Tuesday, April 1, 2014

日本企業の景気判断は弱まる【A9面(国際面)】

1日発表の日銀短観についての記事が国際面に掲載された。消費増税により企業は景気の先行きに不安を抱いており、安倍政権は難しい政権運営を迫られるという悲観的な記事。全く同じことを扱った日本経済新聞の記事の見出しは「全産業の景況感22年ぶり高水準」となっており、内容も楽観的だ。同じデータからこれ程までに異なった結論が導き出されるというのも面白い。

この記事は次の様なコメントから始まる。
「日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)によれば、日本の大手製造業企業の先行きに対する楽観的な展望は、今後の3ヶ月については、急速に萎んでいる。企業は消費税引き上げの影響に対して警戒を強めると同時に安倍晋三首相が掲げるアベノミクスへの疑念を深めている。」

そして、今回の短観は、消費税引き上げと同日の発表で、いつも以上に注目されたとした上で、大企業製造業の業況判断指数について、2つの指数が提示されたことを伝える。
(1) 先行き予測はプラス8と、エコノミスト予想のプラス13を大きく下回った。
(2) 3月までの指数はプラス17に上昇し、2007年12月以来の高水準となった。
また、消費税引き上げは、安倍政権にとって大きな試金石で、成長が停滞すれば、消費税の10%への引き上げは難しくなることを解説する。

最後は、今後の景気について、かなり悲観的なコメントで締めくくっている。
「この調査は、多くの企業が先行きの景況感を悪くみていることを示している。あらゆるサイズの企業が、増税前の駆け込む需要が突然止まることによって景気が急速に落ち込むと見ているのだ。」
「流通業者もまた、景気が消費増税によって大きな影響を受けると見ている。4月~6月の指標はプラス24からマイナス5に下がった。」 

日本経済新聞は、3月までの指標が高水準であることを中心に述べ、楽観的、ウォールストリートジャーナルは、4月以降の先行き予測が悪化することを中心に述べ、悲観的。皆さんはどちらの見方を支持するだろうか?