Saturday, April 2, 2016

サミットは核の危険を指摘【A9面(国際面)】

41日に閉幕した核安全保障サミットの結果について、翌12日の国際面で速報した。その中で、オバマ大統領が、「日本に蓄積されていた核物質の安全な場所への移送完了について強調したこと」、「日本が核武装化すべきというトランプ氏の発言を批判したこと」について報道している。


核安全保障サミットでオバマ大統領の隣に安倍首相が座っている写真も大きく掲載しており、今回のサミットで日本に関する話題が多かったことを物語っている。記事の後半では、イランへの経済経済制裁解除についても取り上げている。

***** 以下本文 *****

「オバマ大統領は彼にとって最後となる国際核安全保障サミットを終えた。彼は大統領就任直後から、テロリストや極悪国家が核兵器や核物質を入手しない様に精力的に取り組んできたが、この問題についての彼の評価は分かれることになるだろう。」
50名以上の世界の首脳が集まったこの会議の締めくくりにおいて、オバマ大統領は、アメリカ、日本、ロシアなどの国々が大量の核物質を集めて、安全な場所に移送することに成功したと述べた。」
「サミットの最後にオバマ大統領は記者団に対し『テロリストや犯罪者や武器商人が核装置の材料を求めて走り回っている。彼らは、世界の多くの地域に入れなくなっており、これは大きな成果だ。』と述べた。」
「彼は更に『しかし、この仕事はいかなる意味においてもまだ完了していない。』と付け加えた。」
「また、オバマ氏は、彼の政府が数日内に実施を予定しているイランでのドル取引の容認についても擁護する立場を明確にしたと、金曜日に米国政府高官は語った。そうした動きが、イランの国際取引再開に向けた障害を取り除くことになるだろう。」
「オバマ氏によれば、数人のリーダーが、今週、共和党の大統領有力候補であるドナルドトランプ氏が行った発言について、質問した。彼は、日本、韓国といった友好国は核兵器を保有すべきだとした。この発言は、アメリカが50年以上にわたって守り続けてきた核政策と相いれないものである。」
「トランプ氏はまた、欧州での核兵器の使用を禁止することについても反対している。」
「トランプ氏の発言は、オバマ大統領から攻撃的な発言を引き出した。オバマ氏は『こんなことを言う人物は外交や核政策、朝鮮半島や世界全体の情勢がよく分かっていない。』と述べた。」
「彼は、長期にわたる米国の核政策が、第二次世界大戦以降、歴史的にも大きな紛争を経験したこの地域で、核開発競争が起きるのを防いできたと述べた。」
「オバマ氏は『どうか混乱しないで欲しい。この重要性も理解できない者は、ホワイトハウスの執務室で働いて欲しくない。』と述べた。」
「今回のサミットはテロリスト集団への脅威が高まる中で行われた。イスラム国の様なテロ集団は核物質を探しており、そうした物質を人口が密集している都市部における大惨事を引き起こすために使おうとしている。」
「オバマ大統領は2009年の大統領就任時に、核不拡散の取組について、その概要を述べたが、その時には北朝鮮とイラクが最も大きい二つの課題だった。」
「オバマ氏はイランとの核に関する合意に成功したが、この合意が今後10年間どのように進展していくのかについては、よく見えていない。」
「更に、北朝鮮については、大統領就任後、むしろその核能力が増強した。北朝鮮は金曜日に再びミサイルテストを実施した。これは、オバマ大統領が、日中韓首脳と北朝鮮の核武装について議論をした数時間後に行われたものだ。」
「中国は北朝鮮に影響力を持っているとみられている限られた国の一つだが、アメリカが中国による北朝鮮に対する強い圧力について、中国政府から確約を得たのはつい最近のことだ。中国は、今年初めの北朝鮮の核兵器試験への対抗措置としての、新たな国際制裁について同意した。」
「オバマ大統領は昨年、経済制裁の緩和と引き換えにイランの核武装の野望を取り除くという取組みを行った。この取組については賛否両論があり、彼は新たな攻撃に直面している。」
「オバマ政府はイランのドル取引再開を支援しているが、反対派はオバマ氏はイランに対して弱腰だとして批判している。共和党員は、ホワイトハウスに対し、イランにドルにアクセスさせない様に求めている。また、民主党員の一部でさえ、新たな譲歩を引き出せない限り、この政策は間違いだと言っている。」
「一方でイラン高官は、約束された経済緩和では、契約合意事項を十分に実施したことにならないと不満を表明している。」
「オバマ氏は、金曜日の演説の中で、イランがその核プログラムを縮小させるという義務を果たすために、実のある前進を続けていると述べた。」
「『イランが彼らの義務を果たしているわけだから、世界の国々も協約におけるそれぞれの義務を果たすことが重要だ。』と、オバマ氏は演説の後で述べた。」
「オバマ氏はイランがテストを行えばそれは核合意の精神に触れることになるだろうと述べた。」

「一方、ロシアはこのサミットをボイコットした。イランの核合意についてのミーティングにのみ担当者を出席させた。」