Friday, May 27, 2016

G7サミット開催地に選ばれた自然と文化に恵まれた地域【A9面(特別広告面)】

サミット初日の26日のWSJ紙面に、サミット開催地である三重県の広告が大きく掲載された。



1ページを全て使った大型広告だ。前半は、三重県の観光資源(伊勢神宮、海女、熊野古道、伊賀流忍者、鈴鹿サーキット)の他に、企業誘致を狙って三重県が産業とイノベーションのハブになっていることが紹介されている。後半は、サミットで取り上げられる議題を簡単に紹介し、安倍首相からのメッセージで締めくくっている。広告主は不明だが、三重県への観光客誘致と企業誘致を狙った内容となっている。

***** 以下本文 *****
「三重県の伊勢市と志摩市という2つの市は、東京の南西300ロ足らずの距離にありますが、伊勢・志摩という一つの地域としてかたられることが多いです。特に本日から始まるG7サミットの会場に選ばれてからはその傾向が顕著です。」
「伊勢・志摩は、素晴らし自然美に囲まれており、入り組んだ海岸線や多くの島々の素晴らしい景観、それを彩る森、川、荘厳とした紀伊山脈が自慢です。」
「三重県はまた神宮で有名です。そこには日本の守護神が祭られており、一年に8百万以上の人が参拝します。日本の首相が毎年1月上旬に神宮を参拝しスピーチすることが習慣になっています。」
「三重県の鈴木英敬知事は、『人種や宗教の壁を越えて、伊勢神宮は忍耐と寛容という世界観を体現しています。そのため、三重は日本人の心のふるさとと言われます。G7サミットで世界平和のメッセージを共有するのに本当に適切な場所です。』」
「伊勢神宮以外にも、三重には、訪れた方がやることや見るものが沢山あります。三重県には、ホテル、リゾート、スパ、ゴルフコースなどが県内至る所に点在しており、観光が大変に盛んです。伊勢・志摩は19世紀に日本で初めて真珠の養殖が行われた場所であり、今日でも主要な養殖地域です。伊勢・志摩はまた伝統的な海女のふるさとでもあります。海女はスキューバ機材や酸素ボンベ無しで素潜りであわびなどの貝類を採ります。」
「この地域には、沢山の神聖な場所や巡礼のルートがあります。なかでも熊野古道の伊勢路ルートの石畳の山道は、ユネスコの世界遺産に登録されています。」
「伊賀市と名張市は、有名な伊賀流忍者の発祥の地です。伊賀流忍者博物館は、侍映画のファンにとっては見逃せないスポットです。三重はまた世界的に有名な鈴鹿サーキットがあります。フォームラワン日本グランプリや鈴鹿8時間耐久レースなどはここで開催されています。」
「もちろん三重はまさにグルメにとっての食料品貯蔵庫です。ロブスター、あわび、カキなどの豊富な海産物に加え、有名な松坂牛があります。」

安全:主要な要素
「伊勢・志摩がサミット開催地に選ばれたもう一つの理由は、会場である賢島の志摩観光ホテルです。」
「賢島は、愛知県の中部国際空港から約60キロの南に位置し、海外からの訪問団にとってアクセスしやすい場所にあります、この0.7平方キロの小さなパラダイスには、サミット会場となるホテルや幾つかのヴィラが点在しています。賢島と本州との間は2本の橋だけでつながれており、サミットの様なミーティングに必要となる厳重な監視を取りやすい場所です。」

産業とイノベーションのハブ
「三重県は観光や遺産で有名です。しかしながら、多くの人は三重県が産業とイノベーションのハブとしての役割をもっていることをご存じないでしょう。多くの先進的なR&D研究所や石油化学施設、自動車や半導体企業が三重県をベースにしています。BASF, 日立、三菱、パナソニック、サンディスク、シャープ、東芝などの企業が三重県で重要な活動を行っています。」
三重県は世界でも最も革新的な企業を誘致したいと真剣に考えています。三重県は、研究、計画、新プロジェクトの開始などのプロセスを簡略化するワンストップサービスを提供します。2013年からは、三重県をアジアにおけるオペレーションのベースにした海外企業に対し、三重県がインセンティブを与えています。」
「『宇宙工学や先進素材などの成長産業を三重県に融資したいです。既に三重に進出している外資系企業の中で最大規模を誇る企業の一つにCABOT MICROELECTRONICS社があります。同社は三重県を先端素材の研究と製造のアジアのベースとして利用しています。』と鈴木知事は言う。」
「三重県には8つの大学と3つの工科大学があります。そしてそれらの大学から、イノベーションを支える高度なスキルを身に着けた労働力が輩出されています。日本経済研究所の第40期中期経済予測によれば、三重県は2025年までの県別の成長力予測でトップになっています。」

レガシーを創る
G7を開催することにより、三重県は、重要な観光と投資の候補地であるという認識をより多くの方々に持っていただけることを期待します。大和証券の予測によれば、観光の経済へのインパクトは、サミット開催後の5年で大きく伸び1,750億円に上るとのことです。」
「三重県は、より多くの方々にご訪問頂き、より多くの企業にこのユニークな地域に投資頂き、三重の伝統であるおもてなしと革新スピリットによって、レガシーを創りたいと思います。」
「こうした情熱は、二本足の住民ばかりでなく、四本足の住民の間でも共有されています。昨年、芝犬のマルは三重県の新しい観光大使に任命されました。彼は、この地位を与えられた最初の人間以外の動物であり、100ヶ国に200万人以上のインスタグラムのフォロワーがいます。県関係者は、今週開催されるサミットの準備をしながら、この可愛い犬がさらなる観光客を呼び込んでくれることに期待を寄せています。」


「今週、経済、政治のアナリスト達は、日本、特に伊勢・志摩で開催されるG7サミットに注目しています。安倍首相が議長を務めるこのサミットは、三重県の志摩市で今日から開催されます。」
2日間の会議では世界経済や外交政策など、7つの主要な議題がカバーされます。安倍首相は、ここ数週間に海外を訪問し、経済分野でのリーダーシップを示し、G7の首脳達に世界経済を強くするための財政出動を要請しましたG7は民主主義を信奉する先進国の非公式のグループでアメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国がメンバーです。一年に一回集まり、世界経済、安全保障、エネルギー問題などについて話し合います。出席者にはG7各国の首脳の他に、EUROPEAN COUNCILEUROPEAN COMMISSIONのトップを含みます。」

気候に関する討議
「討議が予定されているもうひとつの議題は、気候変動とエネルギーです。昨年12月のパリ天候会議(COP21)の後、195ヶ国が、地球温暖化を2度以内に抑えるための、罰則規定付の最初の条約を批准しました。この条約は、2020年に発効します。安倍首相は開発途上国の目標達成を支援するために1.3兆円を支出することをコミットしています。」
「また今年のサミットは、持続可能な開発のための2030アジェンダが採用されてから最初のサミットのなります。サミットの出席者は、貧困や飢餓の撲滅、世界平和の実現といった持続可能な開発の目標を達成するためにG7が果たすべき役割について議論します。」
「品質インフラ投資、健康問題勃発への対応、教育やSTEMによるエンパワーメントなどの女性問題などについても議論されます。
「更に、日本は、サミット開催と同じ日に、G7以外の国や国際組織の首脳を招いての拡大会議を開催します。」

安倍首相は楽観的

G7は世界に影響力がありますが、G7サミットは重要な結論を出すことが出来ないとみている人々もいます。しかし、安倍首相は楽観的です。重大な話し合いが持たれることでしょう。ドイツのメルケル首相との今月初頭の会談で、安倍首相は次の様に述べました。「私は、G7サミットが力強く明確なメッセージを送って欲しい。」