日本の第二四半期のGDP成長率がマイナスだったいうセンセーショナルなニュースを1面で速報した。
この記事は次のような書き出しで始まる。
「日本経済は、消費税増税以降、二期連続でマイナス成長となり、安倍首相の日本経済を再生の世界的な見本としようとする取り組みに、冷や水を浴びせることになった。」
「安倍首相は、世界第三位の経済大国を20年間にわたる不況から脱却させるために尽力したが、今週、来年に予定されている消費税増税の延期と12月の総選挙を発表するだろう。」
長い記事なので、暫く要約する。
第二四半期のGDPは、前期のマイナス7.3%に続いてマイナスで、実にマイナス1.6%だった。これは、日本が不況に陥ったことを意味し、安倍首相が取組まねばならない課題の大きさを物語っている。WSJの18人のエコノミストへの調査では、マイナス成長を予測した者はおらず、平均はプラス2.25%だった。民主党の枝野幹事長は、「アベノミクスは限界に来たと自信を持って言える。」と語った。
このマイナス成長は、消費税を4月1日に5%から8%に上げたことにより、消費者心理が冷え切ったことによる。例えば、個人住宅投資は、第二四半期に年換算で24%縮小した。安倍首相の側近は、第二四半期の成長率が良くない場合、消費増税を18ヶ月延長することを先週示唆。また、日本のメディアは総選挙が12月14日に実施されると語った。
選挙になれば、自民党の圧勝が予測されていたが、日曜日の沖縄選での惨敗に加えて、第二四半期のGDP数値が予想以上に悪かったことは、野党を活気付かせている。
米国、欧州、日本は、いずれも、緊縮財政重視が成長戦略重視かという、厳しい戦略を迫られている。消費税増税時期を遅らせたことにより、安倍首相は、成長戦略重視の戦略を選択したことになる。米国政府関係者は、このことを歓迎している。
この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「多くのエコノミストはこの先は明るいだろうと見ている。7~9月期には企業が在庫を圧縮しており、最悪の時期が過ぎたとみているのだ。『我々は、経済は緩やかに回復に向かっているとみています。』と野村證券のエコノミストのキノシタトモ氏は語る。『この先の経済について悲観的になる理由は全くありません。』」
第二四半期の数値は、予想をはるかに越えて悪かったが、そう悲観的にならなくて良いと言っている様に思う。