ウォールストリートジャーナルは、米国に影響力をもつ多くのインテリ層に読まれていて、その世論形成に寄与しています。同誌に日本がどの様に取り上げられているかを観察することは、米国で日本についてのどの様な世論が形成されつつあるを知ることになるのではないでしょうか。このブログでは同誌に取り上げられた日本関係の記事を簡単に紹介しています。私は英語が専門ではないので、誤訳はご容赦。
Wednesday, August 20, 2014
日本のデータは中国との貿易の改善を示している【A9面(国際面)】
日中間の貿易額が3年ぶりに増加に転じたが、尖閣問題前の水準には戻っていないというニュースが、国際面に掲載された。
この記事は次の様な書き出しではじまる。
「日本と中国の間の貿易が3年ぶりに増加する見通した。しかし2012年に勃発した領土問題以前の水準には戻りそうにない。」
「この注意深くはあるが楽観的な見方は、日本と中国への輸出が今年上期に3年ぶりに増加したというデータからきている。このデータは政府関係団体である国際貿易振興機構によるものだ。」
しばらく要約する。
日中間の貿易回復の兆しは、政治的な問題でいつでも後戻りするリスクを含んでいるものの、最近は両政府とも国内での経済問題を抱えており、お互いを刺激しない様に注意している。今年の上半期の日本の中国への輸出は、前年比で2.5%増加したが、2012年に比べると11.7%少ない。2012年の9月に尖閣問題が発生している。中国からの輸出は既に紛争前に水準に戻っており、この結果、日本の対中国貿易赤字は、120億ドルと過去最高を記録した。
この記事は次の様なコメントで締めくくられる。
「国際貿易振興機構によるデータは、日本の経済産業省と中国の税関管理局のデータを積み上げたものだ。」
「日本の中国への輸出は尖閣紛争とその後の中国における日本製品ボイコットがあった直後の2013年上期の水準に比べると13.8%落ち込んだままだ。」
WSJは、日中間の貿易が増加すると、安倍首相も靖国神社訪問の様な不必要な軋轢を生む行為を避けざるを得ないだろうそみていると考えられ、日中間の貿易増加には好意的な見方をしていると思われる。