Friday, April 4, 2014

日本の付加価値税の上昇【A12面社説】

日本の消費増税が、社説に取り上げられた。
「税制改革を伴わない消費増税は、低成長を長期化させ、結局、また消費税を上げざるをえないという負の連鎖に陥る。」として、「安倍政権が今回の消費増税による追加税収を利用して税制改革、経済改革に真剣に取り組むべきだ。」という内容。日本の消費増税の歴史とそれがもたらした効果を詳細に述べることにより、分かりやすい内容になっている。

まず、この記事は、次のような書き出しから始まる。
「日本は1日、消費税の税率を5%から8%に引き上げた。法律では来年10%に引き上げることが予定されているが、それが最後だとは一瞬たりとも思わないほうがいい。消費税の階段は一方通行だ。一度足を踏み入れたら、上に行くしかない。」

そして、日本の消費税の歴史(1989年 3%, 1997年 5%, 2014年 8%) を詳細に振り返る。この部分は長いので要約する。
(1) 1989年に財政赤字が30%近くに拡大したことに伴い、3%の消費税が導入された。この時は、消費税は税制改革の一環とされたが、その他の税制改革は殆ど実施されなかった。
(2) そのため、財政赤字は対GDP比50%にまで上昇し、1997年に消費税は5%にまで引き上げられた。このときも、消費税は税正改革の一環とされたが、またもや税制改革は幻に終わる。
(3) 結果として、財政赤字は対GDP比200%を越え、今回、消費税は8%にまで引き上げられる。しかも今回は、財務省や多くの政治化は、税制改革はなどしている余裕はないとしている。

過去2回の消費増税の場合には、税制改革の一環だとしてしていたが、今回はそういった姿勢すら見られないと手厳しい。結局、増税だけでは、民間からお金が吸い上げれるだけ。結果として低成長の長期化を招き、また増税という悪循環を招く。 
「日本とその財政が本当に受け入れられないのは、低成長の長期化だ。だが、消費税はこの国の成長加速に必要な内需に水を差し、長患いの一因となってきた。」
「日本の経験は、さまざまな国で導入されてきた消費税に伴う、広範な政治的問題を浮き彫りにする。エコノミストらは消費税について、働いたり投資したりすることへの意欲をそぐことなく歳入を生むとみている。だが、実際には、現在の税金に追加される税金だ。つまり、政治家が民間経済にカネを請求する手段が1つ増えるだけだ。」

最後に、この記事は、安倍政権が、今回の消費増税による税収を使って、税制改革、経済改革に取り組んで欲しいという強い希望を述べた後、次のような日本に対する辛辣なメッセージで記事を締めくくっている。
「他の場所、とりわけ米国の税制改革者は、付加価値税には用心せねばならない。一度、導入されうると、それがただ上昇し続けるだけだからだ。」