Wednesday, October 21, 2015

福島の労働者に癌の補償金が支払われる【A8面(国際面)】


福島原発事故の事後処理に従事し、白血病になった元作業員に労災が認定されたという記事が国際面に取り上げられた。


44,000人以上が災害後に福島原発の作業に従事し、そのうち15,408人が10ミリシーベルト以上の放射能を浴びたが、労災に認定されたのは、この男性が初めてだとしている。今後、認定者が大きく増えることを示唆して、この問題の深刻さを強調している様に読める。また、今回の認定について、東電も安倍首相も何らコメントを発表していないことも取り上げ、この件についての東電や政府の無力ぶりを批判している様にも読める。

***** 以下本文 *****

この記事は、次のような書き出しで始まる。
「破壊された福島第一原発で働いた建設作業者が、放射能を浴びたことによると考えられる癌に侵され、こうしたケースでは初めて補償金が支払われることになったと、火曜日に政府が発表した。」
「この男性の名前は公表されていないが、30代後半で白血病と診断されたと、厚生労働省は発表した。彼の現在の年齢や状況は明らかにされなかった。同省によれば、彼は外来治療を受けている。」

暫く要約する。

この男性は、震災直後から2013年にかけて18ヶ月の間、福島原発で働いた。厚生労働省によれば、彼の癌と原発との関係は明確ではないが、原発による被災を理由に補償金を受け取る最初の事例となった。彼の他に7人が癌と診断され、補償金を申請しているが、3件が拒否され、3件が審査中、1件は申請を取り消した。東京電力は本件に関するコメントを拒否し、安倍晋三首相は一切のコメントを出さなかった。
日本では、震災後稼働を中止していた原発が8月に再稼働し、数週間前には2つ目の原発が再稼働したばかりだった。
震災後44,000人以上が福島原発で瓦礫の処理や解体作業に従事した。そのうち15,408人が10ミリシーベルト以上の放射能に被災した。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「国連によれば、通常の生活をしている人々は一年間に2.4ミリシーベルトの放射能を浴びている。厚生労働省は、100ミリシーベルト以下の被災と癌との関係を証明するのは難しいと主張している。」
「同省によれば、補償金をもらうことになった男性は、原発で働いている間に15.7ミリシーベルトの放射能を浴びた。彼は他の原発でも働いており、全部で19.8ミリシーベルトの放射能を浴びた。」