11月10日に日中首脳会談が実現したが、WSJはその3日前の7日に両首脳会談の可能性を国際面で報道した。
この記事は次の様な書出しで始まる。
「アジア太平洋地域のリーダ達が年に一回のサミットのために北京に集まるが、一つの重要な成功の指標はアジアの2大経済大国が、冷え切った関係から脱却し、関係を正常化できるかだ。」
「北京と東京の役人達は、この数週間、11月11~12日に開催されるAPEC会合の傍らで、習近平主席と安倍晋三首相の打合せを設定するためにマラソン協議を続けた。設定されれば、両首脳が2年前にその地位に以来、初めての会談となる。」
長い記事なので暫く要約する。
両首脳の協議が大きな外交的進展をもたらすと考えている関係者はほぼいないが、握手をするだけでもすごいことだと考えている。この2年間、この2国は領土や第二次世界大戦時の歴史認識でもめ、空や海で危険な遭遇がさらに関係を悪化させた。米国も両首脳の会談を良いことだと受け止めている。
こうした関係悪化は、経済にも影響を及ぼしている。日本の2014年1月~8月の中国への直接投資は、前年比で43%も落ち込んだ。安倍首相は、会談で海洋上での有事への対応について討議したいと言っているが、最近の珊瑚密漁事件と考えるとこうした議題は重要だ。
ここ数週間、中国と日本の冷え切った関係に、雪解けの様相が見えていた。それにも係わらず、中国国営放送は、両首脳の会談に冷や水を浴びせて、日本の関係者を困惑させている。
新華社通信は、日本の3人の閣僚と100人を超える国会議員が、先月靖国神社を訪問したことを例にあげ、挑発行為を行ったとして日本を批判した。
安倍首相は、中国と対立している多くの国を訪問して、外交的成功を治めている、中国との関係も改善したいと考えている。
この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「中国外務省の報道官は、木曜日、習氏と安倍氏の会談が実現するかと尋ねられ、日本が誠意を見せ、両国環形を悪化させている政治的な障害を取り去るための具体的な行動をとることが重要だと述べた。」
「特に、北京は、東京が日本で尖閣諸島、中国でDiaoyuと呼ばれている東シナ海の諸島について、争いがあることを認めることを強く求めている。東京は、同諸島の主権を主張し、争いは無いとしている。」
真偽の程は、別として、韓国当局は会談実施まで、両首脳の会談を知らなかったという。それに比べて、WSJは3日前に両首脳会談の可能性を取り上げた。同紙の取材力の高さと、日中関係への関心の高さを感じる。
「