Saturday, December 9, 2017

日本の天才がロサンゼルスに上陸【A14面(大リーグ特別面)】

大谷翔平選手がエンジェルスと契約することを決めたと代理人の事務所が8日発表したが、WSJはこのニュースを翌9日の特別面で報道した。



発表が米国であったこともあり、日本のメディアより詳しく報道している。25才まで待てば、200億円程度で契約できたのに、お金に欲が無い大谷は2億強で契約したとしている。

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日本で二刀流で話題を独占してきた大谷翔平選手、これまで見たこともないほどの才能にもかかわらず、年俸が安く押さえられることもあって、野球界に興奮を巻き起こし、これまでない程のすざましい獲得競争が繰り広げられたが、金曜日にロサンゼルスエンジェルスへの入団が電撃発表された。
このサプライズアクションによって、23才の大谷は、スポーツ界随一のスーパースター外野手であるマイクトラウトと共に戦うこととなった。
大谷は、大リーグ30球団のほぼ全てから、入団のオファーを受けたが、そのうち7球団と交渉を行った。そして、その7球団のうち、5つは西海岸の球団だった。特筆すべきは、ニューヨークヤンキーズが選ばれなかったことだ。これらの7球団は、大谷がどこの球団に興味を示し、どこを選んでくるか、息を殺して見守った。
彼はシアトルの様に日本人の人口が多い場所が好きなのでは?それとも、サンディエゴの様な小さな町が好きなのか?テキサスは、大谷が高校生の時からリクルート活動をしてきたので、大谷はテキサスを優先するのでは?
これらの憶測は全く当たらなかった。最終的に大谷は、予測を覆し、エンゼルスを理想の球団として選んだ。
「翔平の決定に影響を与える要因については、様々な憶測が飛んだ。彼が重視したのは、市場のサイズでも、タイムゾーンでも、リーグでもなかった。彼が重視したのは、エンゼルスとの間で感じた結びつきの強さだ。」と大谷の代理人のネズバレーロは、金曜日に語った。「彼は、エンゼルスは、次の段階へ登り、野球人生の目標を叶えるために、最高の環境だと感じたのだ。」
時速100マイルに達する速球と並外れたホームランパワーに恵まれた大谷は、ピッチャーマウンドとバッターボックスで同時に活躍することに挑戦するだろう。これまで、大リーグでは二刀流の成功例はなかった。
大谷の北海道日本ハムファイターズでの5年間の成績は、85回の登板で防御率2.52、524イニング投げて624 もの三振を奪った。打者としては、出塁率と長打率を合わせて8割5分9厘、1,701打席で48ホームランを記録し、日本のベーブルースという異名も得た。右翼手としての経験が最も多いが、外野手としてプレーしたのは、2014年が最後だ。最近では、投球が無い時には指名打者を勤めることが多い。
そのユニークな才能だけでも、各チームのゼネラルマネージャーを惹きつけるのに十分だ。しかし、彼の獲得に伴う費用が安いことも、大谷がこれまでに無いほどの注目を集めた理由だ。大谷は25才まで待たずに大リーグに移ることによって、金銭的には損をする。25才になれば、完全な自由契約ができる。関係者によれば、完全にフリーエージェントになれば、彼の契約金は2億ドルにまで上がっていただろうという。
エンゼルスが大谷に支払う契約ボーナスは231.5万ドルに過ぎない。エンゼルスは、このお金をラテンアメリカの10代の若者を採用するために貯められていたお金から充当する。また、大谷が日本で所属していたファイターズにも2,000万ドルのポスティングフィーを支払う。
大谷の考えの中では、給与はあまり重要ではなかった。にもかかわらず、エンゼルスは、今週頭には、彼らのトップ選手をミネソタツインズに放出して100万ドルを大谷の獲得のために得ていた。マリーンズは、大谷の獲得を確実にするために複数のトレードを行い、355.5万ドルを大谷のために準備していた。しかし、お金は彼を動かさなかった。
「結局のところ、彼はエンゼルスとの強いコネクションを感じ、それを重視したのでしょう。」とバレーロは言う。
エンゼルスは、大谷を二刀流の選手としてどの様に使うつもりかを丁寧に説明し、それが彼の心を捉えた様だ。これが、彼の獲得を希望するいかなる球団にとっても必要条件だった。
二刀流がどの様に行われるのかは、今の所不透明な部分もある。大谷は日本では週に1回の当番だったが、アメリカでは登板間隔がもっと短くなるだろう。大谷が期待通りの働きをすれば、エンゼルスは、当面の間球団の運命を変える様な買い物をしたことになる。エンゼルスは、今後6シーズンにわたって、相場より安い価格で、大谷の支配することができる。これにより、2002年 以来遠ざかっているチャンピョンシップ獲得のための先発ローテーションを組むことができるのだ。
トラウト、アルバート・プジョルス、先週1億6百万ドルで5年契約を結んだジャスティン・アップトンらがいるにもかかわらず、エンゼルスがこのところ低迷している。この10年でプレイオフに進んだのは1回だけだ。2017年の成績は、80勝82敗で、ヒューストンアストロスに次いでアメリカンリーグの西地区で2位になるのがやっとだった。大リーグ全体では獲得点数で22 位、防御率で12位だった。
大谷はこの状況を変えることができるし、しばしばロサンゼルスドジャーズの陰に隠れてしまう、このアナハイムベースのチームに興奮のオーラを持ち込むだろう。ニュースが大谷の決断を速報で伝えた時、トラウトは、ツイッターで多くの人にシンプルなメッセージを送った。両目が大きく見開いた絵文字を。
「我々は、交渉の過程で、彼とのユニークな関係を感じました。彼がエンゼルスの一員となることに興奮しています。」との声明をエンゼルスは発表した。「これは、エンゼルスのファンにとっても特別な瞬間です。」