Wednesday, May 11, 2016

オバマは広島の原爆投下地点の訪問を計画【A12面(国際面)】

米国は5月10日にオバマ大統領の広島訪問について正式に発表したが、WSJはその翌日に速報した。



オバマ大統領は謝罪はしないものの、大統領が広島を訪問すること自体が謝罪と同じ意味を持つとしている。また、イランとの交渉やキューバとの国交回復に続くオバマ大統領の妥協外交だとしている。全体のトーンはこの訪問について批判的に読める。

*** 以下本文 ****
「オバマ大統領は今月末に広島を訪問し、原爆被災地を訪問する最初の現役大統領となる。ホワイトハウスを去る前に歴史的はあるが、様々な議論を呼ぶ外交行事になりそうだ。」
「アメリカは1945年に日本で最初の原爆を広島に投下した。ホワイトハウスの火曜日の発表によれば、オバマ大統領の広島訪問は、核拡散を防ぐための努力の重要性をアピールすることを意図している。また、この訪問は第二次世界大戦以降の日米関係の大きな変化を示すものだ。」
「オバマ大統領は70年前の広島と長崎への攻撃について謝罪はしないだろうとホワイトハウス高官は述べた。しかしアメリカの大統領が広島攻撃による犠牲者を慰霊することは謝罪をするのと同様の行為を意味することになるだろう。」
「『大統領はこの訪問を核兵器なき地球という彼の大きな目標についての前向きなサインを示すものにしたいと考えている。』とホワイトハウス報道官のジョシュアーネストは言った。『また、この訪問は日米関係の大きな変化を示すための機会でもある。』」
「アーネスト氏によれば、オバマ大統領は謝罪はしないものの、アメリカが核兵器を使用した唯一の国として核兵器廃絶の取り組みをリードしていく責任があることもしっかりと理解している。」
「ホワイトハウスの発表は世界中の注目をを集め、オバマ大統領と同行予定の安倍首相も歓迎した。」
「しかし、イランとの核交渉やキューバとの国交回復といったオバマ大統領の2期目の外交政策と同様に、広島訪問は、オバマ大統領の批判者からアメリカの妥協外交とみなされるだろう。」
「安倍氏はG7サミット後に予定されているこの訪問について歓迎の意向を示した。オバマ氏が原爆投下について謝罪すべきかどうかと質問をされて、安倍首相はその必要はないと思うと答えた。」
「安倍首相は、重要なことは両国のリーダーが一緒に被災地を訪れることであり、また、原爆の影響を自分の目で見ようと言う大統領の決断にあると述べた。」
「『私はこの訪問を日本とアメリカが共に、全ての犠牲者を哀悼する機会としたい。』と安倍首相は述べた。」
「ニューヨークでは国連の高官がこの訪問について賞賛した。『我々はこの訪問が核廃絶に向けた重要なメッセージになることを望みます。』と国連報道官のステファン・デュジャレフ氏は述べた。」
「オバマ大統領は2009年に日本を訪問した際に、広島訪問の意向を最初に表明した。」
「91歳のツボイスナオさんは原爆被災者であり、長い間広島で核兵器反対運動を率いてきたが、NHKの取材に対して喜びを表明した。『オバマ大統領の訪問を本当に喜んでいます。オバマ大統領には、核無き世界の実現に向けて努力をしてほしいと思います。』と彼は述べた。」