安倍首相が、終戦記念日に靖国神社を訪問しなかったニュースが、国際面に掲載された。
この記事は次の様な書き出しから始まる。
「日本の安倍晋三首相は、69回目の終戦記念日であった金曜日に東京の戦争神社を訪問するのを避けた。これは明らかに中国や韓国との関係をこれ以上悪化させないことを狙った動きだ。」
「安倍氏は、お金の入った封筒を捧げ物として持たせて、補佐官を神社へ送った。14人のA級戦犯と250万人の戦没者がまつられている靖国神社を訪問しないという安倍首相の決断は、習近平国家主席とのトップ会談を実現させるために、北京との関係を改善したいという願望の表れだ。北京とソウルは、靖国神社を日本の過去の軍国主義の象徴とみている。」
しばらく要約する。
安倍首相は、昨年12月に突然、靖国神社を訪問したが、これは中国や韓国との関係を悪化させたばかりでなく、米国の政府関係者もいらだたせた。政府は金曜日に公式慰霊祭を実施した。ここには、戦争で家族を失った遺族を中心に5千人が集まったが、この席で安倍首相は「今日の平和と反映は、戦没者の方々の神聖なる犠牲の上に成り立っている。」と述べた。安倍首相は、過去の何人かの首相と異なり、戦争で日本が果たした侵略者としての役割を認めていないし、反省も表明していない。
安倍首相は、靖国神社の代わりに千鳥ヶ淵の戦没者墓苑を訪問した。この墓苑には、最近ケリー国務長官やヘーゲル国防長官が訪れているが、これはアメリカからの安倍首相への靖国神社を訪問しないで欲しいという無言のジェスチャーだ。
金曜日に、安倍内閣の閣僚のうち、3名が靖国神社を訪問し、中国政府は、これを非難した。
この記事は次の様なコメントで締めくくられている。
「『彼らの行為は、日本政府の歴史問題に関する誤った態度を再び露呈することになった。中国は、毅然としてこうした行為に反対する。』と北京の外務省の声明は語った。」
「声明は、安倍首相を名指しすることは避け、健全で安定した中日関係は、『日本がその過去の侵略に対して正直に向き合い、深く反省し、軍国主義から本当の意味で決別した時にのみ』実現すると述べた。」
WSJは、安倍首相の政策全般については好意的だが、靖国神社訪問だけには従来から否定的だ。この記事からもそうしたトーンがうかがわれる。