Thursday, May 19, 2016

日本の経済回復は、景気刺激策に悪影響を与える。【A9面(国際面)】

518日に発表された日本の第一四半期のGDPについて、翌19日に速報した。


GDPは増加したが。これにより安倍首相は大規模な景気刺激策と消費増税の延期を実施する理由を失ってしまったとしている。実態経済は、GDP数値が示すほどは回復しておらず、こうした状況の中で、安倍首相が思い切った政策を実施出来ない状況は、日本経済にとって佳くないと言っているように読める。

***** 以下本文 *****
「日本は水曜日に第一四半期に経済が成長したと発表したが、この発表は金融緩和政策を目指す政治家にとっては悪いニュースだ。この発表は、経済の下支えが十分であることを示していないにも関わらず、大きな景気刺激策を導入することの政治的必要性を低下させるからだ。」
GDPは年率換算で1.7%増加したが、エコノミストは経済回復が軌道にのっていると結論づけることには警戒感を示している。エコノミストたちによれば、この結果は、その前の四半期が下方修正されたことと、2月がうるう年で消費者支出が水増しされたことが原因だとしている。」
「日本経済に刺激を与え、ここ数年にわたる不況から脱却させるため、安倍首相は、大規模な景気刺激策と消費増税を遅らせることを考えているが、首相のアドバイザーによれば第一四半期のGDP発表はそういうタイミングで発表された。過去3四半期のうち2四半期で経済が縮小するなど、何か月にもわたって日本経済を取り巻くデータは弱さを示しており、このことが安倍首相のそうした政策実現への期待を高めていた。
「みずほ証券のエコノミストであるスエヒロトオル氏によれば、最新のGDP数値はこうした状況を複雑にしている。日本の負債を批判する人々に安倍首相の政策に反対する理由を与えるからだ。『成長の実態は見かけほど良くないにも関わらずだ。』
2012年に就任した安倍首相の下、日本の政治家たちは、中央銀行の資産購入、公共投資の強化などの戦略によって経済にお金を投入することを通じて、消費者や企業にもっとお金を使う様に説得してきた。政治家たちは、こうした政策により、支出の好サイクルが出来ることを期待していた。この期待はいままでのところ思った様にいっていない。」
「多くのエコノミストたちは、計画が予想した通りうまくいかず、経済がリセッションに落ちこんでいる理由を。2014年の消費増税に求めている。消費者支出はいまだに完全にはもとに戻っていない。計画されている消費増税は、日本の社会保障制度を維持し、世界でも最も高い水準にある国債の重みを減らすための努力の一環だ。安倍首相は、既に一度、2度目の消費増税の導入を遅らせているが、その時には、リーマンショックに相当する様な経済危機が来ない限り、来年には増税を実施すると約束した。」
「日本のメディアは、安倍首相は増税を遅らせる決断をしたと伝えた。安倍首相や政府高官は、こうした報道を否定した。」
「石原伸晃経済財政政策担当大臣は水曜日に、労働市場や賃金は改善しているので、経済は次第に回復してくるとみていると語った。『消費税を予定通りに上げることの出来る経済環境を作り出すことが私の仕事だ。』と彼は言った。」
「安倍首相も今年の後半に財政刺激政策の実施を考えている。安倍首相の側近である本田悦郎氏は先月実施したインタビューで10兆円(910億ドル)の支出を求めた。本田氏によれば、アベノミクスが新しい段階に入っており、そこでは財政政策の役割はそれほど大きくない。」
「スエヒロ氏によれば、中国経済の減速、円高、先月の熊本地震の影響で、経済は第二四半期に再び減速する見通しだ。第一四半期の成長は、住宅支出と政府需要が予想以上に高かったことによる。それぞれ、四半期換算で、0.5%0.7%伸びた。しかし、BNPパリバのエコノミストたちは、2月のうるう日が無ければ個人消費はほぼフラットだっただろうと述べた。
企業支出は弱いままだ。