Thursday, May 12, 2016

原爆の生存者はオバマの訪問を支持【A8面(国際面)】

ホワイトハウスは510日にオバマ大統領の広島訪問を発表したが、WSJ12日の紙面で、原爆の被害者たちがこの訪問を支持しているとの記事を掲載した。


被害者たちは、オバマ大統領の謝罪を強く望んでおらず、むしろオバマ大統領が核なき社会の実現に向けて世界にメッセージを発信することを望んでいるとしている。

***** 以下本文 *****
1945年のアメリカによる原爆投下の生存者たちは、今月末に広島を訪問するというオバマ大統領の決断を受け入れると述べ、こうした動きが核の拡散を防ぐとして期待を示した。」
「『出来れば、オバマ大統領には原爆の犠牲者たちと会って、直接話を聞いてもらいたい。』と生存者のひとりであるヤマダレイコは水曜日に語った。」
82歳のヤマダさんによれば、彼女は194586日に最初の原爆が投下された時、校庭にいた。突風が彼女を襲い、彼女は避難所へと走った。」
「『私は多くの死体を見ました。子供を亡くした親たちがいました。そしてその日以降2度と親にあうことのない子供たちがいました。』と彼女は語った。『私はオバマ大統領が今回の広島訪問を2度とこの様な悲劇をくりかえさないと誓う機会にして欲しい。』」
「ホワイトハウスは、火曜日に、オバマ大統領が広島を訪問する最初の現役大統領になると発表した。オバマ大統領は、日本の伊勢で開催されるG7サミットに参加した後、527日に広島に到着する予定だ。」
「広島は最初の原爆の標的で、第二次世界大戦の終結間際に何万人もの人々が原爆で殺害された。数日後、アメリカは長崎にも原爆を投下した。日本はその後すぐに降伏を宣言し、戦争は終結した。」
「オバマ大統領は、今回の訪問において、原爆の使用について謝罪はしないだろう。しかし、原爆無き世界の重要性について協調することになるだろうとホワイトハウス高官は述べた。」
「広島を訪問するという大統領の決断は、アメリカでは様々な議論を呼んでいる。広島の訪問は、オバマ大統領の批判者から、謝罪をしアメリカの国力を弱める一連の動きの最新のものとみなされるかもしれない。」
「日本には、原爆投下は行き過ぎで、不必要な死者や破壊をもたらしたとして、アメリカの謝罪を長い間求めてきた人々がいる。」
「日本の安倍首相は火曜日に、謝罪は不必要としながらも、この訪問を日米両国が原爆で犠牲になった全ての人々に哀悼をささげる機会にしたいと語った。」
「ヤマダさんはオバマ大統領の訪問は、原爆の使用について謝罪をすべきかどうかの問題にすべきではないと言う。」
「『謝罪よりも、核兵器無き社会を作るという誓いを述べることが、より重要であり喫緊の課題だ。』とヤマダさんは語った。」
「長崎の原爆の生存者であるハルタヨシヒロさんも同意見だ。」
「『謝罪があるに越したことはないが、そういうことはあり得ないだろう。』と81歳のハルタさんは言う。ハルタさんは、東京の近くにある千葉をベースにした原爆犠牲者団体を率いている。」
「『むしろ私は、大統領が世界から核兵器を根絶するための具体的な方策について話しているところを見たい。』とハルタさんは語った。」
「韓国では、幾つかの新聞の編集者が、35年間にわたる朝鮮半島の植民地化を含む、日本の戦時中の侵略に関する未解決の問題を持ち出して、オバマ大統領の広島訪問に反対を唱えている。」
「しかし、韓国政府は、オバマ大統領の決断に反対しないことを示唆している。」
「『オバマ大統領の決断は、核兵器を持たずして、世界に平和と安全を持ち込もうという彼の強い意志に基づいていると理解している。』と韓国外務省高官は語った。」