Tuesday, September 18, 2018

日本、南シナ海の海洋訓練に参加【A10面(国際面)】

防衛省は17日、海上自衛隊の潜水艦が南シナ海で護衛艦部隊と訓練したと発表したが、WSJは翌18日の国際面でこのニュースを速報した。



南シナ海での潜水艦訓練が公表されたのは初めてで極めて異例とし同海域で一方的な軍事拠点化を強行する中国を牽制する狙いがあるとしている。一方で、トランプ大統領の関税政策に共に反対する日中両国は、最近その関係が急速に改善していることにも触れ、今回の日本の軍事訓練を中国が直接非難しなかったと伝えている。英仏艦隊の南シナ海航行や米国の航行の自由作戦にも触れ、日本の今回の行動はこれらの作戦に続くものだとして、西側諸国が連携して中国に対抗する作戦の一環として評価している様に読める。


***** 以下本文 *****
日本は潜水艦を南シナ海に派遣し、3隻の護衛艦と共に、対潜水艦を想定した訓練を実施した。これは中国の軍備拡大に米国とその同盟国が対応出来ることを狙ったものだ。
潜水艦「くろしお」は、木曜日に、3隻の護衛艦と合流した後、ベトナムのカムラン湾に寄港した。日本の防衛省によれば、日本の潜水艦が入港するのは初めてだ。
また、南シナ海での潜水艦訓練を防衛相が公表するのは初めてだ。
「これは、中国やこの地域のその他の国への戦略的メッセージの1つだ。」と東京の政策研究大学院大学の安全保障・国際専門の道下徳成教授は言う。「力の均衡を保ちたいという日本の意思を示すものだ。」
道下氏は、日本が対潜水艦を想定した訓練をすることは「極めて重要」だと述べた。何故なら、中国は弾道ミサイルを発射することが出来る原子力潜水艦を運用しているからだ。
この演習は、南シナ海の渡航の自由を確保するために、英仏が共同で行った演習や、米海軍による航行に続くものだ。
日本の潜水艦がベトナムに寄港したということは、米国とその同盟国がベトナムと築き上げている協力関係を示すものだ。それは、中国が南シナ海の一部に中国の領土権を主張していることへの対抗することになる。
中国外務省スポークスマンの耿爽氏は、記者会見で日本の潜水艦訓練について問われ、日本を直接的には非難しなかった。しかし、南シナ海域外の国々は、「注意深く行動すべきだし、地域の平和や安定を乱すべきではない。」と述べた。
耿氏は、中国は紛争を解決するために、東南アジアの国々に働きかけていくことにコミットしていると述べた。
日本の訓練は、最近の日中関係の改善に複雑な影響を及ぼす可能性がある。両国共に、トランプ政権が輸出品に課税する関税問題に直面しており、そのことが両国関係を改善させてきた。
安倍首相は、今月、ロシアでの会議で習近平主席と会談し、10に北京を訪問すると述べた。
中国はここ数年、南シナ海での軍事的影響力を高めている。5月には、中国海軍は、権益争いがある島に、爆撃機を着陸させたと発言し、同地域での支配力を強めた。
世界貿易のうち1/3を占める物資が、135平方マイルのこの地域を通過している。また、この地域は天然資源が豊富だとも言われている。中国は、そのほぼ全域について、歴史的にみて領有権があると主張している。
中国は、繰り返し船や航空機を使って、日本が尖閣諸島と呼び、中国が釣魚島とよぶ東シナ海の島々に対する日本の主権を脅かしている。
南シナ海における日本の潜水艦の存在は、中国にとっては、不愉快なことだろうと、海上自衛隊の元自衛艦隊司令官香田洋二氏は言う。「潜水艦は洋上軍艦よりも見つけるのが難しい。そのため、海では洋上軍艦よりも歓迎されないのです。」と彼は言う。