7月にWSJに掲載された日本関係の記事は15件と、2月と並んで今年最も多い掲載数となった。
ここ数ヶ月、日本関係の記事、特に政治関係の記事の掲載数が少なく、「これは、安倍首相が仕事をしていない(野党やマスコミの追求で仕事が出来ない。)ことの裏返し。」だと指摘してきたが、この1ヶ月は野党やマスコミの狙い通り、安倍首相の支持率が急落し、政治が劇的に動いた。
「7月2日の東京都議会議員選挙で自民党が惨敗」「翌週実施された各種世論調査で安倍政権支持率が急落」「24,25日には国会の閉会中審査で安倍首相が追求を受け」「27日は蓮舫民進党代表が、翌28日には稲田防衛大臣が辞任」と、日本のマスコミ同様、WSJも激動の1ヶ月を詳細に追った。
日本のマスコミと異なる点は「日欧経済連携協定の大筋合意(社説も含め3回掲載)」や「日米印合同軍事演習」など、安倍政権の成果も詳しく報道している点。日本のマスコミがこうした成果を大きく伝えないのは何故だろう。
テーマ別では、政治関係が8件、経済関係が3件、社会関係が4件だった。
政治関係の8件は上述の通りだが、経済関係では、「7月3日に発表された『日銀短観』で景況感に大きな改善が見られたこと」「21日の『日銀金融政策決定会合』で日銀がインフレ達成時期を先延ばししたこと」「28日に財務省が冷凍牛肉へのセーフガード発動を発表したこと」を取り上げた。
日銀短観、日銀金融政策決定会合については、WSJは常に速報している。セーフガードは、米国への影響が大きいのか、詳細に報道した。
社会関係では、「6月30日に東電元幹部3名に対する刑事裁判初公判」「日本の高齢者の労働実態」「九州北部豪雨」「米駆逐艦衝突事故の続報」の4件。
WSJは、福島原発事故のついては追跡報道しているし、九州北部豪雨の様な自然災害についても取り上げることが多い。日本では65才以上の実に23%が働いているとする高齢者の労働実態の記事は力作だった。
掲載箇所では、社説が1件、国際面が14件だった。