Tuesday, October 31, 2017

*** 10月のまとめ ***

10月にWSJに掲載された日本関係の記事は12件。2月と7月の15件に次いで3番目に多かった。

テーマ別では、政治関係が9件、経済関係が1件、社会関係が2件だった。

政治関係の記事は、9件全てが衆議院選挙に関する記事。
9月掲載分も合わせると衆議院選挙に関する記事は実に11件。選挙翌日には、1面、社説併せて4件もの記事を掲載。希望の党の動きも2回掲載するなど、異例とも言える力の入れ方で日本の選挙を報道した。
前回2014年の衆議院選挙も、安倍首相が突然の選挙に打って出て、世界中を驚かせた。この時も、当初はWSJは自民党の敗退を懸念していたが、その予想を裏切って安倍首相は大勝。安倍首相が勝敗ラインを過半数に設定して、目標が低すぎると批判を受けた点も似ている。
しかし、WSJの興味である経済政策という点では、二つの選挙は大きく異なっていた。
前回の選挙は、「アベノミクス選挙」と呼ばれ、消費増税延期とアベノミクス続行について、国民の信を問うという分かり易い選挙だった。安倍首相は、選挙に勝利するや否や、経済再生法を成立させるなど、矢継ぎ早に経済政策を実行に移し、WSJはそのリーダーシップを絶賛した。
今回の選挙は、「国難突破選挙」と呼ばれた。WSJは、安倍首相が北朝鮮の脅威を利用して、軍拡と憲法改正に向かうとして、そのこと自身は日本が応分の軍事費を負担するという点で歓迎している。しかし、経済政策の根幹に教育無償化という、どちらかというと「大きな政府」的な政策を据えたことには大きな疑問を呈した。
WSJは、今回の選挙についての記事を11回掲載。前回の7回を上回った。いずれも数としては多く、安倍首相の選挙手法は世界の興味を引くと言う点で、うまい。

経済関係では、日本で増加する外国人労働者が日本の賃金を押し下げているとする議事を、社会関係では、準天頂衛星みちびき打上げ成功と米海兵隊ヘリコプター墜落の記事を掲載した。

掲載箇所では、1面が1回、社説が1回、国際面が9回だった。

Thursday, October 26, 2017

日本の増大する外国人労働者は賃金を押し下げる【A6面(国際面)】

 WSJ1026日の国際面に、増大する外国人労働者が、日本の平均賃金を押し下げているとする記事を掲載した。


日本は表向きは移民を受け入れていないが、現実には100万人を超える外国人労働者(前労働人口の2%にもなるそうだ。)が人手不足の労働市場を支えている。安倍首相は、賃金上昇や労働生産性の向上を重点政策に掲げるが、外国人労働者の増加はこうした目標の阻害要因となっており、いつまでも放置する訳にはいかない。日本でも、移民の問題について、今こそ本格的な議論が必要だと言っている様に読める。

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この43年間で最も逼迫した労働市場に直面して、がってん寿司は2人の中国人のキッチン労働者と1人のフィリピン人のウェイターを雇用した。ウェイターは顧客に「いらしゃいませ。」と声をかける。どちらの仕事も時給は10ドル程度だ。
「私はここで働く経済的なメリットを感じます。多分、将来はもっとそう感じるでしょう。」と、大学生で卒業後も寿司ビジネスを学ぶために日本に留まることを希望しているシェン・ジガンさんは言う。
日本は戦後初めて、低賃金の外国人労働者に門戸を開いた。これは重要な意味を持つが、規模としてはまだ小さい。そして、これは、日本の短期的な目標と長期的な目標がぶつかり合うことを意味する。労働人口を増やす一方で、支出や成長を促すために、賃金を上昇させようとしているのだ。
日本の産業界のリーダーやエコノミストは、移民を増やすことを訴えてきた。それが、高齢化と少子化に直面する国にとって、労働者を増やす唯一の手段だからだ。しかし、その様な人々は、賃金を下げることに貢献してしまう。これは、安倍首相の提示する、賃金と生産性の向上と矛盾する。
「もし、労働コストが上昇すれば、企業は生産性を上げざるを得ないだろう。」と第一リサーチインスティトゥートのホシノタクヤ氏は言う。「しかし、外国人労働者の増加は、そのような動きにブレーキをかけてしまう。」
労働省のデータによれば、2016までの4年間で、日本の外国人労働者は40万人増加した。初めて100万人を超え、労働者人口の2%を占めるまでになった。米国では海外生まれの労働者が全体の17%を占めるので、これには及ばないが、東京の様な大都市では、労働市場に変化を起こすのに十分な数値だ。
「外国人の助けが無ければ、私たちのレストランの幾つかは閉鎖せざるを得ないでしょう。」とがってん寿司などの寿司チェーンを運営するRDCの採用マネジャーのフクイ・ヨシテル氏は言う。
日本では、15才から64才までの人口は毎年60万人以上減少しており、外国人労働者は日本の労働力強化に貢献している。しかし、15年にわたって経済を停滞させてきたデフレからの脱却にとって、賃金を上昇させることも重要だ。経済は6四半期連続で成長。これは、ここ10数年で最長だ。失業率はわずか2.3%で、ここ23年で最低だ。この様な成功が、安倍氏が率いる連立政権に、日曜日の選挙で勝利をもたらした。
しかし、インフレと賃金の上昇はスローだ。8月のインフレ率は0.7%にとどまり、賃金は1年前の同月に比べて0.1%下落した。
日本の最低賃金は、日本生まれの多くの労働者を惹きつけるには低すぎるが、多くのアジアからの労働者にとっては十分だ。第一のデータによれば、日本の最低賃金は、ベトナムの21倍、ネパールの12倍、中国の3倍だ。
多くの外国人労働者は語学を学ぶ学生として来日し、週28時間まで働くことを許されている。しかし、ほとんどの労働者は、入国ルールによって、永遠に滞在することは出来ない。安倍氏は、長期的にみて、低賃金の移民が多く入ってくることを望まないと繰り返し述べてきた。
しかし、他のアジアの国々からの労働者を採用してでも、人手不足を解消しようとする企業の動きを止めることは出来ない。例えば、コンビニエスストアのチェーンであるファミリーマートユニーホールディングズは、海外の学生をターゲットにして、語学学校でリクルートのためのセッションを開催している。
ホシノ氏は、全体として、海外からの労働者を受け入れることは日本にとって価値があるのかどうか、意思決定を迫られていると言う。「表面的には、日本は移民を受け入れないと言っている。しかし、現実を見ると、次第に外国人に依存する様になってきている。」

Tuesday, October 24, 2017

安倍首相は選挙に勝利し、経済問題へ注力【A6面(国際面)】

1022日の衆議院選挙を受け、WSJは翌々日の国際面で、安倍首相の経済政策に関する記事を紹介した。


この記事は、安倍首相の経済政策を様々な点から論じているが、安倍首相が今回打ち出した「教育の無償化」に多くのスペースを割いている。この政策は、もともとは左寄り政党が考え出したもので、「大きな政府」を標榜するものだ。これまでの自民党のスタンスとは一線を画すものであり、安倍首相がいかなるスタンスでこの案を打ち出してきたのかはっきりさせないと、市場の混乱を招くとしている。

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安倍首相は、衆議院選挙での勝利を確実にした後、日本経済の構造的な問題と取り組むと述べた。
比較的好調な経済と株式市場の高騰により、安倍首相率いる連立政権は衆議院で2/3を超える議席を確保した。投資家たちはこの結果に好感し、日経株価指数は、最長期間を更新する15日間連続の上昇を記録した。
しかし、安倍首相はもっと長期的な課題に直面している。日本は高齢化に直面しているし、生産性は他の先進国の後塵を拝している。
安倍氏は月曜日に、全ての家族の幼児教育を無償化し、必要な家庭に対しては高等教育を無償にすると述べた。この政策はもともとは左寄りの野党から、少子化に歯止めをかけるために提案されたものだ。「我が国の着実な成長のカギを握るのは、高齢化や少子化にどう対応するかです。それは、アベノミクスの最大の課題です。」と彼は述べた。
安倍氏はまた、選挙によって遅れていた労働法の改定も進めるだろう。この法案は、残業時間を減らし、非正規雇用者にも正規雇用者と同等の給与を支払うことを目指している。非正規従業員は、似た様な仕事をしていても、正規従業員より低い給与しかもらえない。
改定案の一つは、特定の専門職への残業代支払を不要にすることだ。安倍内閣によれば、この改正によってコンサルタントや金融家が、米国並みの高給を取ることを容易にする。
労働組合などの反対派は、手当無しの長時間労働への道を開くものだとして、反対している。
選挙では、アベノミクスがしばしば公約として掲げ、いまだに達成していない分野も争点となった。安倍氏は、日本の組織の責任ある地位の30%が女性で占められる様にしたいと言ってきた。しかし、NHKによれば、今回の選挙でも、殆どの議席が固まった段階で、衆議院465議席のうち、女性は47人に過ぎない。
安倍首相はまた、201910月に予定されている消費税の8%から10%の増加を実施すると述べた。モーガンスタンレーMUFG証券のロバートフェルドマン氏は、財政論者の支持は得られるだろうが、教育への追加支出は気になるところだと述べた。
「安倍氏の選挙でのスタンスは、財政改革がどの様に行われるのかはっきりさせないまま、大きな政府へと緩やかにシフトすることだった。」とフェルドマン氏は顧客への説明の中で述べた。「新しい政府がそのスタンスを明確に説明するまで、投資家は、経済政策の方向性について、良く分からないままでいることになるだろう。」
市場を覆うもう一つの懸念は、北朝鮮だ。ここ数ヶ月の間に、北朝鮮は日本上空を通過するミサイルを2発発射した。安倍氏は、月曜日にトランプ大統領を電話で会談した。トランプ大統領は、来月のアジア歴訪の最初の訪問国として日本を訪問する予定だ。
日本政府関係者によれば、2人の首脳は、北朝鮮に関する集中的な討議に入る前に、プロゴルファーの松山英樹を交えてゴルフをする。
安倍氏は、間もなく、日銀総裁として、黒田氏を再選するのか、後任を任命するのか決めなければならない。いずれにしても、市場は、年間6兆円(約530億ドル)の国債購入を含む超金融緩和政策の根幹は維持されるだろうと見ている。
東京三菱UFJ銀行のストラテジストのセキドウタカヒロ氏は、日銀は、株式ファンドの購入を継続するとみられ、それはとても良いことだと述べた。

最近の動きをみると、日銀は国債の購入スピードを緩めだした。黒田氏かその後継者は、連邦準備銀行の引締め政策に、どの程度遅れて追髄するのか決定しなければならないだろう。

Monday, October 23, 2017

安倍首相は選挙で大勝し、軍備増強へ向かう【A6面(国際面)】

1022日の衆議院議員選挙の結果を受け、WSJは翌23日の国際面に、安倍首相が軍備増強を目指しての憲法改正に突き進むとの記事を掲載した。


安倍首相は、この選挙戦で彼の北朝鮮政策を論点のひとつに据えたが、選挙大勝により、その政策に対して国民の信任が得られたこと、また、希望の党の出現により、国会内に憲法改正に賛成する勢力が増えたことなど、トランプ政権がオバマ政権に続いてこうした安倍氏の政策を支持していることなどにより、憲法改正への環境は一機に整ったとしている。但し、第9条の改正には、近隣諸国からの批判が強いこと、国民の反対も根強いことなどを考慮すると、自衛隊の存在を認める規定を単純に加えるといのが現実的な落としどころだろうとしている。

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日本の安倍首相は、総選挙で、選挙民から強い新任を得た。日本憲法は1947年に施行されて以来改正されていないが、この勝利により、安倍首相はその改正を一気に推し進めるだろう。
テレビ放送が伝えるところによれば、日曜日に選挙結果がほぼ判明した時点で、安倍氏が率いる自民党と連立相手である公明党は、衆議院の2/3の議席を維持する見通しだ。正式な最終投票結果は月曜日に明らかになる。
安倍氏が友人に便宜を図ったという追求により、安倍氏の支持率は急速に下落した。しかし、その後の野党の混乱と支持率の回復に乗じて、安倍首相は、任期1年以上前に、解散総選挙に打って出た。
12日間の選挙戦で、安倍氏は、この総選挙は、安倍氏の経済政策と北朝鮮政策への信任投票だと訴えた。日本経済は、過去1年半にわたって成長を続けている。これは、ここ10数年で最長だ。また、安倍氏は北朝鮮に対して、トランプ大統領同様に、強い姿勢で臨んでいる。
63才の安倍首相は、この勝利により、首相としての在任期間が最も長くなる可能性が出てきた。201911月まで首相を続ければ、最長となる。
この選挙結果を受けて、日経平均は1.1%上昇し、円相場は円安へと向かった。
安倍氏は、この勝利を受けて、憲法改正の議論を前進させたいとの思いを示唆した。彼は2006年に最初に首相の地位につき、2012年に再びその地位に返り咲いたが、その当時から憲法改正を目指したきた。
「我々は、国民の理解を得る必要がある。」と安倍氏は、テレビのインタビューで語った。
米軍によって押し付けられたこの憲法は、この5月で施行後70を迎えたが、その際に安倍首相は、国会で憲法改正を議論する必要があるとして、安全保障上の危機の増大、高齢化社会、経済再生の必要性などをその理由としてあげた。彼は、改正時期の目標として、2020年を掲げた。
憲法改正のためには、まず、2/3の国会議員が賛成する必要がある。そして、国民投票で過半数の賛成を得る必要がある。2012年に自民党は憲法改正案を提示したが、すぐに野党の批判にさらされた。
東京都知事が率いる中道右派の新党は、憲法改正を支持している。この新党の出現により、国会での承認は得やすくなった。
憲法改正に向けたしっかりとした議論が出来る方向へと向かっている。」と選挙後のテレビインタビューで小池氏は語った。
安倍氏の個人的なフォーカスであり、最も議論のある提案は、戦争の放棄をうたった第9条の改正だ。この条項は、日本は2度と戦争を起こさない様に、軍備を保有したいと規定している。
現実には、1950年には、日本の軍隊は再編成されている。しかし、防衛の任務や災害救助だけを行うこととされ、自衛隊と名付けられている。世論調査によれば、国民は、世界で最も近代的な軍隊のひとつである自衛隊を支持している。
現状の憲法の条文では自衛隊は違憲とみなされるが、安倍氏と自民党は、この条文を維持したままでは、有事に混乱を招くおそれがあると主張する。野党は、これまでの全ての内閣は、現行の憲法は自衛隊を容認しているという解釈を受け入れており、安倍氏は、他の国の戦争に日本を巻き込む方向へ進んでいると主張している。
日本の近隣諸国からも批判がある。特に、20世紀初頭に日本に部分的に占領された経験をもつ中国は、日本は軍国主義に戻っていると主張している。安倍氏の再選について、今の所、中国は声明を発表していない。
安倍氏は、軍隊を国連の平和維持活動に参加させたり、日本の同盟国を支援させたりすることも含め、日本は国際的にもっと大きな役割を担うべきだと主張する。
2014年に安倍内閣は憲法の解釈を変更し、自衛隊が、攻撃を受けている同盟国を支援することを可能にした。今年に入って、小野寺防衛大臣は、この解釈変更によって、日本は、北朝鮮がグアムに向けて発射したミサイルを撃ち落とすことが出来る様になったと主張している。北朝鮮の核開発計画についての危機は継続しており、そうした中で北朝鮮はグアムへのミサイル発射を示唆している。
米国のオバマ政権とトランプ政権は共に、日米同盟の中で、日本がより多くの負担を担うことを約束する動きを支持してきた。

安倍首相は、憲法改正に対する反対が大きいことを認識しており、日本が軍隊を持つことを認める条項を加えるという単純な変更に期待をかけている。

東京都知事の挑戦は期待外れに【A6面(国際面)】

1022日に行われた衆議院議員選挙に関連して、WSJは翌23日の国際面で、小池都知事の国政進出への野望がついえたことを速報した。



小池氏は、安倍首相が推進する親米路線を維持しながら、国内政策で安倍首相と違いを出そうとしたとしている。アベノミクスで掲げている規制緩和が、既得権益にしがみつく人々の抵抗で進まない中、WSJは、しがらみの無い小池氏の経済政策に期待している様に読めるがどうだろう。

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小池百合子東京都知事の安倍首相への挑戦は、期待外れに終わった。安倍首相の政治能力はしばしば過小評価されるが、5年間政権を維持しただけのことはあり、今回はその能力が発揮された。
テレビでの報道によれば、小池氏の設立1ヶ月足らずの希望の党の獲得議席数は、衆議院の465議席のうち、約50議席程度に止まりそうだ。一方、安倍氏が率いる自民党は、圧倒的な過半数を確保した。最終結果は、月曜日に明らかになる。
小池氏は、都市代表者の国際会議出席のためにパリに飛んだので、日本にいて結果を見守ることが出来なかった。
小池氏はパリでレポーターに対し「これは完全な敗退です。」と述べた。「安倍首相の批判勢力を結集しようとしたのですが、逆に皆さんからの批判の的になってしまいました。」

それは、72日に行われた東京都議会議員選挙と全く反対の現象だった。東京都議会議員選挙では、小池氏の支持者が東京都議会の過半数を獲得して圧勝。一方、安倍氏の自民党にとっては、史上最悪の結果だった。
小池氏は、国政レベルへの野心を実現するために、東京での勝利をもう1度呼び込もうとの賭けに出て、希望の党を立ち上げた。
彼女は、安倍氏の親米外交路線と北朝鮮に対するタカ派的スタンスを支持する一方で、消費増税の延期や原発の廃止など、国内政策には新しい考えを持ち込んだ。

安倍首相の大きな勝利【A16面(社説)】

1022日の衆議院議員選挙について、WSJは、23日の社説で取り上げた。



安倍首相の勝利は、彼の人気によるものではなく。偶然の産物だとしている。たまたま北朝鮮がミサイルを発射したために彼の右翼的思想が正当化され、たまたま経済の状態が良く、たまたま野党が勝手に分裂したから勝利したのだ。現実には、彼はスキャンダルにまみれ、選挙直前でも半分以上の国民が彼の首相継続を望んでおらず、多くの国民が憲法改正を望んでいない。こうした状況で、どうしても憲法改正を実現したいなら、まずは小池百合子氏の政策を謙虚に聞き、規制緩和、民営化、身を切る改革を実行、経済を立て直して、国民の人気を回復すべきだと主張している。

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日曜日に安倍首相は、3回連続の地滑り的な勝利を収めた。しかし、この勝利は、日本で最も在任期間の長い首相になるであろうこの人に、国民が魅了されたことを意味する訳ではない。日本のコメンテーターたちは、彼の勝利はTITAによるものだとしている。TITAとは、「他に選択が無い。(there is no alternative.)」の略だか、確かに彼らの言う通りだ。
安倍首相は、野党側の混乱に乗じて、解散総選挙に打ってでたが、その思惑は当たった。これまで、最大の野党だった民進党が2つに割れたのだ。中道よりも少し右寄りの「希望の党」とも中道よりも少し左よりの「立憲民主党」有権者は、どちらの党にも、経済をきちんと運営し、北朝鮮の脅威に立ち向かうだけの能力は無いと判断した。
安倍首相は、軍備を拡大し、米国との連携を強化すべきだと主張してきた。国民はこうした主張にどちらかというと疑惑の目を向けてきたが、8月と9月に日本上空に向けて打上げられた北朝鮮のミサイルによって、彼の主張は正しいという見方が広がった。経済もまた好調だ。第2四半期の経済成長は2.5%という堅調な数値を示し、6四半期連続での成長となった。
有権者は、安倍氏に任せた方が安全だと判断したが、彼のリーダーシップに対する信頼が回復した訳ではない。彼が推し進める平和憲法の改正は不人気だ。彼が経済成長の起爆剤として約束した構造改革は実行されないままだ。今年も、労働法を改定しただけだ。
日本の経済の復活は弱々しく、安倍首相への信頼を失わせる結果となっている。7月には、幾つものスキャンダルによって、彼の支持率は30%近辺にまで下落した。日曜日の選挙の直前に行われたある世論調査では、国民の51%が、安倍首相に首相を続けて欲しくないと考えている。
安倍首相は、小池百合子東京都知事と希望の党から、知恵を借りるべきだ。規制緩和、民営化、議員の支出削減が実行されれば、いよいよ企業も重い腰を上げて、投資や採用にお金を回す意欲を持つだろう。憲法改革を実行したり、党内からの突き上げを避けるためには、政治的資産を蓄積する必要があるが、そのために安倍首相が必要なのは、強い経済なのだから。

安倍首相が選挙に勝利【A1面】

1022日に行われた衆議院総選挙について、WSJは翌231面で速報した。



日本の選挙結果が1面で扱われるのは極めて珍しく、この選挙に対するWSJの関心の高さを窺わせる。この記事は3だけの小さな記事だが、安倍首相が当選者の名前に薔薇を付けている写真と、自民党の議席数が全体の60%に達したことを示すグラフを付け、目立つ記事になっている。

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日本の安倍首相と彼が率いる自民党は、安倍首相の経済運営や北朝鮮政策への信任投票だとして戦ってきた選挙に勝利し、新たに政権を任せられた。

Saturday, October 21, 2017

安倍首相は北朝鮮の脅威を利用して議席増を狙う【A6面(国際面)】

衆議院選挙での安倍首相の圧勝の背景には、安倍首相が北朝鮮の脅威をうまく利用している側面もあるとする記事が、選挙日前日の21日の国際面に掲載された。



安倍首相にとって拉致被害者問題はライフワークであり、かつてその解決のために北朝鮮と粘り強く交渉し、未帰還拉致被害者の捜索開始について合意に至ったこともある。しかし、その後、その合意を北朝鮮がいとも簡単に、一方的に反故にしてしまった経験から、北朝鮮に対して強い不信感を持っているとしている。そのため、北朝鮮に対しては、強硬姿勢を貫くべきだと信じていて、国民の間に北朝鮮の脅威を煽り、彼への支持を取り付けようとしている。
一方、もともと北朝鮮に対して強硬姿勢を取るトランプ大統領は、この点で安倍首相と息が合っており11月の来日時には拉致被害者の家族と会う予定だとも報じている。
今回の選挙で安倍首相の圧勝が予測されている背景には、北朝鮮脅威をうまく利用した安倍首相の政治ショーが功を奏している側面があると言っている様に読める。

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日本の安倍首相は、日曜日に実施される総選挙で大勝する見通しだ。好調な経済、与党の混乱、そして北朝鮮の核計画の脅威などが、その要因としてあげられる。
トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩主席の孤立を目論んでいるが、安倍氏の勝利は、トランプ大統領にとって、対北朝鮮戦略を達成するための信頼出来るなパートナーを維持する結果となる。金正恩の敵対的な態度が、安倍氏の安全保障戦略が信頼性を高めている。
日本の新聞3社が実施した最新の世論調査によれば、安倍首相率いる自民党主体の連立政権が、衆議院で2/3という「超過半数」を維持する見通しだ。2/3に達すれば、安倍首相は、憲法改正に向けた国民投票実施に向けた発議が可能となる。彼の憲法改正案の中には、第二次世界大戦での敗戦以降認められていなかった軍隊を持つ権利を保有するという案が含まれている。
北朝鮮問題は安倍氏の選挙演説の中で主要なテーマとなっている。安倍首相は、北朝鮮に対する強硬姿勢を貫くトランプ氏との密接な連携を前面に押し出しているが、そうした彼の政策が、幅広い指示を得ていることが反映されている。今週、ピューリサーチセンターが公表した世論調査結果によれば、106人の日本人が、北朝鮮の核による脅しに対して制裁を加えることに賛成している。
北朝鮮は、ここ数週間で何回か、日本上空を通過するミサイルを発射した。それ以外にもミサイル実験を繰り返し、更には核弾頭試験もおこなっており、こうした北朝鮮の動きは大きな脅威となっている。
「この選挙は、北朝鮮の脅威から日本を守り、幸せな暮らしを維持出来るかどうか、その選択の選挙なのです。」と安倍氏は今週の演説の中で指摘した。
1970年代、80年代に日本国民が北朝鮮に拉致されたが、安倍氏は前の首相の下で、拉致された国民の帰国について北朝鮮と交渉する役を任された。2002年に5人が帰国したが、日本は少なくとも10人の日本人が北朝鮮に拉致されたままだと主張している。
安倍氏は、2006年に初めて首相になった際に、拉致問題は優先順位の高い課題だと述べた。何回かの話し合いの後、日本と北朝鮮は、2014年に合意に至った。そのなかで、北朝鮮は残った行方不明者について捜索することを約束した。
北朝鮮は、この約束の実施をさんざん引き延ばした挙句に、北朝鮮の核実験に対する国際的な制裁を日本が支持していることを理由に、約束を反故にした。日本の政府関係者は、この問題が解決される可能性は極めて低いとしている。
北朝鮮と対峙することを心配している人々がいることは理解しています。しかし、彼らは20年以上続けてきた話し合いを反故にしてしまったのです。」と安倍首相は今週行われた演説の中で指摘した。
今年になって、核兵器の脅威が高まるにつれ、63才のリーダーはトランプ大統領との緊密な関係を構築した。トランプ大統領は、ハト派の文在寅よりも前に、まず安倍首相に助言を求めている。
トランプ大統領は、11月に日本を訪問する際に、拉致被害者の家族と面会する予定だ。
安倍首相の人気のもう1つの理由は経済だ。日本の経済は6四半期継続して成長しており、アベノミクスがうまく行っていることを示している。彼を批判する人々は、成長は弱く、消費者まで行き届いていないと指摘する。
安倍首相に反対する人達の中には、安倍首相が北朝鮮問題を不当に利用して、国民の間に脅威を煽り、任期完了前に総選挙に打って出たと批判する人もいる。
水曜日に安倍首相が東京駅前で演説を行った際には、安倍首相の辞任を求めるサインを掲げた国民の姿があった。
「安倍首相は、北朝鮮の脅威を誇張して伝え、権力に居座ろうとしている。」と69才のオコチムツミさんは言う。「北朝鮮の標的は米国だ。彼らは日本を攻撃しようとは考えていない。」

Friday, October 13, 2017

日本の総選挙での安倍首相の圧勝が予測される【A7面(国際面)】

「日本の報道機関各社の世論調査によれば、衆議院選挙で安倍首相が圧勝する。」という記事が、10月13日のWSJ国際面に掲載された。


自民党圧勝の予測を受け、株式市場はここ20年での最高値を更新するなど、経済に良い影響が出ているとし、自民党勝利への期待を滲ませている。一方で、こうした世論調査の結果発表は、浮動層の野党への投票を促す可能性があり、自民党にマイナスに働くかもしれないとして、警戒感も示している。

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日本の主要報道機関5社が公表した世論調査によれば、安倍首相は、東京都知事である小池百合子氏の挑戦を退け、10月22日の衆議院議員選挙に圧勝する見通した。
投資家は、5年近く継続した安倍内閣が更に継続することにより、政治的な混乱状態が避けられ、安定が維持されると見て、木曜日のこのニュースを歓迎した。日経平均は、水曜日にここ20年での最高値を付けたが、木曜日は更に0.35%上昇した。
共同通信、日経、読売、朝日、産経の5社が実施した世論調査は、全てが「安倍氏率いる与党である自民党が、衆議院の465議席の過半数を軽く超えるだろう。」と予測した。衆議院は、2院制のもう一つの議会である参議院より力を持っている。また、全ての世論調査が、自民党と公明党の連立政権が300議席近くを確保すると予測した。幾つかの調査は、連立政権が2/3の議席すら確保するとした。2/3は、衆議院で憲法改正の発議を行うのに必要な数だ。
小池氏の新党である希望の党は、衆議院で第2政党となる見通しだが、自民党から大きく離され、自民党に比べ100議席以上少ない議席確保に止まる、全ての調査が予測した。
SMBC日興証券のアナリストは、投資家への説明の中で、「世論調査の結果は、安倍首相が勝利するという市場の期待を確認するもので、金融市場がリスクを取ることへの追い風となるだろう。」と述べた。
しかしながら、アナリストはまた、こうした世論調査の結果は、候補者たちが守りを甘くしてしまい、自民党にマイナスに働く可能性もあり、また、希望の党には、党勢回復の勢いをもたらすかもしれないと注意を促している。世論調査によれば、多くの有権者が投票先を決めていない。自民党圧勝の予測は、こうした投票先を決めていない有権者が、議会のでバランスを確保するために、野党に投票することを促すことになるかもしれない。
もし自民党が議会で過半数を維持し、安倍首相が再選されれば、日銀の超金融緩和策を含むアベノミクスは継続されるだろう。日銀の黒田総裁の任期は来年4月に終わる。
総選挙の前の日本の新聞の伝統により、各世論調査は、数万人の有権者を対象にして行われ、どの程度の誤差の可能性があるかは公表されない。

Thursday, October 12, 2017

米海兵隊のヘリコプターが沖縄で墜落【A11面(国際面)】

10月11日、沖縄で、米軍ヘリコプターが訓練中、機内で火災が起き、緊急着陸のあと炎上したが、WSJはこのニュースを翌12日の国際面で速報した。



この事故が発生したのが、米軍訓練場の外であったことを含め、事実をコンパクトに伝えている。

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米国海兵隊のヘリコプターが、日本の南部の島である沖縄に緊急着陸した後に、炎に包まれた。
米軍の発表によれば、沖縄北部の米軍訓練場の外側で水曜日に起きたこの事故による
怪我人はいない模様。日本の公共放送であるNHKが放送した現場の模様からは、CH-35Eヘリコプターから煙と炎が上がっているのが分かる。
米軍によれば、火は鎮火されたが、事故の原因は調査中とのことだ。


Tuesday, October 10, 2017

衛星打上げ成功により日本は世界の最先端へ【A8面(国際面)】

1010日、日本は準天頂衛星みちびき4号の打上げに成功したが、WSJは同日の国際面でこのニュースを速報した。



日本はこの衛星による、高精度な位置情報を提供する「日本版GPS」の構築をめざしている。日本政府は表向きは「商用利用」だと言っているが、実際には「軍事利用」を視野に入れているとしている。具体的な利用事例として、北朝鮮のミサイル基地を攻撃するためのミサイルへの利用をあげている。

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最近の人工衛星の打上げによって、日本は、新しいテクノロジーの実現へ向けて前進した。例えば、自動運転の車をレーン内に維持したり、出前のドローンを日本のマッチ箱サイズの届け先に着地させたり、将来的には北朝鮮のミサイル基地を破壊するのを手伝ったりするためのテクノロジーだ。
火曜日の打上げは、日本で4回目の衛星測位衛星の打上げとなる。この打上げにより、日本は来年の4月には、米国がコントロールしているGPSの日本版の運用開始が可能になる。この測位ネットワークは、日本とその周辺地域をカバーすることになる。
新システムは、当面は米国のGPSシステムと併用する必要があるが、数年後に独立して機能することが可能になる。現状の測位システムが数メーターまでの正確性を達成しているのに対し、このシステムによりその精度は数センチレベルにまでにアップする
日本は、このサービスは、商用ユーザのために正確な位置情報を提供するものだとしている。新しいシステムでは、衛星測位衛星は日本のすぐ上を飛行する。日本の都市部では建物が密集しているために、現状の測位システムでは、高い建物にシグナルがブロックされてしまうことがあるが、こうした問題が解決される。
衛星測位システムは、配送用トラックの追跡に使われるなど、様々な国々の多くの経済にとってなくてはならないものとなっている。多くの国や地域が、自分たちの測位システムを開発してきた。
新しい欧州のシステムは、昨年末にサービス開始した。インドでは、昨年衛星を打ち上げたが、測位システムは2018に開始となる予定だ。中国では、自国のシステムが2020年に開始すると予測される。日本の衛星は準天頂衛星と呼ばれるもので、全世界のシステムの中で、最も正確なデータを提供可能だ。
日本のシステムは、当初は米国のGPSネットワークと連携して運用されるが、2023年頃に衛星の数が7つになった時に、独立して稼働出来る潜在力を持っている。
最も重要なメリットの1つは、自動運転車の開発にあるだろう、
幾つかの企業がその技術の開発のために努力している。その1つが、トヨタ向けの部品供給ナンバー1企業であるデンソーだ。デンソーは、6月に、日本政府と共同出資で、センチメートルレベルの正確性を持つ衛星測位システムの商用化に向けた新しいベンチャーを立ち上げると発表した。この技術により、農地や工事現場での無人自動車の運用が可能になる。
日本は、増大する北朝鮮からの脅威に直面して、軍備への制限を緩和しつつあるが、そうした中、日本政府はこの技術の軍事使用も検討している。
政府の国家宇宙政策委員会の安全保障分科会のメンバーである鈴木一人氏は、米国のシステムが破壊され使用出来なくなった場合に、日本のシステムはバックアップになるだろうと言う。
しかし、防衛専門家の何人かは、準天頂衛星により、日本は最終的に、自国の武器システムをより効果的にコントロール出来る様になるとみている。
日本は他国に依存せずに軍備を持つ能力を保有することになるだろう。」と東京にある防衛コンサルタント会社であるネクシアル・リサーチのランス・ガトリング氏は指摘する。
既存の衛星測位システムがよく使われている軍事システムとして、ミサイル誘導システムがあげられる。日本は、北朝鮮を攻撃するためのミサイルを保有していない。しかし、北朝鮮から攻撃を受けた場合、北朝鮮のミサイル基地に対して反撃する必要があるという、政治的な議論が高まってきており、日本政府は巡航ミサイルの購入を検討している。
7月北朝鮮は、日本上空に2発のミサイルを打ち上げたが、これにより脅威が高まっている。
攻撃するための軍事能力をもつことには、日本国内では賛否両論がある。日本は、第二次世界大戦後に戦争を放棄し、自国の防衛については日米の安全保障条約に頼ってきた。トランプ大統領になって、米国は、安倍首相が軍備への規制を緩和していることに、歓迎の意を表している。安倍首相になって、日本は、日本の同盟国が攻撃を受けた場合に、防衛国を援護するために参戦することが出来る様になった。
小野寺防衛大臣は、日本が北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力を持つべきだと強く主張している。
宇宙政策担当の日本の防衛相の高官は、防衛相は新衛星測位システムに関する情報を興味を持って収集しているが、それを使用するかどうかについては決定していないと述べた。


反権威主義者が日本のリーダーに挑戦状をつきつける【A8面(国際面)】

衆議院選挙公示日の1010日に、WSJは小池氏の政治スタンスを紹介する記事を掲載した。



小池氏は、2世議員や3世議員がはびこる癒着体質の自民党には任せられないとする一方で、外交政策や安全保障政策については安倍首相と考えが一致していると報じてする。最近の世論調査では、希望の党の支持率は13%伸び悩む一方で、安倍首相への支持率も下落傾向で、どちらも苦しい選挙を強いられているとしている。 

***** 以下本文 *****
日本の安倍首相を追い出そうという選挙運動を開始した女性は、微妙なバランスを保とうとしている。変化の顔となろうとする一方で、あまり多くの変化は約束しない。
昨年、初の女性都知事に選ばれた小池百合子氏は、先月安倍首相が解散初選挙を示唆すると、すぐに新党を立ち上げた。選挙戦は火曜日に公示され、投票は1022日に行われる。
希望の党が勝利すれば、日本の頑強な既得権益を打ち砕くことが出来ると小池氏は言う。日本では、多くの国会議員は、政治家の子供や孫だ。こうした状況が、特定の人達を優遇するような体質を生み出している。
「現状維持にこだわるのか、勇気を持って前に進みたいのか、そういうことが問われているでのす。」と月曜日のインタビューで彼女は語った。「企業グループに根差しているのか、国民に根差しているのか、違いはそこです。」
一方で、小池氏は、安倍氏の「北朝鮮に対する強硬政策」や「米国との緊密な連携政策」を維持することを、日本の選挙民に対して再確認しようとしている。数週間前に、北朝鮮は日本上空にテスト打上げ、安倍氏はトランプ大統領と強い連携を確認したばかりだ。
「外交政策と安全保障条約については、何の違いもありません。」と彼女は言う。
希望の党は、厳しい戦いを強いられている。日本経済はここ10程で、最も長い連続成長を続けている。株式市場は、ほぼ20年ぶりの最高値をつけている。
読売新聞が月曜日に行った世論調査によれば、有権者の32%が安倍首相の自民党を指示し、小池氏の党への指示は13%に止まっている。但し。多くの有権者が態度を決めていない。この調査の誤差がどの程度あるかは公表されていない。1ヶ月前によみうり新聞が行った同様の調査では、自民党が40%その時点での最大野党が5%だった。
3ヶ月前に、小池氏の勢力は、東京都議会選挙で、自民党に圧勝した。安倍首相は、政府が安倍首相の友人に便宜を図ったという疑い(安倍氏本人は、何も悪いことはしていないと主張しているが)に対する対応を誤ったことを認めた。
さらにもう一つ、安倍氏が弱くなったことを示す兆しがある。最近の読売新聞のでは、安倍首相への支持が46%、不支持が41%と僅差となった。前回の調査では、支持が50%で、不支持が39%だった。
小池氏の希望の党の紹介ビデオでは、彼女を馬鹿にする男性議員の前を、彼女がさっそうとハイヒールで通り抜けて行く。
彼女は、自身は衆議院選挙に出馬しないと言っている。従って、彼女は選挙に勝ったとしても。首相になることは出来ない。かようにが立候補するかどうかを決める最終期限だ。彼女は、首相として誰を指示するかについては、後で決定すると言っている。
こうした小池氏のスタンスを、安倍首相の側近である菅官房長官は厳しく批判している。「政党の責任は極めて重いということを考慮した時に、政党のリーダーが誰を首相に指名するのかについて発言しないというのは、理解しがたい。」