「福島原発の溶融核燃料の取り出し開始までにはまだ6年はかかるだろう。」というショッキングなニュースがA9面に掲載された。
融解核燃料の取り出しは、現状の方法では困難な可能性が高く、新しい方法を考えねばならないかもしれない。それ以前に瓦礫の除去も必要で、その工数も考えると、融解核燃料の取り出し開始はかなり先にならざるを得ない。
それ以前に、汚染水の保管が限界になる。明確に書いていないが、浄水した上で、海へ流し出すことになるのだろう。
記事は、まず、溶融核燃料の取り出し開始は2020年になり、現段階ではどの様な方法で取り出すかすら分からないという、東京電力のショッキングな見解から始まる。
「原子炉の封じ込め容器は漏れている。それが意味するところは、封じ込め容器に水を入れられないということだ。水なしに放射性物質の拡散を防ぐことは困難だ。従って、核燃料の除去は現在のやり方では不可能だ。しかし、東京電力は遠隔操作のロボットが漏れを防ぐことにより、現在のやり方で対応可能と考えている。それでも、もし、ロボットを使う方法も駄目だった場合には、水の無い状況で核燃料を除去する新たな方法を考えねばならないと、東京電力福島第一プロジェクトチームの核燃料除去戦略マネジャーのムラノケンジ氏は言う。」
核燃料除去前に、汚染水への対応も大きな問題だ。
「東京電力は、政府と共に、発電所の下を流れる水が、地下水に流れ出すのを防ぐために、地下冷却シールドという未検証の手段を使うことを考えている。また、東京電力は、原子炉の近くのタンクに保管されている汚染水が増大することによるリスクを軽減することの出来る浄化システムの開発を急いでいる。」
そしてこの記事は、問題解決には、3つの段階を踏む必要があるとする。第一段階は、瓦礫の除去。これには10年かかり、500億ドルの費用が必要。第二段階は融解核燃料を含む危険な物質の除去。そして第3段階でようやく綺麗な土地が取り戻せる。
しかし、こうした作業は容易では無く、専門家は、チェルノブイリでやった様に、原子炉をコンクリートの壁や屋根で囲むべきだと言う。
東京電力のやり方では、時間がかかり過ぎ、結局汚染水を海に流しだすことにならざるを得ないので、チェルノブイリの方法を採用すべきと言うことか?記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「融解した原子炉の下を流れる地下水は、一日に400平方トンもの汚染水を生み出す。6日でオリンピックプールが満杯になる量だ。事故現場には、既に340,000平方トンもの汚染水が、1,000のタンクに保管されている。これだけの量を保管し続けるのは不可能だ。東京電力は放射性物質の除去をすることが出来る改良型水洗浄機の運用を開始する。」
福島から流れ出す汚染水は太平洋を渡って米国にもやって来る。汚染水を浄化して流す可能性がある点について、米国民は不安に思うだろう。