財務省は1月25日に2016年の貿易収支統計速報を発表したが、WSJはこのニュースを同日の国際面で速報した。
日本の貿易収支は6年ふりの黒字となったこと、国別にみると米国への貿易黒字が最も大きいこと、米国への輸出のうち実に40%が自動車及び自動車部品であること、そして米国への自動車輸出は前年比8%も増加したことなどを報じている。
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日本の2016年の貿易収支は黒字だった。貿易収支が黒字となるのは、6年ぶりだ。この結果は、トランプ大統領が日本が米国に対して貿易で有利な立場にあるとして、日本を批判している最中に発表された。
財務省が水曜日に発表したデータによれば、日本の米国に対する貿易黒字は600億ドルで、これは他のいかなる国との貿易黒字よりも大きい。この結果、日本の貿易収支全体は、360億ドルに引き上げられたのだ。
日本の輸出の中で、最大のカテゴリーは自動車と自動車部品だ。この2つのカテゴリーの輸出が、昨年の米国への輸出の実に40%を占める。
トランプ大統領は、日本に対する批判の中で、自動車について取り上げ、日本は米国の自動車メーカーに対して非関税障壁を設けている一方で、米国市場での自動車販売が好調で大きな利益を享受していると主張している。
「我々は、日本に自動車を販売しているが、彼らは日本で米国車が売れない様にするために様々なことをしている。」と月曜日に開催された米国のビジネスリーダーとのミーティングで述べた。
日本の政府関係者は、日本市場において、米国車に対する障壁は一切ないと述べている。
こうしたトランプ氏の批判は、日本の関係者の間で、貿易戦争を煽ることになるのではとの懸念を生んでいる。その結果、日本は、米国にある日本企業が米国で生み出している雇用や投資について強調し始めている。
日本のビジネスリーダーたちも、米国でのオペレーションを強化することを約束して、これに応じている。火曜日には、トヨタ自動車がインディアナ州に6億ドルの投資を行って400人を追加雇用すると発表した。これは、同社の今後5年間での米国の自動車工場への投資額である100億ドルの一部だ。
トヨタは、メキシコに組立工場を作る計画について、最近トランプ大統領からツイッター上で名指しで言及されたが、この発表はその直後に行われた。
日本の米国に対する貿易収支は2016年も黒字を維持したが、その前年から比べると5%落ちている。データによれば、米国への自動車の輸出は8%増加して、175万台となった。
日本の政府関係者は、日本はトランプ氏から批判されているが、米国に対して貿易黒字を抱える他の国々と比べた場合、日本対する批判は公平ではないと主張している。