Saturday, October 31, 2015

** 10月のまとめ **

10月にWSJに掲載された日本関係の記事は、3件だった。このブログを開始してから最も少ない。

テーマ別では、社会関係が3件で、政治関係、経済関係の記事の掲載は無かった。これは、私がこのブログを開始して初めてのことだ。掲載箇所別では、1面が1件、国際面が2件だった。

WSJは1面下のコラム欄で、世界の面白い話題を毎日紹介しているが、この欄で「日本政府が100歳の誕生日に贈る銀の盃を合金に変えることを検討している。」ことを取り上げ、長寿大国日本が抱える問題を浮き彫りにした。

国際面で取り上げられたのは、「中国で日本人がスパイ容疑で逮捕された。」ニュースと、「白血病にかかった福島第一原発の作業員に初めて労災が認定された。」ニュースの2件。どちらも何故か安倍首相のリーダーシップが全く見られず、首相にとっては耳の痛いニュース。日本ではあまり取り上げられていないのは何故だろう。

それにしても、今月、政治、経済関係の記事が全く取り上げられなかったのは深刻だと思う。このままでは、日本は益々国際社会の中で、忘れられた存在になってしまう。安倍首相は、就任当初は、中韓に対して強いスタンスを取ったり、アベノミクスを打ち出したり、強いリーダーシップがみられ、WSJも連日その動きを報道していたが、ここにきて安倍首相が何をしたいのかが、日本国民にすら分からなくなってしまっている。そうしたことの反映だろう。




Wednesday, October 21, 2015

福島の労働者に癌の補償金が支払われる【A8面(国際面)】


福島原発事故の事後処理に従事し、白血病になった元作業員に労災が認定されたという記事が国際面に取り上げられた。


44,000人以上が災害後に福島原発の作業に従事し、そのうち15,408人が10ミリシーベルト以上の放射能を浴びたが、労災に認定されたのは、この男性が初めてだとしている。今後、認定者が大きく増えることを示唆して、この問題の深刻さを強調している様に読める。また、今回の認定について、東電も安倍首相も何らコメントを発表していないことも取り上げ、この件についての東電や政府の無力ぶりを批判している様にも読める。

***** 以下本文 *****

この記事は、次のような書き出しで始まる。
「破壊された福島第一原発で働いた建設作業者が、放射能を浴びたことによると考えられる癌に侵され、こうしたケースでは初めて補償金が支払われることになったと、火曜日に政府が発表した。」
「この男性の名前は公表されていないが、30代後半で白血病と診断されたと、厚生労働省は発表した。彼の現在の年齢や状況は明らかにされなかった。同省によれば、彼は外来治療を受けている。」

暫く要約する。

この男性は、震災直後から2013年にかけて18ヶ月の間、福島原発で働いた。厚生労働省によれば、彼の癌と原発との関係は明確ではないが、原発による被災を理由に補償金を受け取る最初の事例となった。彼の他に7人が癌と診断され、補償金を申請しているが、3件が拒否され、3件が審査中、1件は申請を取り消した。東京電力は本件に関するコメントを拒否し、安倍晋三首相は一切のコメントを出さなかった。
日本では、震災後稼働を中止していた原発が8月に再稼働し、数週間前には2つ目の原発が再稼働したばかりだった。
震災後44,000人以上が福島原発で瓦礫の処理や解体作業に従事した。そのうち15,408人が10ミリシーベルト以上の放射能に被災した。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「国連によれば、通常の生活をしている人々は一年間に2.4ミリシーベルトの放射能を浴びている。厚生労働省は、100ミリシーベルト以下の被災と癌との関係を証明するのは難しいと主張している。」
「同省によれば、補償金をもらうことになった男性は、原発で働いている間に15.7ミリシーベルトの放射能を浴びた。彼は他の原発でも働いており、全部で19.8ミリシーベルトの放射能を浴びた。」

Saturday, October 17, 2015

日本の長寿チャンピョンは銀すら勝ち取れないかもしれない【A1面】

日本政府が、100歳を迎えた国民に贈呈する盃を銀製から合金製に変更しようとしているという記事が、一面下のコラムに掲載された。


長寿国日本では、毎年30,000人もの国民が100歳を迎えていて、2050年には約680,000人もの国民が100歳以上になるのだそうだ。現在、100歳の誕生日を迎える国民には銀の盃が贈られているのだが、こうなると予算の関係で、合金製に変更する必要があるとのこと。

***** 以下本文 *****
この記事は、次のような書き出しで始まる。
「アイカワトモタロウさんは、第一次世界大戦が始まった月に生まれ、昨年100歳を迎えた。その後すぐに、安倍晋三首相から、記念行事でお酒を飲むための、銀で出来た浅くて小さい盃が、お祝いの手紙と共に送られてきた。」
「100歳の記念に杯を贈るのは、日本では50年以上続いている伝統だ。盃には祝福と長寿を意味する『寿』という文字が刻まれている。」
「しかし、国の財政状況の悪化を受けて、来年100歳を迎える人は、合金の盃をもらうことになるかもしれない。」

長い記事なので暫く要約する。

日本政府は100歳のお祝いの品を銀の盃から、トロフィーなどに使われている銅やニッケルや錫の合金製に変更するかもしれない。
政府が100歳の記念に銀の盃を送り始めたのは1963年だが、その時アイカワさんは49歳で、100歳以上の人は153人しかいなかった。いまや、毎年約30,000人もの人が100歳を迎えており、2050年には100歳以上の日本人は約680,000人に達すると予測される。日本の国債が膨んでいることもあり、このプログラムは見直しを迫られている。
大学教授や会計士など5名で構成される厚生労働省の諮問機関は、このプログラムを取り上げ、2名が完全廃止を、3名が抜本的な見直しを提案した。この提案を受けて、厚生労働省はこのプログラムの維持にかかる2億7千万円の予算を半減することを決定した。当初は、盃のサイズを小さくすることも検討されたが、盃の直径は3.5インチしかなく、厚生労働省は合金を使う案に傾いている。銀の盃のコストは約7,000円だが、合金だとその半分だ。
老人福祉団体などからは、銀の盃を維持すべきだという意見が出る一方、お年寄りからは、盃にかけるお金を福祉に回して欲しいという意見が出ている。アイカワさんは、101歳を迎えたが、盃は若い世代への負担となるので不要だと考えている。
そう言うアイカワさんも、既に十分な負担をしている。第二次世界大戦後シベリアに抑留され、帰国後は道路清掃でなんとか生計を立て、2度の癌の宣告も乗り越えてきた。シベリアで友人の死体を埋めたことに比べればその後の苦労はなんでもないと言う。東京で、孫娘とひ孫に囲まれて暮らしている。
日本人の平均寿命を引き上げているのはアイカワさんの様な人達だ。日本人女性の平均寿命は87歳で世界1位だし、男性も80.5歳で香港、アイスランドに続いて3位だ。今年4月に117歳で亡くなったオオカワミサコさんは世界最年長だっだし、現在の最年長の男性は112歳のコイデヤスタロウさんだ。日本人の長寿の秘訣は米、魚、野菜、豆などを中心とした食事と、運動だ。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「73歳のヒラノシゲルさんは、所属するゲートボールクラブでは若造だ。オフィスワーカーとして仕事をし、既に引退しているヒラノさんは、後27年生きたらもらえる盃は合金で良いと言う。『私は100歳を迎える人をお祝いすることには賛成ですが、一方で政府の予算が不足していることも理解できます。』」
「アイカワさんは次の様な提案をしている。『多分、政府は100歳の人達にお祝いの品を贈るのではなく、110歳の人達に贈ることを考えるべきでしょう。』」

Thursday, October 1, 2015

日本国民がスパイ容疑で逮捕された【A12面(国際面)】

30日に中国報道官が公表した日本人2名のスパイ容疑での逮捕について、1日の国際面で速報した。


この事件が、せっかく改善の兆しが見えてきた日中関係に冷や水を浴びせかける可能性があることを憂慮すると同時に、どちらの国も詳細を明らかにしないことに対する疑問を表明している様に読めるが、どうだろか?

***** 以下本文 *****

「中国は2人の日本人をスパイ容疑で逮捕した。今年予定されている首脳会談を前に、2国間の不安定な関係に更に問題を投げかけた。」
「『我々はこの2人が中国でスパイ行為をやっていたので逮捕しました。それがこの2人を結びつけていたのです。』と中国外務省スポークスマンの洪磊は水曜日に言った。」
「日本は逮捕について認め、5月に起きたと言った。2人は別々に逮捕された。1人は遼寧省で、 もう一人は浙江省で逮捕されたと、日本政府のスポークスマンである菅義偉氏は語った。また、菅氏は、日本は彼らの解放を求めているとも語った。」
「どちらの国からも詳細は明らかにされていない。」
「こうしたニュースが暴露された背景には、2012年に日本が支配していて、中国が領有権を主張している東シナ海について対立が深まって以来の、両国の険悪な関係がある。」
「今年になって、関係改善の兆しは見え始めた。中国の習近平主席と日本の安倍晋三首相は、4月にジャカルタで、比較的友好的な会談を行った。その席で両国は、今年、中国、日本、韓国による3ヵ国会談を行いたいと表明した。」
「中国、日本共に、2人の日本人が何の罪で逮捕されたのか、彼らがどうして中国にいたのか、彼らが男なのか女なのかのいずれも明らかにしていない。」