Saturday, May 28, 2016

日本の安倍は増税の先延ばしを示唆【A5面(国際面)】

安倍首相は、消費税引上げ先送りを正当化するためにG7サミットを利用したという記事が、528日の国際面に掲載された。

安倍首相は、G7で悲観的な経済予測の持論を展開したが、それはG7首脳と合意に至らなかったばかりか、G7を消費税率引上げ先送りの口実にするためのジェスチャーだとして野党の批判を浴びている。様々なデータはアベノミクスがうまく言っていないことを示しているし、消費税増税を先送りしようとしていること自体がアベノミクスの失敗を意味していることを紹介。安倍首相は「アベノミクスが成功しているが、消費税率引上げを先送りする。」という無理なロジックを捏造するために、G7を利用したと言っている様に読める。


***** 以下本文 *****
「今週、安倍首相は、G7首脳を説得して、世界は経済危機の可能性に直面していることを認めさせようとしたが、失敗に終わった。そして、仕方がないので自分自身で警告を発した。」
「安倍首相の悲観的な経済展望は、予定されている消費税の引き上げを更に遅らせるためのドアを開くことには貢献した。金曜日に安倍首相は初めてその可能性について触れ、G7が成長を促すことをコミットしたことを受けてのことだと語った。」
「安倍首相はこの1年以上、世界が2008年のリーマンショックや世界恐慌の様な状況に直面しない限り、予定通り来年消費税を引き上げると約束してきた。」
G7は、その声明で、世界経済が直面するリスクは増大していると警告したが、協調した財政出動については触れなかった。その声明を受け、安倍首相は、中国や発展途上国における経済の減速、コモディティ価格の長期にわたる停滞などを、経済危機を招く要因としてあげた。」
「適切な政策が選択されない限り『世界経済は危機に陥るリスクがあります。』と安倍首相は述べた。『リーマンショック時に匹敵する価格下落が起きています。その結果、その成長をコモディティや原料の輸出に依存している発展途上国の経済は打撃を受けるでしょう。』」
G7によるより暗い見通しや金融緩和、特に協調して行われる金融緩和は、それが声明に盛り込まれていれば、安倍首相にとって、『10兆円910億ドル)規模の景気刺激策への反対派』への反論の材料になっていただろう。反対派は、経済規模との比較において世界最大規模となっている国債発行残高の問題に取り組むべきと強調する。」
「一方で、もし安倍首相が消費税増税延期と景気刺激策を実施すれば、彼が政権について3年以上経過した現在においても、彼の政策であるアベノミクスがうまくいっていないことを暗黙のうちに認めることになるだろう。」
「金曜日の記者会見で安倍首相は、彼の任期中に増大した雇用数などの事例をあげ、『アベノミクスは失敗していない。』として自分自身を擁護した。」
「その記者会見の日には、最新の悪いニュースが入ってきていた。政府が、4月の生鮮食品を除く消費者物価が0.3%下落したと発表した。3月も同様の数値だった。2のインフレを達成するという日銀の目標は、アベノミクスの重要な目標であるが、4月の消費者物価を見る限り2013年初頭にこの目標が設定された時と同様に、達成が非常に難しい状況にあることを示している。」
安倍首相が約束した継続的で強固な発展は未だに実現していない。日本経済は第一四半期に年換算で1.7%成長したが、その前の3四半期のうち2四半期で経済は縮小した。」
2014年に実施された消費税の5%から8%への引き上げは、安倍首相の任期の始めに約束された経済回復がうまくいっていない主な理由とされている。消費者支出は未だに完全に回復していない。エコノミストの中には、次の消費税増税への不安が、既に消費者は支出を減らす傾向を生み出していると主張する者もいる。」
「安倍首相は7月に予定されている参議院選挙までには、消費税の取扱いについて決断をするとしている。」
野党のメンバーは安倍首相の悲観的なトーンに驚きを示しており、危機を捏造しているのではないかと疑っている。」
「民進党の岡田克也代表は、安倍首相の理論についていけないとした上で、『安倍首相はG7ミットを、消費税増税延期の口実に使おうとしている。』と記者会見で述べた。

SMBC日興証券のエコノミストであるマルヤマ・ヨシマサ氏は、安倍首相の主張に困惑している。『予測言う近い将来のリーマンショック相当の危機が起こるという安倍首相の予測は極めて懐疑的だ。』」