Friday, May 27, 2016

G7首脳は世界の成長加速の手段について一致せず【A7面(国際面)】

5月26日に開催されたG7サミット初日の結果について、WSJは27日の国際面で速報した。


各国は、経済が危機的な状況にあることについては共通の理解を共有したが、それに対して協調して対応することには合意出来ず、各国がその状況に応じて最適な対応をすることで合意したと報じている。

***** 以下本文 *****
「先進7ヶ国の首脳は、世界経済を再び成長軌道にのせる方法について重点的に話し合ったが、成長へのリスク認識とそれに対する対処方法については一致した見解が得られなかった。」
「オバマ大統領は、『G7首脳は木曜日の会議において、大変に意味のある時間を持つことができた。世界経済と成長の加速を継続させる必要性ついて議論した。』と述べた。」
「オバマ大統領は、米国で見られる経済回復と、欧州におけるいくらかの成長について指摘し、ギリシャの負債危機について合意できたことが助けになるだろうと述べた。」
「オバマ大統領によれば、G7首脳は、保護主義、通貨切下競争、近隣窮乏化政策は全ての国々の状況を悪くするだけの場合が多いので、そうした政策を取らないことの重要性を強調した。」
「『それぞれの国が、その国特有の必要性や能力に基づいて、成長を確実に加速させることに引き続き努力することで合意した。』とオバマ大統領は述べた。」
「G7各国の政治家はここ数ヶ月、成長を加速するために、財政政策、構造改革、米国、欧州、日本で既に実施されている超金融緩和政策を協調して実施していく必要性について強調してきた。そうした動きにより、サミット期間中に協調した財政政策について合意するのではないかとの期待が高まっていた。」
「日本と米国の政府関係者は、先週のG7財相会談を含め、ここ数ヶ月の間、日本が最近の円高を阻止することが出来るか否かについて、激しい議論を続けてきた。日銀の政策による急激な円安は、安倍首相の成長戦略の重要な要素だ。しかし、円は今年になって緩やかに円高へと振れている。」
「安倍首相は、サミットの議長として、木曜日に世界経済について暗い見方を示し、経済『危機』について警戒すべきと述べ、G7メンバーによる協調した財政政策を提唱したが、ドイツなどからの抵抗にあった。」
「『我々は、世界経済は深刻なリスクに直面しているという共通に理解に至った。』と安倍首相は述べた。安倍首相は詳細については述べなかったが、日本の政府関係者によれば、中国経済の減速、米国の金利引上げの見通し、不安定な金融市場などがリスクとしてあげられた。」
「オバマ大統領によれば、G7首脳は、今年中にTPPについて合意することにもコミットした。首脳たちは、サミットの残りの時間を、南シナ海、ウクライナでの暴動等、安全保障の問題について費やす予定だ。」