Friday, May 22, 2015

日本はアジアの大型プロジェクトへの投資を狙う【A7面(国際面)】

安倍首相が、アジア向けインフラ投資を大幅に増やすことを表明したというニュースが、国際面に掲載された。



安倍首相は、日本の資金拠出は、日本の技術力を活かした質の高いインフラへの投資を目的とするとして、中国のAIIB構想に真っ向から対応する姿勢を見せているとする。その一方で、日本の拠出だけでは、旺盛なアジアの資金需要には応えられないとしている。WSJは、安倍首相の取り組みを評価しながらも、AIIBも支持する立場だろうか?

***** 以下本文 *****

この記事は、次のような書き出しで始まる。
「安倍晋三首相はアジアのインフラ整備プロジェクトに向けた日本の資金供給を30%増やすという計画を発表した。これは、新しい地域投資銀行設立に向けた中国の動きに対する日本の対抗策だ。」
「安倍首相は、およそ1,100億ドルを今後3年で拠出するとした。これは、幾つかのチャネルを通して、アジアの高品質インフラ投資への資金供給をするものだ。チャネルとしては、アジア開発銀行による貸出額増や、日本政府による円借款等が考えられる。」

暫く要約する。
安倍首相は、中国が新銀行を通じて大量の資金供給を目指すのに対抗して、省エネ技術や公共交通システム等を使った質の高いプロジェクトへの資金供給を目指す。一方、中国は世界銀行やIMFなどの多国籍組織は、欧米に支配されていると非難されている。

この記事は次のようなコメントで締めくくられている。
「安倍首相は、日本の投資は、地下鉄や橋の建設など、お金はかかっても、耐久性があり、環境に優しく、災害に強い地下鉄や橋の建設などへの資金に重点的に充てられると述べた。」

「しかし、安倍首相が表明した資金の額は、アジアのインフラ整備に必要となる金額には遠く及ばない。アジア開発銀行は今後10年で約8兆ドルの資金需要があるとみている。」