Wednesday, December 13, 2017

米国の中国批判にEUと日本が同調【A8面(国際面)】

1212日に日米欧の貿易担当閣僚が、中国の不当な貿易慣行について連携して反対する声明を発表したが、WSJはこのニュースを翌13日の国際面で速報した。


 この声明は、WTO閣僚会合が開催されているブエノスアイレスで、日米欧の貿易担当閣僚によって合意されたものであること、中国を念頭に、政府が自国企業に過度な補助金を出したり、進出した海外企業に技術移転を強制したりする政策について、連携して反対することを合意したことなどを、報じている。

***** 以下本文 *****
中国の様な国々は、政府が自国企業に過度な補助金を出したり、進出した海外企業に技術移転を強制したりする政策をとっているが、米国、EU、日本は、火曜日に、こうした国々への圧力を強めることで合意した。
ブエノス・アイレスのWTOサミットで発信された共同声明の中で、この3者は、中国を名指しこそしなかったものの、2人の関係者によれば、この声明は明らかに中国の政策への影響を狙ったものだ。
サミットの傍ら交渉されてきたこの声明は、珍しくトランプ政権を支持している。このサミットでは、トランプ政権は、グローバルな貿易ルールについて、これまでの米国政権に比べて懐疑的な立場をとっていることから、批判にさらされることが多かった。
3者は、国家の政策や補助金が「主要セクターで非常に大きな過剰生産力」を生み出している国々に、より公平な経済活動の場を作り上げることで合意したと述べた。彼らはまた、「市場を歪めるような補助金」やローカル・コンテントの要求についても、グローバルな貿易システムに重大な懸念を及ぼしているとして、対応していくことで合意した。
「この極めて重大な懸念について、我々は、WTOやその他のフォーラムで3ヶ国間での協力関係を強化し、適切であれば、第3国による不公正な市場操作や保護主義的な慣行を取り除いていくことで合意した。」と声明は述べている。
この声明には、EUのトレードコミッショナーであるセシリア・マルムストローム、日本の経済産業大臣の世耕弘成、米国通商代表のロバート・ライトハイザーの3者がサインした。
この合意は、WTO加盟の164ヶ国が、e-コマースから漁業までを包括する新しいグローバルな貿易ルールに合意するのに苦労しているタイミングで行われた。
この3者の共通のスタンスは、経済大国の中国への対応についての、大きな転換になる可能性がある。トランプ大統領は、中国の貿易慣行を厳しく非難してきた。