Tuesday, October 31, 2017

*** 10月のまとめ ***

10月にWSJに掲載された日本関係の記事は12件。2月と7月の15件に次いで3番目に多かった。

テーマ別では、政治関係が9件、経済関係が1件、社会関係が2件だった。

政治関係の記事は、9件全てが衆議院選挙に関する記事。
9月掲載分も合わせると衆議院選挙に関する記事は実に11件。選挙翌日には、1面、社説併せて4件もの記事を掲載。希望の党の動きも2回掲載するなど、異例とも言える力の入れ方で日本の選挙を報道した。
前回2014年の衆議院選挙も、安倍首相が突然の選挙に打って出て、世界中を驚かせた。この時も、当初はWSJは自民党の敗退を懸念していたが、その予想を裏切って安倍首相は大勝。安倍首相が勝敗ラインを過半数に設定して、目標が低すぎると批判を受けた点も似ている。
しかし、WSJの興味である経済政策という点では、二つの選挙は大きく異なっていた。
前回の選挙は、「アベノミクス選挙」と呼ばれ、消費増税延期とアベノミクス続行について、国民の信を問うという分かり易い選挙だった。安倍首相は、選挙に勝利するや否や、経済再生法を成立させるなど、矢継ぎ早に経済政策を実行に移し、WSJはそのリーダーシップを絶賛した。
今回の選挙は、「国難突破選挙」と呼ばれた。WSJは、安倍首相が北朝鮮の脅威を利用して、軍拡と憲法改正に向かうとして、そのこと自身は日本が応分の軍事費を負担するという点で歓迎している。しかし、経済政策の根幹に教育無償化という、どちらかというと「大きな政府」的な政策を据えたことには大きな疑問を呈した。
WSJは、今回の選挙についての記事を11回掲載。前回の7回を上回った。いずれも数としては多く、安倍首相の選挙手法は世界の興味を引くと言う点で、うまい。

経済関係では、日本で増加する外国人労働者が日本の賃金を押し下げているとする議事を、社会関係では、準天頂衛星みちびき打上げ成功と米海兵隊ヘリコプター墜落の記事を掲載した。

掲載箇所では、1面が1回、社説が1回、国際面が9回だった。