Friday, December 29, 2017

韓国は日本との過去の問題を再燃させる【A7面(国際面)】

1227日に韓国政府の諮問委員会は「2015年の慰安婦に関する日韓合意は犠牲者の意見を十分に反映していない。」とのレポートを発表したが、WSJ29日の国際面でこの問題を大きく取り上げた。



この合意内容は、20151222日に日本から提案され、提案から2週間も経たない28日に合意されたとしている。その間に、犠牲となった女性たちの意見を十分に聞いた形跡もなく、合意を急ぎすぎたのではないかと指摘している様に読める。


***** 以下本文 *****
戦時中に日本の慰安所で強制的に働かされた韓国人女性についての日韓間の紛争は2015年の合意により一時沈静化していたが、韓国はこの合意は犠牲者の希望を反映していないというレポートを発行し。この問題を再燃させた。
このレポートは、韓国外務省が任命した専門家による委員会でまとめられ、水曜日に公表された。
日韓両国は、高まる一方の北朝鮮のミサイルや核の脅威に対抗するために、米国と協力して、経済制裁や防衛協力を協調して行なっているが、こうした動きは日韓2国間の協力関係を損ねかねない。
日本の外務省は。もし韓国が合意に変更を加えるのなら、日韓関係はコントロールできない状況になると述べた。韓国外務省は、生存する犠牲者たちの意見も聞き、来年早々に対応を決定すると述べた。
いわゆる「慰安婦」問題への対応は、1991年に1人の女性が戦時中に韓国を占領していた日本から受けた扱いについて証言を行なったことを皮切りに、常に日韓間での懸案となってきた。
日本は何年にも渡って謝罪してきたが、韓国のリーダーたちはその誠意に疑問を呈してきた。
2015年の突然の合意のもとで、安倍首相は再度謝罪を行い、犠牲者やその遺族のために約9百万ドルを韓国の基金に拠出した。
当時の日韓両政府は、合意は最終的かつ不可逆的なものであるとし、オバマ政権はこの合意を歓迎した。しかし、翌年、朴槿恵大統領が失脚し、後を引き継いだ文在寅は、その合意は韓国國民の側に立っておらず、どのようにしてまとめられたのか再調査すると述べた。
委員会のレポートによれば、政府は、この合意に際して、犠牲者の意見を十分に聞かながった。
その当時は、40人以上の犠牲者が生存していたが、その多くは80代、90代だった。それ以降生存者の数は減少し、現在は32人になっている。
「日本軍の性奴隷として徴用された女性のための委員会」は、1980年以来犠牲者を支援してきたソウルの市民団体だ。同委員会は、この報告を歓迎し、韓国政府が合意を破棄することを要求すると述べた。
日本が拠出した基金を管理している韓国政府関係の団体によれば、2015年以降、拠出した基金のうちの約4百万ドルが、すでに34名の女性や遺族らに支払われた。
ソウルで行われた記者会見で、韓国の康京和外相は、このレポートにどの様に対応するかは、日韓関係への影響を考慮して、慎重に決断すると述べた。
「この問題は、他の外交問題とは異なる。こうした問題は、犠牲者の声を聞き、それらの声を反映させることが必要だ。」と外相は述べた。
韓国が再びこの問題を再燃させようしている動きに対して、日本では怒りが高まっている。政府関係者によれば、日本国民の韓国に対する感情は悪化している。河野外務大臣は、この合意について日韓政府は適切に議論したと述べ、韓国に対しその合意の完全な実施を求めた。
両国の外交官は、この合意がどの様にまとめられたか説明したが、その説明によれば、犠牲者の意見を聞く時間は極めて少なかったとのことで、この点が合意の基盤を弱くしている。
最初の雪解けは、2015年に安倍首相がソウルを訪れ、2013年に就任した朴大統領と初めて階段した際に訪れた。この会談の後、安倍首相はこの問題について、外交官同士の会談を加速させると述べた。日韓関係にさらに関心が集まったのは、その年の1217日だ。朴氏の名誉を毀損したとして、日本のジャーナリストが韓国の裁判所によって起訴されたのだ。
ある外交官によれば、この起訴によって、安倍首相は、合意の概要策定を急ぎ、1222日に合意概要案と共に外交団を韓国に送り込んだ。日本側は、朴大統領の任期が年末に切れることを念頭に、合意を急いだ。
両国間の交渉に関与した韓国側外交官によれば、韓国側は突然の日本の申し出に驚いた。彼は、その申し出を、日本による電撃攻撃と呼んだ。

「日本からの提案の中には、韓国が求めてきた重要事項、つまり再度の謝罪と女性たちへの賠償が含まれていたので、韓国側は合意せざるを得ないと感じた。」とこの外交官は言う。ソウルの日本大使館の職員たちは、合意に向けた準備のために、休暇の計画を短縮する様に求められた。そして、申し出があってから2週間も経たない1228日に合意は成立した。