Sunday, September 30, 2018

*** 9月のまとめ ***

9月にWSJ(ウォールストリートジャーナル)に掲載された日本関係の記事は10件だった。1月から8月までの月あたり掲載数が、6.1件だったので、掲載数としては多かった。4月の13件に次いで、今年2番目に多い掲載数だった。

テーマ別では、政治関係が4件、社会関係が6件。

経済紙であるWSJに経済関係の記事が取り上げられないのは、極めて異例。また、大阪なおみ関係のニュースが3件、自然災害のニュース(台風21号、北海道胆振東部地震)が3件と、社会関係のニュースが多かったのも特徴的だ。

政治関係では、1日に2019年度の国防予算概算要求を、12日にウラジオストックでの日中首脳会談を、17日に海上自衛隊の南シナ海訓練を、21日には自民党党首選での安倍首相の勝利を伝えた。

これまで、WSJは日本の防衛費増額には好意的だったが、ここにきて、日本の軍備は実質的に世界第4位(米中露に次ぐ)として、安倍首相の行きすぎた軍備増強姿勢を批判する方向にトーンを切り替えた様にも読める。8月に安倍首相よりも石破氏の方が日本国民に支持されているとして、安倍首相に批判的な記事を掲載したのに続くものだ。

また、日中会談に続いて、自衛隊の南シナ海訓練を中国が表立って批判しなかったことも取り上げ、トランプ大統領の関税政策によって、日中両国が接近することによって、東アジアのパワーバランスが崩れることに、繰り返し懸念を表明している。

社会関係では、何と言っても、「大阪なおみ」だろう。決勝戦当日の朝、決勝戦の翌日、そして決勝戦の4日後に続報を伝えるなどの力の入れよう。日本人スポーツ選手がこれだけ大きく取り上げられたのは、前例がないのではないか。

決勝戦当日の朝の記事では、大坂なおみが憧れのセレーナと戦うことに興奮している姿が伝えられ、まさか勝つことは思っていない。決勝戦の翌日の記事では、決勝戦の報道はセレーナと審判の対決ばかりになっているが、勝ったのは大坂なおみなのだから、彼女のことを報道しようと呼びかけた。そして、4日後には、大坂なおみが、米国代表ではなく、日本代表として戦っているのかを詳細に報道した。

そして、9月は自然災害が多かった。WSJも台風21号について、関西空港を襲った翌日と翌々日に空港閉鎖を中心に報道。また、北海道胆振東部地震についても発生当日に速報した。

掲載箇所では、スポーツ面が3回、国際面が7回だった。日本のニュースがスポーツ面で取り上げられるのは、極めて珍しい。