Saturday, September 8, 2018

大坂は決勝で憧れの人と対決【A14面(スポーツ面)】

8日にUSオープン決勝で大坂なおみがセレーナ・ウィリアムズと戦ったが、WSJは試合前のその日の朝刊で、この試合の予想ともとれる記事を掲載していた。


 大坂が凄い選手であることは認めながらも、「セレーナ・ウィリアムズとは、選手としての格が違うので、大坂が勝てる訳がない。」というニュアンスが、行間に読み取れると思うがどうだろう。サーシャ・ベイジンコーチの「いつの日か、大坂もセレーナの様な強い選手になれるかもしれない。」というニュアンスのコメントを引用したり、昨年大坂がセレーナに勝った試合について「あの時は授乳中だったから。」というセレーナのコメントを引用したりしていて、今回はセレーナの勝ちであると占っている様に読める。なお、大坂選手が日本代表だとする記述は一切無い。

***** 以下本文 *****
セレーナ・ウィリアムズがUSオープン女子の決勝へ戻ってきた。土曜日に、彼女にあこがれてテニスを続けてきた新星と対決する。
ウィリアムズ選手と大坂なおみ選手は、木曜日の夜、共に準決勝を戦い、完勝した。ウィリアムズ選手は最初の2ゲームを落とした後、6-3, 6-0とアナスタシジャ・セバストワ選手を打倒した。一方の大坂なおみ選手は、試合最初のラブ40から向けだし、その後リードすると、その勢いを保ったまま、6-2. 6-4でマディソン・キーズ選手に勝利した。
ESPNのトム・リナルディにコートでのインタビューで、どうして13のブレイクポイント全てをものに出来たのかと問われて、大坂選手は「どうしてもセレーナ選手と対戦したいと考えていたからだ。」と答えた。
ウィリアムズ選手と大坂選手を比較してみるととても面白い。今回は、ウィリアムズ選手にとっては、31回目のグランドスラム決勝となる。彼女は、そのうち、23回で勝利をおさめており、これはマーガレット・コート選手の持つ記録である24回に1回及ばないだけだ。ウィリアムズ選手は、これまでにプロ・トーナメントで72回の優勝経験がある。一方の大坂選手は、グランドスラムの決勝に出るのは初めてだし、優勝経験といえば、今年のカリフォルニア・インディアンウェルズの優勝が唯一だ。
しかし、大坂選手がウィリアムズ選手を若くした様な凄い選手だということが分かるのにそんなに時間はかからない。大坂選手は、ウィリアムズ選手より2インチ高い、5フィート11インチだし、サーブのスピードは時速120マイルにもなる。彼女は、高く上がるキックサーブを正確に打つことが出来るし、素早く走り回ることも出来る。ウィリアムズ選手に対しては自信をもっていないかもしれないが、彼女は試合では容赦ない。キーズ選手に対して、大阪選手は、まるでウィリアムズ選手の様に、感情もストロークもうまくコントロールした。
このことを誰よりも良く分かっているのは、サーシャ・ベイジンコーチだろう。彼は、ウィリアムズ選手のコーチを8年間務めたこともある。
「なおみは、いつの日か、ウィリアムズ選手の様に、コートを支配するかもしれない。」とベイジンコーチは言う。
大坂選手とウィリアムズ選手は、一度対戦している。今年の3月にマイアミで行われた試合では、大坂が6-3, 6-2で勝利した。しかし、その時は、ウィリアムズ選手は、昨年に最初の子供を出産して、テニス界に戻ってきたばかりだった。
「その時は授乳をしていて、今とは全く違った状況だった。」とウィリアムズ選手は言った。「そんな訳で、あの時はあの時。あんな試合はもう二度としたくないわ。」
今月37才になるウィリアムズ選手は、決勝戦の結果がどうであっても、今シーズンの成績に誇りをもっていると語った。
「挑戦し続けるだけです。」とウィリアムズ選手は言う。「今回がダメでも、次回のために挑戦し続けるだけです。」
大坂選手は、ウィリアムズ選手のことはとても尊敬しているけれど、勝ちたいと述べた。
「この試合の一瞬一瞬を楽しみたいけど、これは私にとって、ふだんと同じ試合です。」と大坂選手は言う。「私は、彼女を対戦相手とみなし、ただ戦うだけです。」