テーマ別では、政治関係が56回(2016年:49回、2015年:39回、2014年:75回)、経済関係が30回(2016年:38回、2015年:40回、2014年:62回)、社会関係が28回(2016年:28回、2015年:31回、2014年は43回)。ここ数年の掲載回数と比較すると、政治関係が増加、経済関係が減少、社会関係が横這いという傾向が見られる。
政治関係の記事には2つの山がある。
1つは、2月の安倍首相の訪米だ。この時、トランプ大統領は、安倍首相をフロリダの別荘に招いて多くの時間を割くなど、破格の扱いを行なって注目を浴びた。WSJもそれに呼応する様に、この訪米について8回も報道した。ちなみに、11月のトランプ大統領の訪日の際は2回しか報道しなかった。大統領就任から1年近くが過ぎ、熱が冷めたということか。
もう1つの山は、7月から10月の4ケ月わたる政治のドタバタ劇だ。7月の都議会議員選挙での自民党惨敗、その後の安倍内閣支持率急落に始まる今回のドタバタ劇は、稲田防衛大臣の辞職、蓮舫民進党代表の辞職などにも発展したが、8月の内閣改造により一旦は落ち着くかに見えた。ところが、その後、9月の突然の衆議院解散、それに続く、希望の党立ち上げ、民進党の解党とサプライズが続いた。結局、10月の選挙で自民党が圧勝し、元の鞘に収まった。WSJはこのドタバタ劇を詳細に報じ、7〜10月の政治関係の記事掲載数は、実に27件に上った。
経済関係では、日本の景気回復の軌跡を統計数値を愚直に追うことによって報じた。
「四半期GDP数値」は、5四半期連続伸長となった1〜3月期に始まり、7四半期連続伸長となった7〜9月期まで毎回、速報も交えて4回報道した。「消費者物価指数」についても、1年1ヶ月ぶりにプラスに転じた1月実績から、11ヶ月連続プラスを記録した11月までの間に、3回報道した。
日銀の動きについても、密接に報道した。金融政策決定会合の結果については、速報を交えて5回報道、その他も含めると日銀関係だけで実に9回も報道している。
一方で、以前は、ソニーやホンダといった1企業の動向を紹介する記事が多かったが、今年は大垣共立銀行を取り扱った記事1本だけだった。日本企業に元気がないということか。
社会関係では、1面の下に、世界の面白い文化や習慣を紹介するコラムがあり、ここに日本のことが毎年数件紹介されていたのだが、今年は1件の記事が紹介されるにとどまったのが気になる。日本も不思議の国から普通の国になってしまったのだろうか。
1つは、2月の安倍首相の訪米だ。この時、トランプ大統領は、安倍首相をフロリダの別荘に招いて多くの時間を割くなど、破格の扱いを行なって注目を浴びた。WSJもそれに呼応する様に、この訪米について8回も報道した。ちなみに、11月のトランプ大統領の訪日の際は2回しか報道しなかった。大統領就任から1年近くが過ぎ、熱が冷めたということか。
もう1つの山は、7月から10月の4ケ月わたる政治のドタバタ劇だ。7月の都議会議員選挙での自民党惨敗、その後の安倍内閣支持率急落に始まる今回のドタバタ劇は、稲田防衛大臣の辞職、蓮舫民進党代表の辞職などにも発展したが、8月の内閣改造により一旦は落ち着くかに見えた。ところが、その後、9月の突然の衆議院解散、それに続く、希望の党立ち上げ、民進党の解党とサプライズが続いた。結局、10月の選挙で自民党が圧勝し、元の鞘に収まった。WSJはこのドタバタ劇を詳細に報じ、7〜10月の政治関係の記事掲載数は、実に27件に上った。
経済関係では、日本の景気回復の軌跡を統計数値を愚直に追うことによって報じた。
「四半期GDP数値」は、5四半期連続伸長となった1〜3月期に始まり、7四半期連続伸長となった7〜9月期まで毎回、速報も交えて4回報道した。「消費者物価指数」についても、1年1ヶ月ぶりにプラスに転じた1月実績から、11ヶ月連続プラスを記録した11月までの間に、3回報道した。
日銀の動きについても、密接に報道した。金融政策決定会合の結果については、速報を交えて5回報道、その他も含めると日銀関係だけで実に9回も報道している。
一方で、以前は、ソニーやホンダといった1企業の動向を紹介する記事が多かったが、今年は大垣共立銀行を取り扱った記事1本だけだった。日本企業に元気がないということか。
社会関係では、1面の下に、世界の面白い文化や習慣を紹介するコラムがあり、ここに日本のことが毎年数件紹介されていたのだが、今年は1件の記事が紹介されるにとどまったのが気になる。日本も不思議の国から普通の国になってしまったのだろうか。
掲載箇所別では、1面が6回(2016年:13回、2015年:15回、2014年:25回)、国際面が93回(2016年:83回、2015年:87回、2014年:125回)意見欄が11回(2016年16回、2015年:7回、2014年:24回)、その他が4回(2016年:3回、2015年:1回、2014年:6回)となっている。
1面が大きく減少した。1面を飾った記事は、安倍首相訪米、北朝鮮日本に向けミサイル発射、衆議院選挙の3つ以外は、特集記事が2本、コラムが1本だった。
1面が大きく減少した。1面を飾った記事は、安倍首相訪米、北朝鮮日本に向けミサイル発射、衆議院選挙の3つ以外は、特集記事が2本、コラムが1本だった。
これらの114件の記事の中から1面に掲載された6件と、社説に掲載された8件の記事を詳細に分析し、恒例の「WSJが選んだ2017年日本の十大ニュース」を、独断と偏見で選んでてみた。
重大ニュース10件は下記の通り。 順位は、1面トップ:5点、1面:3点、社説:2点、その他:1点として得点順。同点の場合は掲載回数と掲載順(掲載時期が早いものを上位)で決定。
1位: 衆議院解散総選挙(14点、11回掲載)
2位: 日銀金融緩和政策維持(11点、9回掲載)
3位: 安倍首相訪米(10点、8回掲載)
4位: 北朝鮮ミサイル発射(10点、8回掲載)
5位: 日欧EPA締結へ(8点、6回掲載)
2位: 日銀金融緩和政策維持(11点、9回掲載)
3位: 安倍首相訪米(10点、8回掲載)
4位: 北朝鮮ミサイル発射(10点、8回掲載)
5位: 日欧EPA締結へ(8点、6回掲載)
6位: 慰安婦問題(5点、5回掲載)
7位: フィッツジェラルド号衝突事件(5点、5回掲載)
8位: マティス国務長官来日(3点、2回掲載)
9位: ペンス副大統領来日(2点、2回掲載)
10位: トランプ大統領来日(2点、2回掲載)
11位: 大谷翔平エンゼルス入団(2点、2回掲載)
11位: 大谷翔平エンゼルス入団(2点、2回掲載)
トランプ大統領の来日が、マティス国務長官やペンス副大統領の来日よりも下位に来ているのが注目される。
ちなみに読売新聞の読者が選んだ2016年の重大ニュースの上位10は次の通り。
2 位: 天皇退位特例法が成立。19年4月末退位、5月改元へ
3位: 横綱日馬富士が暴行問題で引退
4位: 秋篠宮眞子さま婚約内定
5位: 衆院選で自民圧勝。突然の解散で民進分裂、立憲民主が野党第1党に
6位: 陸上100メートル桐生、日本人初の9秒台
7位: 神奈川・座間のアパートで切断9遺体
8位: 上野動物園でパンダ誕生
9位: 「森友」「加計」問題などで内閣支持率急落
10位: 稀勢の里が第72代横綱に
WSJ,、読売双方のトップ10に入っているのはニュースは「衆議院総選挙」のみ。残りの9件は、WSJでは全く取り上げられなかった。相撲や皇室関係のニュースはWSJでも取り上げられても良さそうだが。
ちなみに、トランプ大統領来日のニュースは、読売では11位に入っている。
アメリカから見た日本と、日本からみた日本には、微妙な違いがあり、面白い。