Friday, April 25, 2014

オバマは安倍と共に立つ【A12面(社説)】

オバマ大統領が尖閣に安保が適用されることを明言したことが、社説にとりあげられている。たまたま、ウォールストリートジャーナル日本語版に同じ記事が掲載されていたので、そのまま掲載させて頂く。
今回のオバマ大統領の中国に対する強気の姿勢を絶賛し、中国のことを「20世紀最悪の大量殺人が行われた天安門に毛沢東の肖像画を掲げ続けている国」「近隣諸国が中国の皇帝を称えた様な時代に戻ることを望んでいる国」として、敵意を顕にしていると感じた。

「尖閣諸島が中国に攻撃された場合、米国による防衛が日米安保条約で義務付けられているかどうか曖昧だった。しかし、オバマ大統領が曖昧さを完全に払しょくしたことは満点が上げられよう。『我々の日本の安全保障に対する関与は絶対的なものであり、日米安保条約第5条は、尖閣諸島を含む日本の施政下にあるすべての領土に適用される。』大統領は24日、安倍晋三首相との共同記者会見で明言した。」
「これは、中国が昨年11月に尖閣諸島上空に防空識別圏を設定したことに対し、米国が弱く一貫性のない対応をしたことに伴うダメージを回復するのに役立つ。尖閣諸島をめぐる中国の好戦的なレトリックや瀬戸際外交は、中国が米国との戦争の可能性を深刻に受け止めていないことを示している。おそらく今後それはなくなるだろう。」
「今月初めには米軍も、武力を行使するのは可能であることを明らかにした。 在日米海兵隊司令官のジョン・ウィスラー中将は、中国軍が尖閣諸島を占領したとしても、在日米海兵隊は直ちに奪還できるとの自信を示した。同中将の発言は個人的なものでなかったのは明らかだ。チャック・ヘーゲル国防長官は同じ週に北京で、多少ニュアンスに違いはあったが同じく強い調子で警告を発した。中国外務省や同省スポークスマンは怒り心頭となった。」
「これまでのところそれほど注目されていいのは、オバマ氏が今週、読売新聞に示した以下のコメントである。『私は、集団的自衛権の行使に関する現在の制約を見直すことなどで、安倍晋三首相が日本の自衛隊の強化と米軍との連携を深める努力を払っていることを称賛する。』これは、安倍氏が憲法の解釈を変更し、自衛隊が同盟国を防衛するのを認めようとしていることを、米国が支持すると言質を与えたものだ。憲法解釈の変更は、安倍政権の連立パートナーを含め国内の平和主義者から反対論を呼び起こしている。」

「オバマ氏のコメントは、米国は日本の軍国主義の復活の兆候を不安ししているとの兆候を不安視しているとの中国のメディアの希望的観測を退けるものとなった。北京の見方では、安倍氏は第二次世界大戦に旧日本軍に苦しめられたアジアの近隣諸国に警戒感を与えている。」


「中国の指導者らは、同国共産党がまくしたてている反日の宣伝が同党の支配を正当化すると信じているのかもしれない。だが、オバマ氏が安倍氏と肩を組んで対峙するというイメージにより、彼らは海外では反日宣伝は受けないことを納得させられるだろう。米国などは、戦後日本がアジアの平和と繁栄に貢献してきたことを認識している。日本は、民主主義国同士が新たな独裁体制の台頭を阻止するための同盟を構築できる普通の国になることで、さらなる貢献を果たすことができる。」
「安倍氏や他の日本の政治家が、戦犯が他の戦死者とともに祭られている靖国神社を参拝することで友好国になりたいと思っている国を遠ざけてしまっているのは確かだ。米政府当局者は、代わりに千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝することで、靖国参拝の慣行を戒めている。だが、20世紀最悪の大量殺りくが行われた天安門に毛沢東の肖像画を掲げ続けている人々は、もっと慎重になってもよさそうなものだ。」

「中国政府のスポークスマンは今週、日米同盟を冷戦の遺物と表現した。数年前であれば、沖縄の米軍基地の移転が困難を示したようにその指摘は的を射ていたかもしれない、しかし、近隣諸国が中国の皇帝を称えたような時代に戻るよう同国が望んでいることで再び日米同盟が前面に出てきた。大統領の訪日はだいたいが象徴的になるが、オバマ氏の今回の訪日は、民主国家の同盟国の連帯という必要なメッセージを送るものとなった。」