1月23日、天皇陛下の退位を検討する有識者会議が論点整理の結果を発表したが、WSJはこのニュースを翌24日の国際面で速報した。
日本の天皇制は、世界で最も長く継続している君主制であること、1871年以降、退位した天皇がいないこと、そして天皇制が多くの国民に受け入れられ、日本の国家基盤になっていることなどを紹介している。その上で、有識者会議が、天皇制維持のために、退位を現天皇のためだけに認める特別法の制定を進言したことしている。
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政府の有識者会議は、83歳の明仁天皇が退位を支持するとした。この結果、国会が日本の近代史上初めて、天皇の退位を認めることに、青信号が灯った。
天皇陛下は、昨年8月に高齢を理由に退位されたいとのお気持ちを表明され、世界で最も長く続いている君主制の継承について議論が巻き起こった。欧州では、スペイン、ベルギー、オランダなどの国で、ここ数年の間に君主が退位し、次の世代にその地位を譲った。しかし、日本では1817年以降、天皇は退位していない。
1人のビジネスマンと5人の学者から構成される有識者会議は、安倍首相への明確な進言は避けたものの、一回限りの特別法の制定が、退位が最もスムーズに進むやり方だろうと述べた。安倍首相は、国会が法案制定に向けて動き出すことを望むと述べ、与党幹部は夏までに法案を通したいと述べた。
公共放送であるNHKは、7月に天皇陛下が退位を希望され、国民へのお言葉を準備されていると報道した。その数週間後、テレビでの演説という異例の形で、天皇陛下は、56歳の徳仁皇太子にその地位を譲りたいことを示唆された。
「私の体力が次第に衰えていることを考えたとき、象徴としての公務を実行していくことが難しくなっていくのではないかと心配しています。」と2012年に心臓手術を受けられた陛下は述べられた。
世論調査によれば、国民の多くが、天皇の退位を支持している。また、過半数が、将来の天皇も退位を可能にする法律改定を支持している。有識者会議は、将来の天皇の退位も認めることには懐疑的な見方を示し、天皇が自由に退位することを認めれば、天皇制度そのものを揺るがすことにならないとする保守的な意見を支持した。
「現在の天皇陛下だけに退位を認めることですら、前例を築き、天皇制度の安定を揺るがしかねない。」と麗澤大学の法学教授のヤギヒデツグ氏は述べた。
有識者会議会長で、経団連の元会長の今井敬は、退位は天皇陛下の負担を軽減するための方策だと述べた。また、彼は、「天皇制の継続は日本の国家としての礎だ。」と付け加えた。
憲法では、天皇陛下は、政治的な役割を担わないとされている。リベラル派は、戦後数年は、民主主義と君主制が両立するのかという疑問を持っていたが、いまでは天皇の活動を支持している。