日銀は28日に現状の金融政策の維持を決定したが、WSJは28日の国際面でこのニュースを速報した。
熊本大地震の影響で更なる経済停滞が懸念される中、日銀の追加緩和策実施への期待は大きい。そうした中、日銀が政策変更を見送った理由は、もう少し時間をかけてマイナス金利の影響を見極めたいのだろうとしている。
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「日銀は木曜日、更なる緩和策を求める市場の声がある中、主要政策を変更しなかった。円は上昇し、株式市場は下落した。」
「日銀は通貨の流通量を増やすことによって成長とインフレを誘発することを目的とした資産買取プログラムの目標を、現状の年間80兆円(7180億ドル)で維持するとした。日銀の政策委員会は投票の結果8対1で政策維持を決定した。」
「日銀はまた商業銀行の預金に課される金利の水準をマイナス0.1%で維持することを、7対2の投票で決定した。マイナス金利は2月に導入された。これは種々の借入コストを引き下げることにより、経済活動を活性化させ、価格を引き上げることを目的にした日本による更なる努力の一つだ。」
「日銀が前回3月中旬に政策会合を行って以来、日本の経済状況は悪化しているが、そうした中でも日銀は政策を変更しなかった。世界第3位の規模を誇る日本の経済は、今月、九州を襲った地震により、今四半期縮小するリスクがある。」
「日銀の決断における唯一の新しい要素は、地震によって被害を受けた地域に援助を行うための施策だ。」
「3年間にわたるデフレ終息のための努力の後で、弾薬切れだという認識があるが、そうした認識を和らげるために多くのエコノミストは日銀が追加の緩和策に踏み切ることを期待していた。しかし、日銀は行動を取ることに積極的ではないとの態度を示した。彼らは、もう少し時間をかけて、マイナス金利の効果をみたいのだ。」