Friday, February 14, 2014

日本が韓国から学ぶべきこと【A14面(社説)】

日本は韓国の最近の経済的成功から学ぶべきだという記事が社説(A14面)に掲載された。

ビジネスの第一線で韓国勢の奮闘振りを目の当たりにしているものとしては、確かに韓国はよくやっていると思うし、記事で指摘されている点も、概ね当っているとも思う。それでも、細かい点にケチをつけたくなるのは、韓国勢にやられていることが悔しいからか。

「最近の発展途上国における混乱の最中にあっても、韓国は常に例外である。韓国中央銀行は木曜日に利率を据え置くことにしたが、投資家の中にまゆを吊り上げる人はいない。ここに安倍首相が学ぶべき点がある。」

記事は、金融緩和策によって景気回復をはかる日本とは対照的に、韓国は金利据え置きを継続していることを伝え、それにも係わらず、2013年10~12月期の前年からの経済成長率は3.9%と過去3年間で最高であること等、韓国経済が好調であることを詳細に伝えている。

また、ウォンも2012年に比べて、9%も切り上がっているにも係わらず、韓国経済は好調で、円安によって輸出を増やすという安倍政権のアプローチとは、対照的であることしている。ウォン安でもサムソンをはじめとする韓国勢が好調な理由の一つに品質の追求があるとする。先進国は価格よりもイノベーションを重視するので、日本の様に円安で日本製品の価格を下げるのは、正解にはならないということらしい。

また、国内の圧力団体に気を使ってなかなか貿易自由化が進まない日本を尻目に、韓国がどんどん自由貿易協定をEUや米国と結んでいること、そうすることによって規制に守られてきた国内産業が国際競争にさらされ強くなることを詳細に報じている。

「韓国は、日本に比べて、自由貿易を推進することについて、素早いし、熱心だ。ウォン高にも耐えようという意志が感じられる。そして、国内の改革、特に古い慣習の排除とサービス分野の自由化の推進にコミットしている。一方、安倍首相は、TPP参加を推進しているものの、それ以外では、旧来のままだ。安倍首相の景気回復プランは、円安誘導や旧来のままの景気刺激策で構成されている。また、個人消費の喚起よりも企業投資を呼び込むこに重点をおいている。」

「韓国は、まだまだ経済面において改革を進めねばならないことを、韓国の役人も認めている。それでも、彼らは最近の成功に勇気付けられているし、政治的な支援も得られる。韓国は、戦後の日本の輸出誘導型モデルを見習って、工業化を進めてきた。多分、いまや以前の先生が、以前の生徒から学ぶ時がきたのではないか。」

日本は韓国から学ぶべきという結論は、ちょっと悔しく、アメリカの人には言われたくない、余計なお世話だとも思う。そもそも、この社説は誰に向けて書かれているのかとも思う。
しかし、アメリカは日本経済が絶好調の時に、日本の成功の秘密を徹底的に学んで、その後、更なる成長を遂げた。日本も謙虚に韓国の成功に学ぶべきだという指摘には、耳に痛い側面もある。