Friday, April 11, 2014

米国と東京はサミット前の貿易協定合意に失敗【A9面(国際面)】

A9面(国際面)でTPPに関する日米閣僚協議が不調に終わったことを伝えている。

まず、この記事は次の様なコメントではじまる。
「環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐり9、10両日に行われた日米閣僚協議は、両国の意見の相違を埋めることができずに終わった。このため、24日に東京で行われる日米首脳会談前に合意できるかどうか見通しが怪しくなってきた。」

この後を要約すると次の通り。

交渉後、フロマン米通商代表部代表、甘利TPP担当相、共に「進展があったものの、未だに大きな隔たりがある。」とコメント。オバマ大統領来日までの合意については、両国とも歯切れが悪くなった。

日米間の最大の懸案事項は、日本の農業市場、米国の自動車市場の2点である。今回、これらの問題について、相当な努力をしたにもかかわらず、進展がなかったことから、これらの2点について合意するは、相当に難しい。
相当な努力とは、下記の様な点である。
(1) フロマン氏の来日前から事務レベルで折衝を続けており、今回こそ進展が見込めると判断したため、フロマン氏が急遽来日した。
(2) フロマン氏とは、2日間、延べ17時間もの膨大な時間を使って、全ての懸案事項をひとつひとつ議論した。

さらに、仮に、日米がこれらの2点について合意出来たとしても、その先にも気の遠くなる様な、交渉が待ち受けていることを述べて、この記事を締めくくっている。 
「日米が最ももめている事項について合意に達したとしても、まだ数千項目におよぶ関税の問題が残っているうえ、他の国々とも交渉せねばならない。知的所有権、国有企業の改革、政府調達の開放などについても決着させる必要がある。」
「加えて、オバマ氏が議会から『ファストトラック(早期一括審議)権限』を付与されるかどうかについても不透明なままだ。ファストトラック権限が与えられれば、議会は法案について修正を加えることができなくなり、政府は通商交渉がやりやすくなる。元通商代表部代表のボブ・ポートマン上院議員(オハイオ州選出、共和党)は、ワシントンで日本の役人達が、どうせ議会で修正を求められるのだから最初から大きな譲歩は出来ないと言っているのを聞いた、と言っている。」

両国とも、一時期、最大の懸案事項である農業、自動車の2大懸案事項について、オバマ大統領の来日までには合意させようということで、必死に交渉を進めてきたが、ここに来て、大幅トーンダウン。仮に、これらについて合意出来たとしても、気の遠くなる様な交渉が必要。何とも、重苦しい気分にさせられる記事だ。