ウォールストリートジャーナルは、米国に影響力をもつ多くのインテリ層に読まれていて、その世論形成に寄与しています。同誌に日本がどの様に取り上げられているかを観察することは、米国で日本についてのどの様な世論が形成されつつあるを知ることになるのではないでしょうか。このブログでは同誌に取り上げられた日本関係の記事を簡単に紹介しています。私は英語が専門ではないので、誤訳はご容赦。
Wednesday, March 26, 2014
多くの摩擦の後で、アジアのライバルが会った【A8面(国際面)】
ようやく実現した日韓会談について国際面で報じている。表題で、日本と韓国を「ライバル」としている。記事を読んだ印象では、「安倍首相と朴大統領を比べると、朴大統領の方が、リーダーとしては格上。」と言われている様な気がするが、皆さんはどう思うだろうか?私の穿った見方だろうか?気になる点、3点を中心に紹介する。
気になる点の1点目は、この記事の、最初の部分。非常にマイナーな点で恐縮だが、冒頭の「韓国と日本のリーダーが」という箇所で、韓国が先にきているのが、まずひっかかった。ABC順なら、日本が先でも良いのでは?
「韓国と日本のリーダーが、一年以上前に権力の座について初めて会談した。オバマ大統領がアレンジした会談に加わったもので、歴史問題を避け、北朝鮮問題にフォーカスした会談だった。」
「脅威を強調するかの様に、オランダで3者会談が行われるその時間に合わせて、北朝鮮は弾道ミサイルを発射した。首都・平壌の北にある発射場から打ち上げられ、400マイル離れた朝鮮半島の東側の海上まで飛んだ。」
この後、この記事は、米国が、中国への対抗勢力として、日米韓の友好関係が重要と考えていて、そのために、今回の会談をアレンジしたことを説明した上で、 オバマ大統領の発言をあげる。
「これまで私は朴大統領と安倍首相と緊密に連携してきたが、われわれが直面する共通の重要課題を3人で議論するのは初めてのことだ。本日の会談は、アジア太平洋地域における米国の重要な役割を反映するものだが、その役割は米国と日韓との同盟関係の強さによって決まる」
その後、気になる点の2点目が登場する。朴大統領と安倍首相の発言を引用しているのだが、朴大統領が先に引用されている上に、朴大統領発言の引用の方が長い。
「今回の会談は、核安全保障サミット終了後、ハーグにある駐オランダ米国大使公邸で開かれた。朴大統領と安倍首相は共に、ようやく会談の機会を得た重要性について言及した。」
「朴大統領は『この会談がわれわれ3カ国の協調体制や、核分野での強みと協力関係を確認できる機会になることを心から願っている。』と述べた。」
「その後、安倍首相は、記者団に対し今回の打合せは『非常に意義深い。』とした上で、3首脳が北朝鮮問題を含む地域の安全保障問題について、緊密に協力していくことで合意したと述べた。」
気になる点の3点目は、最後の文章である。会談を拒否しているのは朴大統領として、日韓関係においては、朴大統領が主導権を握っている様な印象で、記事を締めくくっている。
「戦時中の朝鮮半島における日本軍の行為に関する歴史認識の相違がもとで、日韓関係は緊迫している。日本政府は過去の行為に対してすでに謝罪しており、さらなる謝罪を求める韓国政府の要求を退けている。朴大統領は昨年2月の就任以来、安倍首相との公式な会談を拒否してきた。」
上述の3点に加えて、もう一つ気になるのは、この記事には写真が掲載されている写真だ。朴大統領が真ん中に位置している。
この記事を書いている記者は、ホワイトハウスの番記者の様だが、ワシントンでは朴大統領の方がリーダーとしては格上と見られているのか?安倍首相も、かなりもリーダにふさわしい行動をしていると思うが、米国人から見ると、ちょっと物足りないのだろうか。