安倍首相訪米を総括する記事が国際面に掲載された。
安倍首相の米国上下院でのスピーチを絶賛すると同時に、彼のスピード感溢れる行動力も賞賛している。さすがに習近平国家主席も、安倍首相のスピードについて行けず、中国はその政策推進において後手に回っているとしている。
***** 以下本文 *****
「日本の安倍晋三首相は、その庶民的な魅力、キャロル・キングのラブバラードの郷愁あふれる引用、パールハーバーへの反省などにより、アメリカ上下院において最高のパーフォーマンを行った。」
「『アメリカは素晴らしい国です。』彼は、若い時にアメリカを訪問して驚いたことを引き合いに出した。彼は、スピーチの練習をした。彼のスピーチは、内容、トーン共に、昨年オーストラリア議会で行ったものと似ていた。そのスピーチは、文化への共感と戦争への反省という意味で、見本となるものだと賞賛された。」
長い記事なので暫く要約する。
安倍首相は、インドの憲法記念日に招待された最初の日本の首相だったが、今回も米国の上下院双方に対して演説をする最初の首相だった。この様に安倍首相は、止まることなく、前へと進んでいる。ライバルの中国でさえ、そのことは認めざるを得ない。習近平国家主席もここ数ヶ月で2回も会っているのだ。
安倍首相にとって、唯一予定通り進んでないのが、慰安婦問題で冷え込む、韓国との関係だろう。これは、米国にとっても問題だ。
一方、中国は、東・南シナ海の支配を強め、スリランカ、バングラディッシュ、パキスタンに港を築いてインド洋への影響も強め、AIIBでアジア諸国へ資金援助も約束している。そうした努力にもかかわらず、中国は、アジアにおけるアメリカの同盟国をアメリカから引き離すことには成功していない。
まず、中国は、同国を東アジアの大国として認める様に迫ったが、日本とインドが抵抗し、アメリカはそれを認めていない。第二に中国は、アジアの比較的小さな国、例えばフィリピンやベトナムに、アメリカを信用するなと迫ったが、アメリカはこれらの国との防衛連携を強めることにより、中国のこうした動きは成功していない。第三に中国は、米日関係のもろさも試そうとして、尖閣諸島の領有権を主張したり、ADIZを設定したりしたが、今回の安倍首相訪問に見られるように、米日関係はむしろ強まっている。
戦争の問題は、安倍首相にとって難しい問題だったが、今となってはそれ程でもない。安倍首相は今回の演説で、米国の戦死者に対して深い悔悛の意を表明し、これまでの日本の首相が表明した謝罪を支持すると述べ、米国から一定の理解を得たからだ。
この記事は、次の様なコメントで締めくくられている。
「しかし彼は『慰安婦』の扱いについて彼自身の言葉で謝罪しなかった。」
「それでも、安倍首相はワシントンで彼には言葉で解決する途があることを示した。ダートマス大学のジェニファー・リンダ教授は彼のスピーチで『日米間の和解の歴史における、画期的出来事』と述べた。」