Thursday, April 30, 2015

** 4月のまとめ **

4月にWSJに掲載された日本関係の記事は15件だった。2015年としては最多。2014年の平均とほぼ同じ。但し、4月13日以降の18日間で14件と、後半に偏っている。特に安倍首相が米国に入った4月26日の翌日からは連日日本の記事が取り上げられており、一国の首相が海外を訪問する重要性を改めて感じた。

テーマ別では、政治関係が7件、経済関係が7件、社会関係が1件だった。
政治関係では、「教科書検定」「統一地方選挙」「翁長知事・安倍首相会談」「日中首脳会談」「訪米を前にした安倍首相紹介」「日米新ガイドライン」「日米首脳会談」のの7件。安倍首相が、翁長知事、習近平主席、オバマ大統領らと精力的に首脳会談をこなしてる姿が描かれ、教科書検定や日米新ガイドラインなど、安倍首相の強いリーダーシップで実現しているものも多く報道されている。一国のリーダーが動けば、日本の報道も増える。WSJは、安倍首相の政策には前向きな評価が多いが、歴史問題に関する曖昧な態度は、せっかくの良い政策をだいなしにしていると忠告している。

経済関係では、「日本が米国債保有残高1位の地位を奪還」「TPP」が4件、「日本の月間貿易収支が3年ぶりに黒字」「ソニーの変革」の7件。安倍首相の訪米をきっかけに、TPPに関する報道が急増した。これまでWSJはTPPにはあまり関心が無かったが、AIIBで中国に主導権を奪われたことにより、TPPがうまくいかないと自由貿易の枠組みでも中国に主導権を握られかねないというあせりが滲み出る。

社会関係では、「高浜原発稼働再開禁止仮処分」いつもながら、WSJは原発問題に関心が高い。

掲載箇所では、1面が3回、国際面が12回だった。
1面を飾ったのは、「日本が米国債保有残高1位の地位を奪還」「訪米を前にした安倍首相紹介」「ソニーの変革」の3件。特に、後者2つは大きなスペースを割き、内容から見ても力作だ。安倍首相の訪米については、オバマ大統領との首脳会談、議会での演説共に、国際面での扱いで、残念ながら一面では取り上げられなかった。首脳会談の翌日の1面を飾ったのは、安倍首相では無く「ソニーの変革」で、今更ながらソニーのブランド力の凄さを思い知らされた。