12月にWSJに掲載された日本関係の記事は13件。2月と7月の15件に次いで3番目に多かった。
2月は安倍首相の訪米、7月は自民党の都議会議員選挙での惨敗とその後の政治劇(稲田防衛大臣辞任、蓮舫民進党代表辞任など)など、大きなニュースが掲載回数を押し上げたが、12月はそれ程大きなニュースがなかったにも関わらず、掲載回数が増えた。
テーマ別では、政治関係が5件、経済関係が4件、社会関係が4件だった。
政治関係は、日本の近隣諸国との関係悪化とそれに伴う防衛力強化に関する記事が中心だった。
9日には北朝鮮の脅威を念頭に自衛隊が長距離巡航ミサイルの配備を決めたことを速報、21日には中国の脅威を念頭に石垣島に自衛隊が基地を建設中であることを詳細に報じた。
中国関係では、13日に日米欧の首脳が中国の貿易慣行を批判したとする記事を、14日には日米がサウジアラビア政府に対してアラムコ石油の株を中国に売却しないように迫ったとする記事を掲載した。
また、日韓関係では、29日に、韓国政府が慰安婦問題に関する2015年の日韓合意を見直す可能性を示唆したというニュースを速報した。
経済関係では、日本の景気回復を示唆する記事が中心となった。
2日には10月の消費者物価指数を、27日には11月の消費者物価指数を速報し、日銀の目標とする2%には届かないものの順調に上昇しているとして、景気の回復を印象付けた。これに伴って、日銀が金融緩和策の出口戦略を模索し始めたとする記事を18日に掲載した。
さらに12月8日には日欧EPAが妥結したが、WSJはこのままでは米国は日欧に遅れをとるとする社説を15日に掲載した。
社会関係では、大谷翔平選手のエンゼルス入り決定を、大きな写真入りで2回も取り上げた。1回目は入団発表について翌9日に速報、2回目は11日にエンゼルスが大谷を射止めるために提示した詳細な育成計画について報じた。
その他では、7日に最高裁がNHK受信料について初めての判断を示したとするニュース、23日には丸の内クリスマスパレードのニュースをそれぞれ取り上げた。
12月は日本では真珠湾攻撃の頃に、戦争関係の記事が特集されるが、WSJでは私がこのブログを始めた2014年以降そうした記事は一切掲載されていない。(昨年は、安倍首相が真珠湾を訪問したので例外だが。)米国では未だに真珠湾攻撃に関する関心は高く、こうした記事が掲載されても良さそうだが、日米関係に配慮しているのだろうか。