Saturday, May 31, 2014

** 5月のまとめ **

5月は、ウォールストリートジャーナルに日本に関する記事が18件掲載された。1月が12件、2,3月がそれぞれ20件、4月が23件だったので、まあ、平均的な回数だった。

テーマ別では、政治関係が4件、経済関係が5件、社会関係が9件で、政治、経済のお堅いニュースばかりでなく、様々な分野でのニュースが掲載された。

今月、最も話題になったのは、トヨタの北米本社移転のニュースだろう。5月1日の第一報に続いて、2日、3日と2日連続で社説で取り上げ、カリフォルニア州の対応について批判を繰り返した、14日には、カリフォルニア州がビジネスフレンドリーではないとする専門家の意見も掲載、この問題に対する関心の高さを示した。

原発問題についても関心が高い。17日には福島第一原発への地下水流入を防ぐために凍土壁を構築するというニュースを詳しく伝え、この問題の解決の難しさを印象つけた。更に22日には関西電力大飯原発再稼働却下の判決を速報している。5日に東京を襲った地震についても速報している。

また、8月11日が山の日という祝日なったことや、切られ役俳優の福本清三が太秦ライムライトという映画の主役に抜擢されたことなど、日本の面白い側面を、一面下のコラムで取り上げた。

政治関係では、5月末にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議で、中国と日米が激しい批判の応酬を繰り返したことを連日(30,31日)詳しく報道し、中国批判をより一層強めている。また、安倍首相が集団的自衛権の行使容認の方針を示したことを16日に速報、27日には安倍首相のインタビュー記事を掲載し、彼の積極的外交路線を詳細に紹介している。同紙は、安倍首相の政治姿勢について、対中強硬姿勢は支持しているが、ロシアとの対話継続路線については複雑だ。

経済関係では、消費増税の影響についての関心が高い。早くも2日には4月の速報値をベースに「影響が想定内であった。」ことを伝え、21日には続報を伝えている。また、15日には消増税前の駆け込み需要で、1月~3月期のGDPの伸びが順調であったことも伝えている。
一方で、金融、財政にばかり依存して、抜本的構造改革を怠るアベノミクスのほころびについても報じている。31日には雇用状況は上辺の数値程良くないことを報じ、24日には安倍首相に構造改革を迫る黒田日銀総裁へのインタビュー記事を掲載した。
24日にに黒田日銀総裁、27日に安倍首相のインタビュー記事を相次いで掲載したのだが、前者は1面扱い、後者は7面(国際面)扱いと、安倍首相に批判的な黒田日銀総裁の扱いの方が上なのが面白い。

掲載箇所では、1面が3回、国内面が1回、国際面が11回、社説・意見欄が3回だったあ。
一面を飾ったのは、黒田日銀総裁のインタビューの他に、コラムに取り上げられた山の日と切られ役俳優。
社説・意見欄を飾ったのは、全てトヨタの北米本社移転。やはり、5月はこのニュースが最大のハイライトだった。