1月6日に日本政府は釜山の日本領事館前に慰安婦問題を象徴する少女像が設置されたことに抗議して、在韓大使を一時帰国させるなどの措置をとることを発表したが、WSJは翌6日にこのニュースを写真入りで速報した。
2015年末の日韓の画期的な合意は、米国の助けもあって実現したが、韓国側の政治的な混乱で日韓関係がとげとげしい関係に戻っていることし、稲田防衛大臣の靖国訪問がこうした状況を更に悪化させていると報じている。日本時間6日に米国で開催された日米韓事務次官協議で、「韓国政府が不安定な状況の中、安定している日本の政府こそが、右翼の扇動に屈せず、冷静な対応をして欲しい。」と、米国が日本に求めたとしている。
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日本は在韓国ソウル大使を召喚させる。これは、太平洋地域における米国の強力な同盟国である2国の間の関係が、2015年12月の画期的な合意以降、再びとげとげしい関係に戻ってしまったことを示している。
日本は、この措置は、釜山の日本領事館前に民間グループが慰安婦像を設置したことに抗議するものだと述べた。慰安婦は第二次世界大戦中に、日本兵に対する性的奉仕を強制させられた。
韓国の民間団体である、平和像を建設するための青年委員会は、2015年の合意に抗議するために、12月30日に慰安婦像を設置した。この像は、別の民間団体である日本軍による性奴隷に駆り出された女性のための委員会が、ソウルの日本大使館前に設置したものと類似のものだ。
新しい像の設置の一日前に、日本の防衛大臣である稲田朋美が東京の靖国神社を訪問している。その神社は戦犯を含む日本の戦死者を祀るものだ。靖国神社に官僚が訪問するたびに、韓国の怒りをかっている。先週、韓国の外務大臣は、稲田氏の訪問を嘆かわしいものだとした。
日本の官房長官である菅義偉は新しい像は日韓関係に好ましくない影響を与えるとともに、外交の枠組みを決めたウィーン条約を侵害するものだと述べた。
菅氏は、日本は通貨協力についての討議を延期するなど、他の幾つかの報復措置を取ると述べた。
韓国側は、日本の措置は極めて遺憾であり、関係改善に向けて全力で取り組むと述べた。
米国の助けもあって、2015年12月末に、日本と韓国は戦時中の慰安婦も関する問題について最終的かつ不可逆的な解決に合意した。日本は彼らの行為について謝罪し、2016年に生存している女性達をサポートするための政府ファンドに800万ドルを拠出した。
しかしながら、12月の朴クネ大統領の弾劾に象徴される韓国の政治の混乱が、こうした友好関係を引き裂くことに貢献した。
オバマ政権は、韓国と日本の冷たい関係にしばしば悩まされてきた。この2ヶ国には何万にもの米国兵が駐留している。この3ヶ国は、北朝鮮の核兵器開発を停止させるという共通の興味を持っている。
慰安婦像に関する問題は、木曜日に、かねてよりスケジュールされていたトニーブリンケン副国務長官と日本、韓国の代表との間の会議でも話し合われた。
「この様な時には、特に強くて安定している日本の現政府に、冷静に対応してもらいたいし、右翼国家主義者の扇動にのらないで欲しい。」と米国代表は述べた。