Wednesday, January 14, 2015

日本にとって「ごめんなさい」というのは政治的には注意を要する【A10面(国際面)】

8月に発表される予定の安倍談話に関する記事が国際面に掲載された。



この記事は次の様な書き出しで始まる。
「今年は第二次世界大戦が終結してかた70周年の節目の年だ。我々は、日本にドイツの様に振る舞うことをへと求める多くの声を聞くことになるだろう。ドイツは悔恨したのだ。」
「ドイツほど悔恨の意を表した国は無いだろう。ドイツは魂を求めるために苦しみ、歴史上もっとも破壊的な戦争を行ったことに謝意を表した。こうした行為がドイツが再び平和を脅かすという恐怖を抑えることになった。再び安定が確保され、ヨーロッパは調和を保っている。」

暫く要約する。

反対に日本は十分に謝罪しておらず、それが日本と中国、韓国の間の関係を未だに悪いものにしている。日中間の島を巡る問題は軍事紛争へと発展する危機を孕んでいる。日本は謝罪をしてアジアの緊張をほぐすべきだという主張が止まない。アジアの政治家、学者、遺族の間では、安倍首相が8月に発表する談話への期待が高まっている。しかし事態はそれ程簡単ではない。

第一に、日本が十分に謝っていないというのは、間違いだ。1991年に宮沢談話で謝罪し、終戦から50年後の村山談話でも謝罪し、2001年に小泉首相は韓国で花輪を捧げて植民地支配について謝罪した。

第二に安倍首相が過去の誤りを認めることは事態を悪化させる可能性が高い。「謝罪する国々」の著者であるリンド氏は、謝罪は和解の必須条件では無いと述べている。ドイツが謝罪する以前にドイツとフランスの関係は改善していたのだ。謝罪はむしろ、謝罪した国の国内世論を悪化させ、事態を悪化させる危険がある。現に日本でも、謝罪をする度に右翼が騒ぎ立てて、謝罪しようとする意図をだいなしにしてしまう。安倍首相は、右翼を閣僚に任命し、靖国神社を訪問する。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「安倍首相が何を言っても、近隣諸国を安心させることは出来ないだろう。リンド氏によれば『魔法の言葉』は無い。『どんな言葉を使っても中国は不満だろう。』例え日本がアジア地域における第二次世界大戦の傷を癒すために、ドイツをお手本にしたとしても、中国や韓国がフランスの様にふるまうかは大きな疑問だ。フランスは許す(謝罪を受け入れる)お手本だ。」

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日本がドイツの様に謝罪することも重要だが、それ以上に重要なのは中国や韓国がフランスの様に謝罪を受け入れることだと言うことだろう。