Monday, April 27, 2015

米国と日本は通商条約へのハードルを引き受ける【A10面(国際面)】

安倍首相のワシントン訪問を前にしてのTPPの交渉状況について、国際面で報道した。



日米両国は、最大のハードルである市場アクセスについて、まず日米間で合意し、それを他の10ヶ国にも広げようとしているが、これがそれ程容易ではないとしている。更に米国議会の賛成を取ることが困難なこと、米国内でも自動車業界は批判的で農業生産者は肯定的であるなど業界によってスタンスが異なることなど、合意に向けて越えねばならない幾つものハードルを整理して伝えている。

***** 以下本文 *****

この記事は次の様な書き出しで始まる。
「米国と日本は、経済的なライバル国の間の関係を変革し、太平洋の12か国の間の通商条約の締結に道を開くための条約の締結が近いとしているが、未だに差異にも直面しており、他の国々を引き入れることや、議会を見方につけることにも苦労している。」
「安倍晋三首相は、バラク・オバマ大統領との会談のために今週ワシントンを訪問するが、アメリカの関係者はここ数日今週何らかの決定が行われるという期待を鎮めるのに苦労してきた。両方の経済にとって大きな影響を与える問題についての大きな差異を埋めるという重要な仕事が残っているのだ。」

長い記事なので暫く要約する。
アメリカと日本は21ヶ月も交渉してきたが、日本の農産物とアメリカの自動車部品という難しい問題が残されている。日米はまず、市場アクセスについて合意し、他の10ヶ国にも同様にそれを合意させたいと考えている。TPPには市場アクセス以外にも道路、労働権、知的所有権、医薬品商標権等の難しい問題が含まれている。
2国間の合意が近くなるにつれ、どうやって他の10か国を引き入れるかについて関心が移りつつある。議会がもう一つの障害だ。議会は外交政策でオバマ氏と対立しているし、通商問題では強い権限を持っている。TPP加盟を表明している大国は、ファストトラック法案が可決されない限り大きな譲歩には応じないとしている。
TPPの正式交渉が開始される前に、両国の関係者は、日本が牛肉と保険の障壁を低め、米国が車に対する2.5%の関税を取り払うことに合意した。
日本の自動車メーカーは喜んだが、デトロイトの自動車メーカーは、批判的だ。確かに日本の車に関税が課されないことになるが、米国自動車部品への関税はより早い時期に撤廃される。オバマ大統領は自動車業界に不利な通商条約を通すはずがないとしている。しかし、アメリカから日本へ輸出される自動車部品は20億ドルだが、日本からアメリカへ輸出される自動車は500億ドルにものぼる。
一方、農産物はアメリカにとって有利だ。

この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「日本の伝統的な農業は関税ともし低価格で売られたり、大量に販売されたりする場合には思い税金を課すという規則に守られてきた。」
「アメリカの豚肉生産者は国家間の合意の最も大きな受益者だ。そして、多くの農業団体が、TPPへの近道としてファストトラック法案の可決を支持している。」