Saturday, September 1, 2018

日本がミサイル防衛を強化【A8面(国際面)】

防衛省は831日にイージスアショア導入費を含む2019年度予算の概算要求を行ったが、WSJはこのニュースを翌91日の国際面で速報した。


 防衛予算要求額が過去最大の52986億円(18年度当初予算2.1%増)になること、要求増は7年連続であること、米国の有償軍事援助(FMS)は6,917億円に膨らんだことなどを詳細に報じている。既に、日本の自衛隊は、米国、中国、ロシアに続いて4番目に強い軍隊になっていることを伝えると共に、イージス・アショアの設置が予定されている秋田県の住民の間から、攻撃の標的になるなとの理由で反対が起こっているなど、日本の防衛力強化について様々な視点から論じている。


***** 以下本文 *****
日本は21億ドルで米国のミサイル防衛システムを購入することを決めた。トランプ大統領から日本への米国の軍事機器購圧力が強まる中、軍備調達としては最大規模だ。
日本は既に米国の軍機機器の最大の購入先のひとつだ。F35ステルス戦闘機やグローバルホーク無人探査機などを購入し、購入額では中東の国々と肩を並べる。
にもかかわらず、昨年、トランプ大統領は、対米貿易黒字と防衛の米国依存を減らすことを目的に、「大量」の軍事機器の購入を要求した。
トランプ大統領は、安倍首相というこの要求への対応にやる気をみせる安倍首相というパートナーを得た。彼は、日本の戦後の厳格な平和主義を変えたいと考えている。今後数ヶ月の間に、日本の憲法を改正し、日本が軍隊を持つことを明確に記載するために、国民投票を行いたいと考えている。
日本の軍隊は、自衛隊と呼ばれているが、世界で最も進んだ軍備を備えている。2015年にクレジットスイスが発表した調査結果によれば、日本の軍隊は、米国、ロシア、中国に続いて4番目に強力だ。
日本が輸入している防衛機器の多くは、有償軍事援助(FMSプログラムを通して購入されている。このプログラムは、米国政府が管理しているもので、毎年、400億ドルの機器を販売している。
日本がこのプログラムを使って購入する金額は、ここ数年膨張している。金曜日に、防衛省は、来年度のFMSプログラムによる武器予算として62億ドルの予算を要求した。5年前にはこの金額は10億ドルにすぎなかった。
同省は、4月から始まる会計年度に、総額477億ドルの防衛費予算を要求している。この金額の中には、在日米軍を支援する費用は含まれていない。この要求は、今年度の支出から2.1%の増加で、7年連続での増加となる。
計画している支出の中で大きいのは、ロッキードマーチン社のイージスアショア弾道ミサイル防衛システムだ。この新システムにより、日本列島全体が、北朝鮮からのミサイルシステムから守られることになる。
今週は発行された防衛白書は、11月以来北朝鮮のミサイル攻撃が中止していたり、米朝間で断続的に外交交渉が行われたりしているものの、北朝鮮からの脅威に変わりはないとしている。昨年、北朝鮮は12発以上のミサイルを発射し、そのうち2発は日本北部の上空を通過した。
北朝鮮は、今年になっても、国営メディアで日本を脅すことを続けている。安倍首相が、北朝鮮の金正恩主席との会談に意欲を示しているにもかかわらすだ。両国からの代表が、今年の夏に短時間の会談を持ったが、外交交渉が進展している様には見えない。
一方で、人工衛星からの映像では、北朝鮮は、主要なミサイル製造工場を拡張している様に見える。
日本のイージスアショアシステムは、2025年頃までは運用出来ないだろう。船上のイージスと地上に装備されたPAC-日本のイージスアショアシステムは、2025年頃までは運用出来ないだろう。しかし、このシステムは、船上のイージスシステムと地上に装備されたPAC-3システムに続く、3番目の弾道ミサイル防衛システムとなる。
東京のネクシアルリサーチの防衛コンサルタント部門トップのランス・ゲイトリング氏によれば、イージズアショアは、日本の防衛力を著しく高めるだろう。このシステムは、既にルーマニアに配備されていて、NATOのミサイル防衛ネットワークの一部としてポーランドにも配備される予定だ。
このシステムの1つは、日本北部の秋田県に装備される予定だが、多くの住民が反対の意向を示している。イージスアショアに使われる強力なレーダーから発せられる電磁波に不安を持ち、軍事ターゲットになることを恐れてのことだ。
「もしこの場所がミサイル基地になったら、攻撃目標になるでしょう。私たちはとても恐れています。」とハセベ・ハジメさんは言う。彼は70才の退職者で、イージスアショアが配備されると言われている土地から数百メートルのところに住んでいる。
防衛省は、住民と会合を持って、設置計画について説明した。同省によれば、レーダーからのこの地域へのリスクはないということだ。