臣は記者会見で述べた。その上で、政府はこの発射が交渉にどの様な影響を持つか判断すると付け加えた。」
「日本の有権者は安倍晋三首相の北朝鮮との関係を改善しようという努力を支持しているが、国際社会は、北朝鮮の原子力と兵器開発を非難している。」

拉致問題を抱える日本の複雑な立場を、短い記事の中で明らかにしている。

欧州は日本のレッスンを詳しく研究している【A2面】

「経済停滞に苦しむ欧州がアベノミクスから学べるか?」という記事が、2面に掲載された。
日本は経済停滞が始まって7年経過した時点でデフレに悩む様になったが、欧州は既に6年が経過しており、日本がデフレに入ったのと同じ様な時期にいるとした上で、その頃の日本と今の欧州を比較している。賃金、インフレ期待、人口動態では欧州の方が良いが、雇用や経済成長率では日本の方が良く、政治のマヒ状態はどちらも同じとしている。

この記事は、次の様な書き出しで始まる。ウォールストリートジャーナル日本語版にほぼ同じ記事が掲載されていたので、借用させて頂いた。

「欧州が次の日本になる方向に傾いているとするならば、それは欧州版アベノミクスが必要という意味なのだろうか。」
「安倍晋三首相は先週、低迷する経済成長を加速するための新しい措置を発表したが、欧州では、ユーロ圏は日本と同様の長期的な停滞局面入りしているのではないかとの議論が活発になっている。」
「ユーロ圏の回復のもたつきと、その他地域での政府支出依存度の高まりは、世界経済の成長にとって懸念材料だ。ユーロ圏18カ国は総額13兆ドルの経済圏で、極めて規模が大きく、その不振が他の諸国に影響を及ぼさないはずはない。」
「しかし、過去20年間にわたって年間1%程度の成長率にとどまっていた日本との比較がどの程度意味があるだろうか。そして問題と潜在的な治療法は、日本の場合とどの程度似ているのだろうか。よく知られているように、日本は1990年代に執拗なデフレ局面に陥り、物価の下落で消費者と企業は支出を先送りし、その結果、成長が弱いままだった。」
「ユーロ圏がそうした悪循環の瀬戸際にあるわけではない。欧州では、将来の物価に対する2つの重要な決定要因、つまり賃金とインフレ期待(予想)は、1990年代の日本よりも安定的だ。」

「だが、それはユーロ圏のインフレがすべて順調と言っているのではない。それは先月、年率0.5%に鈍化し、欧州中央銀行(ECB)の目標である2%近辺を大きく下回った。ユーロ圏のサブパー(基準以下の)インフレになると、ギリシャ、スペイン、イタリアといった低迷するユーロ圏参加国は、価格や企業コストをドイツよりも大きく低下させることが一層困難になる。」
「日本がデフレに苦しむようになったのは1998年ごろで、下降局面が始まって約7年経過してからだった。一方、世界的な金融危機がユーロ圏の成長を打ちのめしてから6年経過した。一部のエコノミストは、もう一つ別の打撃、例えば1997年のアジア金融危機のような打撃が加われば、欧州はバランスを崩してしまうかもしれないとみている。」
「例えばオランダの銀行INGのユーロ圏エコノミスト、Martin van Vliet氏は『われわれはもう一つの衝撃(つまり、あと一押し)で実際のデフレに陥るかもしれない。』と述べた。」
「日本の2つの『失われた10年』と、欧州の危機後の落ち込みを比較したvan Vliet氏の最近のデータ調査によれば、ユーロ圏は別の意味で日本よりも一段と打撃を受けている。経済的な産出と雇用の落ち込みは、ユーロ圏のほうがはるかに深刻なのだ。」
「日本では経済活動は鈍化したが、成長し続けた。デフレ調整後の国民1人当たり国内総生産(GDP)は、特に2000年代にはちゃんとしたペースで増加すらした。また日本の雇用率は近年の欧州基準ないし米国基準で高い水準のままだった。」
「一方、欧州では人口動態上の問題はそれほど劇的でなく、若干の希望がもたらされるはずだ。ユーロ圏の労働年齢人口は縮小し始めており、それは消費需要、投資にとって悪く、年金生活者や公共債務の負担が重くなる。しかし国連の予測によれば、日本の労働力は1990年代に急激な長期衰退局面に入ったのに対し、欧州の労働力の縮小は今後何十年間も漸進的にとどまるだろう。ハーバード大学のケン・ロゴフ教授(経済学)は『人口動態はそれほど悪くない。欧州はまた日本よりも移民にオープンだ。』と述べた。」ちぶ
「最も説得力のある日欧比較は、政治的なマヒ状態かもしれない。日本の政府と中央銀行は10年間にわたって決定的な行動を起こすことができず、銀行問題を悪化するまま放置し、デフレをまん延させた。最終的に日本の社会は、この病が永続すると予想し、その予想がこの病を一層深刻にした。」
「日銀の黒田東彦現総裁は、問題は単なるデフレではなく、『デフレ的なマインドセット(先入観)」であり、それが慎重な行動を永続化したと論じた。」

その後、この記事は、 安倍首相の「三本の矢」について、ユーロ圏内で議論が白熱していることを伝えた上で、日本の努力が持続可能か、あるいは効果的かを判断するのは時期尚早だとしている。

この記事は次の様なコメントで締めくくられているが、この部分もウォールストリートジャーナル日本語版から借用させて頂いた。

「『(日本の3本の矢である)金融政策、財政政策、そして構造改革の3つを協調的に推進するのは、称賛すべきであり、欧州でも採用可能だ。』と、アダム・ポーゼン氏(ワシントンのシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所所長)は言う。」
「前出のロゴフ氏は、ユーロ圏の多くの参加国は高水準の公的債務を抱えており、その結果、大規模な投資のための余裕がほとんどなくなっていると述べた。」
「欧州連合(EU)当局は、そして強力な債権国のドイツは、これまでユーロ圏全体にとって厳し過ぎる金融政策と財政政策を堅持してきた、と批判家たちは言う。それはユーロ圏の債務諸国に対し、市場の規制を撤廃させるよう圧力を掛けるためだった。」
「しかしベルリン(ドイツ)では、公共事業投資を大胆に実施したり、ECBのマネー印刷を放置すれば、南欧諸国の政治家にミクロ経済上の改革の手を緩めさせるだけだとの懸念が根強い。」

債権赤字を抱える欧州では、第一の矢と第二の矢に対しては慎重にならざるを得ない。また、第一の矢、第二の矢に依存してしまうと、必要な構造改革が進まないという意味でも、アベノミクスのそのままの適用にな慎重になるべきと言っている様だ。
 

Wednesday, June 25, 2014

日本は成長を刺激する試みを再開する【A11面(国際面)】

安倍首相が発表した新成長戦略が、国際面で取り上げられた。

この記事は次の様な書き出しで始まる。

「日本の安倍晋三首相が経済再生のための広範な計画を発表した。これは、企業の購買力を活性化させ、構造改革を実行に移すことにより、国家をはっきりと分かる発展軌道へとのせることを目的にしている。」
「これは、人気のあるリーダが、国内及び海外の投資家たちに、彼が痛みを伴う改革を実行する意思とアイデアと政治力を持っているということを示そうとする、2回目の試みだ。こうした改革により、日本がグローバル競争や高齢化に打ち勝ちことが出来る。」

長い記事なので、暫く要約する。

安倍首相は、記者会見で「成長戦略の実行が成功の鍵だ。」と語った。投資家達は、こうした改革案を長い間待っていた。安倍首相が就任直後に放った2本の矢により実現された成長をより強固なものにするためには、こうした改革が必須だ。昨年発表した改革案は特に海外投資家に不評だったが、今回は好評の様だ。多くのエコノミストがこの計画を期限や具体的な実行戦略に欠けた多くの案の寄せ集めに過ぎないと否定的であるにも係わらず、株式市場は上昇傾向にある。

この戦略は、法人税率の引き下げ、労働法、農業、医療といった分野の規制緩和を含んでおり、女性の社会進出を促すことにより、高齢化社会での労働力不足の問題を解決できると、安倍首相は強調している。この戦略の最大の目玉は、現在36.5%の法人税率の30%以下への引き下げだ。一部のエコノミストは、企業統治遵守規定が、外国人投資家に不評の日本企業の利益率の低さを解決するに役だつかもしれないと言っている。

この記事は次のようなコメントで締めくくられている。

「全てのエコノミストが合格点を付けているわけでは無い。経済特区に関しては、不満を表明しているエコノミストもいる。彼らは、経済特区こそが、第三の矢の最大の売り物になると思っていた。」
「政府関係者は、経済特区は秋までには具体化すると言っているが、今回の戦略ではその具体像が全く示されたかった。経済特区に関する議論は始まったばかりだ。」

かなり詳細に報じており、経済成長戦略に対する期待が感じられる。

議論に埋もれている、慰安婦への正義【A12面(国際面)】

慰安婦の苦悩の責任は日本にあるが、中国政府もまた彼女達を犯罪人よばわりして、見捨ててきており、これが慰安婦問題の解決を長引かせる一因になっているというショッキングな記事が国際面に掲載された。

「米国も慰安婦を利用していたため、米国主導の東京裁判でこの問題が覆い隠されたこと。」「河野談話は韓国政府と日本政府が秘密裏に行った調整の産物にすぎないこと。」「中国での慰安婦調達には多くの中国人ブローカーが関与したこと。」など、この問題が解決されない背景には、日本以外の多くの国にも責任があることを公平に報じつつも、日本の政治家が詳細にこだわり、正義が実行されないことへの憤りも表明している。

ウォールストリートジャーナル日本語版に同じ記事が掲載されていたので、全文転載させて頂く。

「第二次世界大戦終了の直後、敗北した日本政府にとって喫緊の課題は、国内の女性たちを連合国占領軍の何十万人もの米兵からどう守るかということだった。」
「解決策は『ianfu』(慰安婦)だった。」
「ボランティア(自由意思)による慰安婦が募集された。RAA(the Recreation and Amusement Association=特殊慰安施設協会)として知られる政府公認の一連の売春所で働く仕事だ。何千人もの日本人女性が応募し、「広く社会のために」自らを犠牲にすると覚悟した。売春所は米兵たちの間で人気が沸騰。兵士たちの間で性病が広がり、数カ月後には閉鎖しなければならなくなった。」

「今では日本のボランティア女性たちの犠牲に言及されることはほとんどないが、そうした犠牲は戦時の慰安婦に関する考え方を体現していた。慰安婦とは、太平洋戦争中に日本軍が性奴隷を指す言葉として生み出した言葉だ。戦時中の慰安婦の大半は、当時日本の植民地だった朝鮮出身の女性だった。しかし中国人も相当な数がいた。」
「戦時中の女性の役割に対するこうした認識が、その後の米国主導の東京裁判が日本の最も極悪な一面を覆い隠した背景にあった、と主張する法律学者や女性権利擁護者もいる。東京裁判は性奴隷を戦争犯罪として認めることはなかった。」
「終戦から70年たった今、韓国や中国などで元慰安婦の生存者が少なくなっているが、彼女たちは今なお正義を待ち望んでいる。政治家たちが責任の所在という問題で言い争っている中で、正義を待ち望んでいるのだ。」
「安倍晋三首相は、アジア各地の元慰安婦に対する1993年の画期的な謝罪(河野洋平官房長官談話)を検証することで、この古傷を再び開いた。河野談話の謝罪は、『慰安所』の設置と慰安婦の募集で旧日本軍が果たした役割を認めたものだった。それは『心身にわたり癒やしがたい傷を負われた(犠牲者たち)』に対する自責の念を表明していた。」
「日本政府は先週、河野談話の謝罪の作成過程を検証した結果、日本と韓国の当局者が文言調整で秘密裏に交渉していたことが判明したと発表した。これは、河野談話で純粋な自責の念のようにみえたものが、実際には外交上の産物であったことを示唆したことになる。」
「安倍首相は、この謝罪を撤回するよう求めるナショナリスト(国粋主義)的な同志たちから圧力を受けているが、謝罪自体は撤回しないと述べている。しかし検証作業によって、ずっと責任回避的だった河野談話がさらにあいまいになった形だ。慰安婦を商業ベースの売春婦だったと表現し、日本は不当に非難されていると主張する右翼勢力は、今回の検証に勇気づけられている。」
「日本の検証に反対していた韓国政府は23日、日本の駐韓大使を呼び、検証結果公表に抗議した。また中国外務省の報道官は、日本が『侵略の罪を覆そうとしている』と非難した。」
「戦争終了後これほど多くの年月がたった今日、アジアの元慰安婦が今なお正義を求めているのに対し、政治家たちが技術的な詳細にこだわり続けるのは一体なぜなのだろうか。」
「確かに、性犯罪への日本軍の直接関与に関する証拠を入手するのは困難だ。中国の公文書専門家は、日本軍が撤退の際に記録や文書を徹底的に破棄していたと述べている。」
「慰安婦たちの一部は、自分たちの境遇を生前に一言も語ることがなかった。生存者たちによると、慰安婦はいったん『摩耗』したり、病気になったり妊娠すると、即座に殺され、時には銃剣で突き殺されたという。」
「『慰安所』をどのように説明すべきかの議論が続いている。慰安婦のための正義を求める人々は、それが村々から拉致された女性や少女のあふれるレイプセンターだったと表現する。だが、この説明は大きな違いを見落としている。1937年に日本軍によって陥落した上海など中国の主要都市では、軍の『慰安所』は、日本の民間人向けの売春宿システムの中に設置され、規制も厳しかった。女性たちの扱いは、戦争の前線に近い臨時施設の方が悪かったようだ。中国人のブローカーが主要な役割を果たし、侵攻してくる日本軍のために女性たちを調達していた。」
「このため日本の右翼勢力は、責任の所在が旧日本軍にあるとする画一的な議論を否定している。 
しかし、元慰安婦たちの消えない痛みの裏には、文化と政治に関する根深い問題が存在する。そうした問題は依然として完全に認知されているとは言えない。それは日本だけにとどまらない。」
「戦時の女性たちの苦悩は、戦後も続いた。彼女たちは、純潔を重んじる男性優位社会からしばしば締め出された。多くの女性たちは旧日本軍の協力者だとのレッテルを貼られた。」
「最近出版された米バッサー大学の丘培培(Peipei Qiu)教授と中国在住の共著者2人(蘇智良氏と陳麗菲氏)の著書「Chinese Comfort Women(中国人慰安婦)」は、元慰安婦12人の痛ましい経験をつづり、この悲劇にあらためて光を当てている。」
「元慰安婦のうちの1人、Yuan Zhulinさんは、初めて慰安所で働いた日に頑強な日本兵10人からレイプされたことを明かし、『下半身をナイフで刻まれているように感じた』と説明している。武漢生まれの彼女は、逃げようとしたら殴打され、そのため頭痛に生涯悩まされることとなったという。彼女の苦難は、法的な迫害でさらに増幅された。1958年、中国の裁判所は日本人相手の売春婦だったとして彼女に『重労働』の刑を言い渡した。彼女はその後17年間、極寒の中国東北部に追いやられた。」
 またNan Erpuさんは1960年代の文化大革命の際、日本兵に性を提供した『守旧的な反革命主義者』」という理由で投獄された。彼女は後に自殺した。
「屈辱は最近まで続いた。Li Lianchunさんは2000年に元慰安婦に関する会合に参加するため東京を訪れようとしたが、中国の地元当局者に渡航書類の発行を拒否された。この当局者は、彼女が国外で『恥ずべき過去』を語ることが不適切だと考えたためだった。」
「これまで研究者たちは、アジア全域で最大20万人の慰安婦がいたとし、うち大半は朝鮮出身者だったと推定してきた。しかし丘教授らの著書によると、最近の中国の研究は、慰安婦の総数は40万人で、少なくともその半数が中国人だったと推定しているという。」
「中国人慰安婦たちの苦難の責任は、一義的に旧日本軍にあった。しかし女性たちの政府(中国政府)もまた、彼女たちを見捨てていたのである。」

Saturday, June 14, 2014

日本の首相は税金はカットするが、関税は維持する【A14面(国際面)】

安倍首相の成長戦略の骨格が決まったことが、国際面に取り上げられている。

「日本の安倍晋三首相の最新の成長戦略が、数週間後の正式公表される予定であるが、その前にその概要が明らかになった。法人税の引下げを明記にする一方で、農業改革は交替しており、様々な見方が出来る。」
「安倍氏は、金曜日に、現在35%の法人税率を、数年以内に30%以下にすると述べた。政府は代替財源を見つけることに合意したが、その詳細については今年末まで先送りした。『法人税は、経済成長を刺激する様に、改革されねばばらない。』と安倍氏は述べた。」
「この決定は、先進国で最も高い税負担に悩まされていると主張してきた大企業から、歓迎されている。」
「同時に、規制緩和委員会は、日本の農協をすぐに改革することを避けた。この動きは、小さな農家が未だに強い政治的影響力を維持し、競争を導入し、米国やオーストラリア等からの輸入関税を下げることに反対していることを示唆している。」
「この成長戦略は、金融緩和、公共投資に続く、安倍首相の経済成長戦略の第3の矢だ。この成長戦略には、労働規制の緩和や女性の社会進出が、項目として入っている。日本の経済成長が続く中で、一部の企業が労働者不足に直面しているからだ。また、関係者によれば、カジノの設立も含まれている。」
「政府関係者は、計画全体は、6月後半かその少し後に発表されると述べた。」
「市場の反応は今の所冷ややかだ。日経平均株価は今年は下がっている。」

日本では、農業改革にも踏み込んだことを評価する論調が多いが、農作物の日本への輸出増加を期待する米国から見ると、今回の農業改革は物足りない様だ。

日本の税金引下げ【A12面(社説)】


安倍首相が、法人税減税の方針を明確にしたことが、社説で取り上げられている。米政府は日本から学ぶべきだとして、この方針を支持している。
(ウォールストリート日本版に同じ記事が掲載されたので、一部補足させて頂いた上で、そのまま借用させて頂いた。)

「日本でまた税制をめぐる議論が盛り上がりをみせている。今度はいいニュースが飛び出しそうだ。 安倍晋三首相は法人税の実効税率の引き下げを断行するようだ。首相は税率を5年以内に30%未満へ引き下げることを示唆しただけで、今までのところ具体的な税率は示していない。実効税率が20〜25%に引き下げられれば欧州の多くの国と同水準になる。先進国の中で最も高い法人税は米国の35%。日本の現行の法人税率は、この米国に次ぐ水準だ。」
「日本経済団体連合会(経団連)など財界は日本の競争力を回復させるため、政府は何をおいても法人税の大幅引き下げを行うべきと主張している。それも一理ある。今週、1-3月の日本の国内総生産(GDP)が上方修正され、設備投資も改善するなど前向きな兆候が表れてはいるが、日本の景気回復は脆弱なままだ。首相は先日、企業統治の改革を行うことを発表したが、経済団体がこれを黙認する代価として法人税の税率引き下げを求めるとすれば、双方にとって有意義だ。」
 最大の障害は官僚だ。財務官僚は引き下げに反対で、税率を下げるなら、失われる税収を埋め合わせるための措置を同時に実施しなければならないと主張している。麻生太郎財務相は先週、法人税の引き下げによって経済成長が促され、課税可能な活動が創造されて税収が増えると想定すべきではないと述べた。」
「安倍氏は法人税をめぐる議論をきっかけに、幅広い税制改革を提案する可能性がある。控除などを縮小して法人税の引き下げによる税収減を補うためだ。ただ、これには政治的に注意が必要だ。控除など優遇措置の多くは中小企業向けだが、法人税の引き下げで最も得をするのは大企業だからである。首相は設備投資減税や研究開発費減税の拡大などの措置を発表しており、税制の歪みの責任の一端は安倍氏にある。」
「それでも、法人税の実効税率の引き下げ、課税ベースの拡大、租税特別措置の縮小は日本経済全体にとってはプラスだろう。租税特別措置は、特定の投資(特に温暖化防止関係の投資)を優遇したり、他のことには高い税金を課したりするので、企業の決断を歪めてしまう。消費税の10%を超える税率への引き上げなど税収を確保するためのその他の案のほうが経済にもたらす悪影響は大きいといえよう。」

「通常国会は間もなく会期末を迎えるため、税制の議論は冬まで続くだろう。今喜ぶべきは、法人税の引き下げと、引き下げにより経済が活性化するというコンセンサスが形成されたことである。左派、右派を問わず、高い法人税は政治的にプラスだと考える議員があまりにも多い米国の議会はこの点を日本から学ぶべきだ。」

Thursday, June 12, 2014

オーストラリアは東京から潜水艦の技術を求めている【A10面(国際面)】

日豪装備協定の大筋合意のニュースが、国際面に掲載された。

この記事は次の様な書き出しで始まる。
「オーストラリアと日本は東シナ海、南シナ海での緊張が高まる中で、安全保障に関する協力関係を強化する動きに出た。オーストラリアは、日本のステルス潜水艦に使われている技術へのアクセスを求めている。この技術は、強力な潜水艦の新しい艦隊に使用可能だ。」
「オーストラリアのデービッド・ジョンソン防衛大臣は、横須賀海軍基地で、小野寺防衛大臣と、日本の新しい潜水艦、蒼龍を見学した後、日本とオーストラリアは、防衛技術について、お互いに補完しあえる長所と、共通の関心を持っていると述べた。」

そして、蒼龍が、世界最大の潜水艦で、海底に2週間も潜ったままでいられる優れものであることを述べた上で、こうした技術が提供出来る様になったのは、今年の4月に安倍首相が武器輸出3原則を変更したおかげだということを説明する。

この記事は下記の様なコメントで締めくくられている。
「オーストラリアは、より大きな在来型潜水艦の新しい艦隊に、日本の推進技術が使えると考えている。艦隊の費用は少なくとも、35オーストラリア・ドルになる。新しい潜水艦は、6台のコリンズ級の潜水艦を置き換える。これらの潜水艦は、耐用期間の終了が近づいており、導入当初かれら、信頼性と騒音について、問題を抱えていた。オーストラリアは、2020年代の半ばまでに、新しい潜水艦を稼動させたいと考えている。」

日本の各紙の報道に比べて、非常に詳細に伝えている。


安倍は日本の軍隊を急速に強化することを目指している【A10面(国際面)】

政府・与党が集団自衛権の行使容認の閣議決定を巡る大詰めの調整に入ったことを国際面で伝えている。

この記事は次の様な書き出して始まる。
「安倍晋三首相は、水曜日に、日本の軍隊への規制排除について、その実現に強い意欲を示し、十分な議論なくして、憲法解釈変更を押し付けているという批判を一蹴した。」
「連立政権の関係者によれば、安倍氏は、内閣が日本の平和憲法の解釈を、来週までに、変更することを希望している。この大胆な日程は、連立内閣を組む小政党との軋轢を生じさせるだろう。」

この記事は長いので、暫く要約する。

変更により、日本は集団的自衛権を行使出来る様になる。安部首相は、国会答弁において、中国に対抗するために地域において重要な役割を果たすという意思を表明した上で、アジア太平洋地域の安全保障がおびやかされつつあり、軍事的抑止力が必要と述べた。
民主党の海江田党首は、首相は酔っ払っていたのではないかと批判した上で、安倍首相こそが、日本のリスクだと述べた。
安倍首相は、国民的人気があり、自民党は、国会でも優位な位置にあるので、憲法解釈変更は来週にも承認されるだろう。この変更に国会の承認は必要ない。
但し、連立政権の相手方である公明党からは反対されている。公明党党首は。海外紛争における自衛隊の関与について、より詳細な議論を希望している。。

この記事は、次の様なコメントで締めくくられている。
「週末に実施されたNHKの世論調査によれば、日本は集団的自衛権を行使すべきか否かという問いに対して、意見は半々に分かれた。また、多くの人が分からないと応えた。」
「右翼の人達の中にも、安倍首相のやり方に懐疑的な人もいる。こうした人々は、解釈を変更するよりむしろ、憲法そのものを変更すべきだと主張する。しかしながら、そのためには、何年もかかる。」

憲法解釈変更によって、集団的自衛権を認めようという、安倍首相の姿勢を支持している様だ。

Thursday, June 5, 2014

スプリントとT-Mobileのディールは近い【A1面】

スプリントのT-Mobile買収が大筋合意されたという記事が1面トップで報道された。

この記事は下記の様な書き出しから始まる。
「スプリントとT-Mobileの取締役会は合併の大枠で合意した。T-Mobileの買収金額は320億ドルになる見込み。関係者によれば、最近の規制当局の決定により、両社の幹部は、この取引が承認されるチャンスがあると思う様になった。」
「この買収はこの夏にも実施の見通しで、スプリントが、T-Mobileの株を一株40ドルで買い取る。両社は、正式契約に向けて協議中だが、努力は実りそうだ。実現すれば、第3位と第4位の携帯通信会社が合併し、市場をリードするAT&Tとベライゾンに対応する巨大企業が誕生する。消費者にとっては、サービスの選択肢が減ることになるが。」

長い記事なので、暫く要約する。

この取引は、FCC(連邦通信委員会)と司法省の承認が必要だが、スプリントは、承認が得られない場合には、T-Mobile10億ドル払うという、大きな賭けに出た。借金と赤字に苦しむスプリントにとって、この賭けは大きなリスクだが、FCCが、最近、スプリントやT-Mobileの様な小さな携帯通信会社に不利な決定したことが、承認への突破口になる可能性がある。従って、両社とも今がチャンスで、迅速に動く必要があると感じている。

この合併を推進するのはスプリントの孫正義会長だ。彼は、強力な競合者になると誓っている。FCCは、現在、放送業界が保有している電波帯の入札を2015年に予定している。FCCは、当初、AT&Tとベライゾンはこの入札に参加出来ない様にするつもりだったが、両社の猛烈なロビー活動によって。参加を許した。これは、スプリントやT-Mobileに不利で、FCCは両社の合併を認めざるをえないことになるかもしれない。
また、FCCの民主党コミッショナーがこの合併の承認を示唆する発言をしたことも、両社がこの合併が承認される可能性が高いと思わせるに至ったもう一つの理由。残りの2人の共和党コミッショナーは合併に賛成、2人の民主党コミッショナーは合併に反対と推測される。
FCCは、現在、ComcastWarner Cable買収(450億ドル)、AT&TDirect TV買収(490億ドル)を審議中だ。

当局は現在の携帯通信業界の4社体制が良いと思っている。最近、T-Mobileの業績が良いのもそのおかげだと思っている。スプリントはそれは幻想にすぎないと考えている、スプリントはこの合併によって、本当の競合者が2社から3社に増えるのであって、4社が3社に減るのではないと主張している。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「しかしながら、この合併は、米国携帯通信業界の中間層に空白地帯を作ることになるだろう。特に最近の合併は、安いプリペイドサービスを排除してきた。この分野では、現在スプリントとT-Mobileが主要な供給者だ。」
「大きな視点で言えば、この買収は50%が現金、残りの50%が株式で行われる。T-Mobileの最大の株主である、ドイツテレコムは新会社の15~20%の株式を保有する見通しだと関係者は言っている。」

この記事は、孫正義会長の大きな写真を掲載している。彼の存在感は大きい。

Wednesday, June 4, 2014

日本は2015年に法人税を引き下げる準備をする【A12面(国際面)】

法人税下げで、政府・与党が一致したというニュースが国際面で報道されている。

この記事は次の様な書き出しではじまる。
「日本の与党は、法人税減税が来年に実行することで一致した。安倍首相は、法人税減税により、投資が活性化され、国内に製造を維持されることを期待している。」
「法人税は現在35%だが、その減税は大企業の長年の要求だ。大企業は、不当に大きい税負担を強いられていて、それがもっと税金の安い海外へ工場を移転する理由になると言う。安倍首相は、税制改革は、長年の不況に苦しく日本経済再生を目指したアベノミクスの重要な部分だと述べた。」

この記事は少し長いので、しばらく要約する。

大企業は既にキャッシュを蓄えていて、法人税減税は投資の活性化に繋がらないという意見もある。
自民党は、2015会計年度から減税を実施し、今月発表予定の安倍首相の骨太戦略にも、減税を明記する。詳細はこれから詰めるが、ビジネス界は数年以内に税率を25%とすることを望んでおり、また、税収減をどう補うかと言う問題もあり、激しい議論が予想される。

日本の法人税は欧州やアジアより高いが、約40%のアメリカよりは低い。世界銀行によれば、中規模への税率は、日本が27.2%、米国が27.9%でほぼ同等だ。

この記事は、下記の様なコメントで締めくくられている。
「日本もアメリカも、今年の法人税からの税収は、GDPの2%になる見込みで、この2国の法人への負荷はほぼ同等と言える。」
「しかし、東芝の佐々木副社長は、法人税は、日本の電機業界に重くのしかかっており、海外の競合他社の約2倍の法人税を負担していると述べている。」

この減税は、大企業優遇へ繋がるとの批判があるが、この記事もその点を強調していると思う。