Wednesday, April 4, 2018

日本は陸上自衛隊の指揮系統を統一【A7面(国際面)】

陸上自衛隊に新たに発足した統一司令部、陸上総隊が4日、本格的に始動したが、WSJはこのニュースを翌5日の国際面で速報した。

 第二次世界大戦の原因となった陸軍高官による陰謀の再発を防ぐために、戦後、陸上自衛隊は5つの方面隊に分割されたこと、最近の防衛上の脅威に対抗するため、5つの方面隊と新設の水陸機動隊を一元的に指揮する陸上総隊が始動したこと、当面の想定出動は尖閣諸島が中国に占領された際の奪還であることなどが、詳しく報じられている、

***** 以下本文 *****
第二次世界大戦後初めて、日本の陸上自衛隊は統合された部隊となった。
水曜日に東京の北にある朝霞駐屯地で、陸上自衛隊の陸上総隊が始動した。同司令部は、日本の5つの方面隊と米国の海兵隊に相当する水陸機動団を指揮する。
この組織変更は、日本の戦後の陸上自衛隊の歴史の中で、最大級のものだ。陸軍は1945年に解体され、9年後に再設置されたが、5つの方面隊に分割された。日本を第二次世界大戦へと駆り立てる原因となった陸軍高官による陰謀が繰り返されることを防ぐためだ。
しかし、ここ数年、中国が日本南部の島を侵犯するなど、安全保障上の脅威が高まっており、政府関係者は、現在の分断された指揮系統は、有事に迅速かつ包括的な展開を妨げる弱点になると考える様になった。
日本によれば、陸上総隊が始動する数時間前にも、東シナ海にある日本が実効支配していて中国が領土権を主張する諸島の近海に、中国の沿岸警備隊の船が出没した。この無人島を中国は釣魚諸島、日本は尖閣初冬と呼んでいる。
「中国の一方的なエスカレーションは、懸念事項だ。」と小野寺防衛大臣は、陸上総隊指導のスピーチの中で述べた。
新たに設立された陸上総隊により、米軍も、複数ある方面隊と交渉する必要が無くなった。安全保障条約により、約50,000人の米軍兵士が日本の駐屯している。
「陸上総隊発足により、自然災害や安全保障上の問題が発生した際の日米の協力はより簡単に確立出来る。なぜなら、トレーニング中でも、訓練中でも、日本のどんなところで有事が起きても、共通の手順が使えるからだ。」と在日米軍副司令官のグラブスキー大佐は述べた。
新司令部の創設は、日本の自衛隊の多岐に渡る見直しと刷新の一部だ。多くの日本人は、自衛隊を戦争よりも自然災害支援と結び付けてみている。
地域のライバルたちから見ると規模は小さいが、日本の自衛隊は、世界で最も進んだ武器を装備している。日本は、巡航ミサイル、少なくとも42機のF35ジェット戦闘機、新型のミサイル防衛システムに投資している。日本の軍備の多くは米国製で、トランプ大統領は日本政府にもっと購入する様に要求している。
ここ数年、安倍首相は、自衛隊に対する制約を緩和するために法律の変更を行ってきた。例えば、自衛隊は、日本の近くで攻撃にさらされている同盟国を支援するために戦うことが出来る様になった。安倍首相は、憲法改正の目標時期を2020年とした。憲法改正により、自衛隊の存在を明記しようとしている。文面通りに取れば、憲法は自衛隊を禁じている。しかし、これまでの政府は、自衛隊の合法性について疑問を呈さなかった。
政府と自衛隊の関係者によれば、日本はここ数十年で、北朝鮮からのミサイル発射など、最も深刻な安全保障上の脅威に直面していおり、そうした状況に対応していくしかない。
「我々は、本当の意味で、戦闘可能な陸上自衛隊を作り上げなければならない。」と、移行計画責任者のマエダタダオ少将は述べた。
日本が当面最も恐れているのは、中国が尖閣諸島を占領するかもしれないことだ。どの様な島も奪還出来る様に、水陸両用部隊の人員を3倍の2,100人とした。日本の兵隊は、水陸両面の戦いについて、米海兵隊と共に訓練を積んだ。

中国外務省の広報官は、日本の陸上総隊についての質問に直接は答えなかった。しかし、中国は日本の軍事分野での変化について、過去の間違えを繰り返してはならないとして、しばしば非難してきた。