Monday, March 2, 2015

日本の若者は声を強める【A8面(国際面)】

選挙年齢引下げのニュースが国際面に掲載された。


この記事は次の様な書き出しで始まる。
「マツバヤシリョウマは、未だに、選挙キャンペーンのチラシを配っていた政治家が彼にはチラシを渡してくれなかった過去の記憶に、胸が痛む。」
「『その政治家は、明らかに選挙権のない若い学生には興味を示さなかったのです。』と東京に住む17歳の高校生は言う。彼は、政治家の冷たい態度に促され、投票が出来る年齢を20歳から引き下げることを提唱するグループに加わった。」

長い記事なので、暫く要約する。

投票開始年齢を18歳まで引き下げる法案が国会で成立する見通しだ。それ自体は、現在いる1億400万人の有権者の2%に当たる240万人の有権者が増えるだけだが、若者が政治から置いて行かれることを防ぐための取り組みの第一歩でもある。
日本は1985年には65歳以上の人口は、全体の10%にすぎなかったが、今や25%に達する。このため、政治家は年金の充実など高齢者受けする政策を推進し、若者にとって重要な問題には熱心に取り組まない傾向にある。例えば、日本の教育関連支出はGDPの2.9%でOECD加盟の34ヶ国中で最低だ。
日本の投票年齢引き下げの取り組みは国際的にみると遅い。90%の国々が18歳以上に投票権を認めているし、ブラジルやオーストリアは16歳以上に認めている。アメリカでは1971年に21歳から18歳に引き下げられ、1,100万人の有権者が追加された。1972年の選挙ではこのうち530万人が投票に参加した。日本が、最後に選挙権を改定したのは、1945年で、その時には女性の選挙権が認められ、選挙年齢も25歳から20歳に引き下げられた。

では、何故、今、選挙年齢を引き下げるのか?
ひとつは、安倍首相が推進しる経済政策があまりうまくいっていないことによる。世論調査によれば、若年層は将来に不安を抱いており、高齢者に比べてアベノミクスヘの支持が大きく、若年層からの支持は安倍首相にとって重要だ。
もうひとつは、安倍首相が、推し進める憲法改正による軍備強化を推し進めるために若年層にかけているといこともある。自民党は、この問題が投票になった場合、僅差になるとみており、現憲法にあまり思い入れのない若年層を味方につけておきたい。

この記事は、次の様なコメントで締めくくれれている。
「安倍氏が首相になって以来、日本の中国や韓国との関係は悪化する一方だ。しかし、政府による10月の調査によれば、20代の国民は60歳以上の国民に比べて、北京やソウルに温かい感情を持っている。」
「コバヤシユイは、18歳の高校生だが、日本、中国、韓国は領土問題の平和的解決に向けて強力していなねばならないと言う。従って、安倍首相の軍備拡張政策には反対だという。『私は、将来、私の家族や友人が戦争にいかねばならなくなるかと思うと怖くなります。』とコバヤシは言う。彼女は、マツバヤシと同じTeen's Rights Movementで活動している。」

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選挙年齢引き下げの背景には、現憲法への思い入れの少ない若年層を味方に引き入れ、軍備拡張を一気に図りたいという安倍首相の思惑があるが、若者は平和的手段による中韓との関係改善を望んでおり、必ずしも安倍首相の思惑通りにはいかないと言っている様に読める。
この記事にで出来るTeen's Rights Movementなる政治団体は、10代の若者が組織する「選挙権を18歳に引き下げる運動」を展開する団体だ。日本のメディアに取り上げられることは少ないが、こうして、海外メディアに取り上げられたり、ソーシャルメディアで英語のメッセージを流したり、最初から世界を相手にしていることには関心させられる。是非、若い力で日本の閉塞感を打ち破って欲しい。
私の一番下の息子も今17歳だから、来年の参議院選挙では投票可能だ。自分が日本のために、世界のために何が出来るかをしっかりと考えて、投票所に向かってほしい。